ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大長見ダム

2021-06-07 11:36:42 | 島根県
2021年5月23日 大長見ダム
 
大長見ダムは左岸が島根県浜田市弥栄町栃木、右岸が同市長見町の二級河川周布川水系周布川本流にある島根県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、周布川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、浜田市への上水道用水の供給を目的として2003年(平成15年)に竣工しました。
さらに2018年(令和元年)には河川維持放流を利用した島根県企業局大長見発電所が完成し、最大出力199キロワットの小水力発電を行っています。
ダム本体はRCD工法によって建設され、ダム右岸側は脆弱地盤を勘案して大きく湾曲しています。
またダム建設地一帯は紅葉の名所としていられることからダム湖は『紅葉湖』と名付けられました。
 
大長見ダムは県道179号黒沢安城浜田線沿いにあり、県道の『大長見ダム』の標識に従って西に折れると左岸ダムサイトに到着します。
今回は木都賀ダムから県道を北上して大長見ダムに至りました。
県道に『紅葉湖展望台』があり、右岸が大きく湾曲した特徴的な大長見ダムを遠望できます。
 
下流から眺めると湾曲した右岸は山に隠れ普通のダムのように見えます。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲート14門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート2門を装備。
 
下流面。
 
手前(左岸)が湾曲した堤体は、長さ334メートルもあります。
 
天端から減勢工と副ダム。
右手奥の白い建屋が2018年(令和元年)に完成した大長見発電所。
手前が利水放流設備。
 
右岸に放流管が2条見えます。
大長見発電所ができる前の利水放流設備で、発電所が停止中はここから放流されます。
 
多くの島根県営ダム同様天端は車道です。
 
左岸から
片翼が大きく曲がった特徴的な堤体はどこから撮影しても絵になります。
 
上流面。
 
左から水位計、オリフィスゲート2門、取水設備と並びます。
オリフィスから向こう側が見える。
 
右岸管理事務所
右下には浮桟橋に繋留された巡視艇。
 
その独特のスタイルに加え、見学ポイントも多くこのダムだけで約3時間、撮影した写真も100枚以上になりました。
直下には中国電力周布川第1発電所や長見ダムもあり時間をかけてじっくりダムを楽しめるゾーンです。
難があるとすればアクセスとなる県道が隘路であることでしょうか?
 
(追記)
大長見ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1756 大長見ダム(1642)
左岸 島根県浜田市弥栄町栃木
右岸 島根県浜田市長見町
周布川水系周布川
FNW
71.5メートル
334メートル
19270千㎥/18770千㎥
島根県土木部
2003年
◎治水協定が締結されたダム


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