ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

松倉ダム

2022-12-14 08:00:11 | 秋田県
2018年 7月15日 松倉ダム
2022年10月25日
 
松倉ダムは秋田県雄勝郡羽後町下仙道の雄物川水系赤沢川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
農林省の補助を受けた秋田県営用水改良事業西馬音内地区により1961年(昭和36年)に竣工、その後1998年(平成10年)~2002年(平成14年)にかけて県営溜池事業による大規模改修が実施され、その際に日本初の鋼製ラビリンス洪水吐が設置されました。
管理は湯沢雄勝土地改良区が行い近接する赤沢ダムと併せて約550ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
松倉ダムには2018年7月に初めて訪問、2022年10月に再訪しました。
 
県道57号にラビリンス洪水吐が描かれた松倉ダムの案内板が現れます。
土地改良区が管理する農業用ダムでこういった立派な案内板が設置されているのは珍しい。
管理する土地改良区の松倉ダムへの愛着と誇りが伺えます。
(2018年7月)
 
県道わきに建つ竣工記念碑。
これは1961年(昭和36年)に松倉ダムが建設された県営用水改良事業の竣工記念碑。(2022年10月)


県道からはダムが見下ろせます。(2018年7月)
 
県道からダートの管理道路に入ると左岸ダムサイトに到着
こちらは2002年(平成14年)のため池整備事業の竣工記念碑。
(2022年10月)

 
上流面はコンクリートで護岸。(2018年7月)
 
総貯水容量54万9000立米の貯水池。
左岸に管理事務所を兼ねた斜樋機械室があります。(2022年10月)

 
草が刈られた下流面
ダム下に下りる階段がありますが、チェーンが掛かっていたの自重。
(2022年10月)


天端と対岸の斜樋。(2022年10月)


斜樋はシャフトが6本。(2018年7月)
 
右岸に洪水吐があります。
洪水吐のプレート。(2022年10月)

 
洪水吐は日本初の鋼製ラビリンス
洪水吐上流側に流木除けのフェンスが設置されていますが、これも珍しい。
(2018年7月)
 
ズームアップ(2022年10月)。


右手が上流側
右手のフェンスは流木除けのスクリーンとなっており、管理橋が渡されています。
(2018年7月)
 
洪水吐導流部はトンネル式
これは1961年(昭和36年)竣工当時のまま。(2018年7月)
 
広角で(2022年10月)


洪水吐上流側の遺構
改修以前のものかと思われますが詳細は不明。(2018年7月)
 
全国でも珍しい鋼製のラビリンスゲートですが、ゲートそのものに加えて流木除けのフェンスが設置されているのも松倉ダム特有の構造です。
2018年夏に続き2度目の訪問となりましたが、その間に土地改良区の合併により管理者が羽後町土地改良区から湯沢雄勝土地改良区に代わっていました。

0375 松倉ダム(1342)
ため池コード
秋田県雄勝郡羽後町下仙道
雄物川水系赤沢川
22メートル
98メートル
549千㎥/549千㎥
湯沢雄勝土地改良区
1961年


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