2018年9月21日 青山ダム
青山ダムは北海道石狩郡当別町青山の石狩川水系当別川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1951年(昭和26年)から北海道開発局農水部による国営事業で当別川源流部への農業用ダム建設事業が着手され、1962年(昭和37年)に青山ダムが竣工しました。
青山ダムは総貯水容量1500万立米超と農業用ダムとしては日本屈指の規模を誇り、当別町の3000ヘクタールを超える農耕地に灌漑用水を供給しています。
ダムの完成により、当別町は大都市札幌を支える食糧生産拠点としての地位を確固たるものにしました。
管理は当別土地改良区が受託しています。
当別ダムから道道28号線をひたすら北上し、『道民の森牧場南地区』入口を過ぎると左手に青山ダムが現れます。
ダム下流に架かる道道28号線の昇竜橋からダムを正面に見ることができます。

地山を挟んで左手(右岸側)に洪水吐があります。
奥は当別土地改良区のダム管理事務所。

左岸からダムを俯瞰
昇竜橋から見えていたのは堤体の一部で、堤頂長は239.5メートルに及びます。
天端は車道で一般車も通行できます。

天端から
正面が道道28号線の昇竜橋。

立ち入り禁止の標識がなかったので階段を下りてみます。

左岸ダム下の隧道は、取水設備から放流路吐口です。
灌漑期が終わりダム湖の水は抜かれ、流入量がそのまま流下されるたかなりの水量となっています。

天端に戻ります。
取水期は8月31日まで、それを過ぎると水が抜かれ流入量はそのまま流下されます。

立派な取水塔。

上流面はコンクリートで護岸されています。

青山ダム最大の特徴は右岸の巨大な円形越流式洪水吐
春は融雪による水量増加で大きな放流量が必要となるためこのような洪水吐となっています。

真下から
写真では実際の大きさが上手く伝わらないのが残念。

ダム便覧フォトアーカイブスの写真を拝見すると、融雪期の放流はかなりの迫力です。
できれば5月ごろに再訪して迫力ある放流とたっぷりの貯水池を眺めてみたいものです。
(追記)
青山ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え水位低下運用もしくは事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
0064 青山ダム(1370)
北海道石狩郡当別町青山
石狩川水系当別川
A
E
35.5メートル
239.5メートル
15127千㎥/14523千㎥
当別土地改良区
1962年
◎治水協定が締結されたダム