ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

草木ダム

2018-10-14 03:27:14 | 兵庫県

2018年10月7日 草木ダム 

草木ダムは兵庫県宍粟市一宮町草木の揖保川水系草木川上流部にある関西電力の発電目的の重力式コンクリートダムです。
兵庫県西部の市川水系や揖保川水系では明治末期より姫路水力電気(株)によって電源開発が進められ、草木ダムは草木発電所とともに1913年(大正2年)に建設されました。
コンクリートダムとしては国内で6番目に古く、発電専用コンクリートダムとしては栃木県の黒部ダムに次ぎ2番目の歴史を誇っています。
ダムおよび発電所は1942年(昭和17年)の電力統制令によって関西配電に接収され、1951年(昭和26年)の電気事業再編成により関西電力が事業を継承しました。
草木発電所の取水口はダム下流500メートルほどにあり有効落差202メートルを生かして最大出力1400キロワットの水路式水力発電を行っています。
草木ダム自体に取水設備はなく、草木発電所で安定した発電が行えるよう草木川の河川流量の平準化を目的としたダムです。
 
ダムはコンクリート製の全面越流式ですが、堤体左右両岸が練石積みとなっており、かつては越流部も石張りだったと推察されます。
減勢工の下流に副ダムがあります。
 
ダム下流500メートルほどに草木発電所への取水堰があり、ダム自体に取水設備はありません。
草木ダムは安定した発電を行うための水量調節が目的です。
 
副ダム。
 
右岸の練石積み
この部分は竣工当時のものと思われます。
 
天端は立ち禁。
堤体はわずかにカーブしています。
 
上流面。
 
総貯水容量24万8000立米。
 
ダムの下流500メートルほどに発電所への取水堰があります。また発電所の落差200メートルを超える水圧鉄管もなかなかの迫力のようですが、いずれも予習不足のため見学しませんでした。
機会があれば・・・と言いたいところですが、一帯のダムはほとんど訪問してしまったのでなかなかその機会はなさそうです。
 
(追記)
草木ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1466 草木ダム (1385)
兵庫県宍粟市一宮町草木
揖保川水系草木川
24.8メートル
86.4メートル
248千㎥/248千㎥
関西電力(株)
1913年
◎治水協定が締結されたダム


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