ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

豊実ダム

2017-07-05 06:00:00 | 新潟県
2016年6月11日 豊実ダム
2017年6月24日
 
豊実ダムは新潟県東蒲原郡阿賀町豊美の阿賀野川本流にある東北電力の発電用重力式コンクリートダムです。
阿賀野川の水利権を獲得した東信電気が鹿瀬ダムの竣工翌年、1929年(昭和4年)に建設し、運用当初は最大出力4万4800キロワットの発電を行っていました。
その後日本発送電に接収されたののち、戦後の電力分割民営化により東北電力が事業継承しました。
1975年(昭和50年)に最大出力5万7100キロワットの豊美第二発電所が増設、さらに2013年(平成25年)には豊美発電所の最大出力を6万1800キロワットに増強、併せて11万8900キロワットの最大出力を誇っています。
ダムは堤体を中心に竣工当時の姿をとどめその歴史的・技術的価値から近代土木遺産に選定されています。
 
鹿瀬ダムから国道459号線を上流に10キロ弱進むと、右手に豊実ダムが見えてきます。
ダム敷地への道は関係者以外通行止めのため、国道から見学するのみです。
手前の取水ゲートは豊実第二発電所のものです。
 
取水ゲートをズームアップ。
 
奥は豊実発電所
手前は第二発電所の導水路。
ゆるやかに湾曲した導水路ですが、草が邪魔で全景を撮影できません。(2017年6月24日)
 
豊実発電所をズームアップ、2013年(平成25年)に増強された建屋は真っ白に新調されています。
発電所の左側は余水吐でしょうか?
発電所を回り込むように魚道がつくられています。


下流にある変電所脇から
左岸の水叩きはずいぶん高い段差がついています。
 
 
 
九十九折れになった魚道。
ここから発電所の脇を回り込んでダム湖へと続いています。

近代土木遺産に選定された歴史のあるダムですが、国道から見学するのみでやや消化不良。
2017年4月からダムカードの配布もスタートしたので、できれば見学会などの開催があればと思うのですが・・・。

(追記)
豊実ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0725 豊実ダム(0454)
新潟県東蒲原郡阿賀町大字豊実
阿賀野川水系阿賀野川
34.2メートル
223.2メートル
18667千㎥/3100千㎥
東北電力(株)
1929年
◎治水協定が締結されたダム


コメントを投稿