ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

坂上ダム

2016-10-17 12:23:18 | 岐阜県
2016年10月15日 坂上ダム
 
坂上ダムは左岸が岐阜県飛騨市河合町角川、右岸が同市宮川町落合の一級河川神通川水系宮川にある関西電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編成により全国に9電力会社が誕生します。
岐阜県内の神通川水系宮川流域は中部電力の営業管区でしたが戦前日本電力が建設した蟹寺発電所が阪神地区向けに送電していたことから、潮流主義により関西電力が宮川流域での水利権を獲得しました。
同社は朝鮮戦争特需による電力ひっ迫を受け蟹寺発電所上流に打保、坂上、角川の3基のダム・発電所建設に着手し1954年(昭和29年)に竣工したのが坂上ダムです。
ここで取水された水は坂上発電所に送られ最大8600キロワットのダム水路式発電を行います。
 
打保ダムから国道360号を南下、岸奥トンネルの手前で右手の旧道に入ると坂上ダムが見えてきます。
7門の関電ブラックのラジアルゲートと左岸の補助ゲートが並びます。
 
傾斜が緩やかな越流面。
 
天端は立ち入り禁止。
 
左岸の取水口。
 
右岸上流から。
 
 
電力会社の発電ダムではダムの名前は送水する発電所の名前を付けることが多く、ダムのある地名とダム名が一致しないことがよくあります。
坂上ダムもその一つで、ダムがあるのは河合町角川、角川ダムがあるのは古川町谷となっています。

(追記)
坂上ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1082 坂上ダム(0639)
左岸 岐阜県飛騨市河合町角川
右岸     同市宮川町落合
神通川水系宮川
23.5メートル
100メートル
1839千㎥/853千㎥
関西電力(株)
1953年
◎治水協定が締結されたダム


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