ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

田沢川ダム

2023-09-30 17:00:11 | 山形県
2016年9月 4日 田沢川ダム
2023年7月25日
 
田沢川ダムは山形県酒田市山元の最上川水系相沢川左支流田沢川にある山形県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
相沢川および田沢川は古くから流域の貴重な灌漑用水源となっていましたが洪水や渇水が多く抜本的な治水・利水対策が求められていました。
一方人口増や生活様式の変化により酒田市では都市用水需要が増加し、新たな上水道水源の確保が課題となっていました。
そんな中、1972年(昭和47年)に相沢川流域で甚大な洪水が発災、これを契機に県は最上川2次支流田沢川への多目的ダム建設を採択、2001年(平成13年)に竣工したのが田沢川ダムです。
田沢川ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで田沢川および相沢川の洪水調節(最大毎秒200立米の洪水カット)、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、酒田市への上水道用水の補給を目的とするほか河川維持放流を利用した小水力発電(最大出力490キロワット)を行っています。
田沢川ダムには2016年(平成28年)9月に初訪、2023年(令和5年)7月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。
 
ダム下へ通じる管理道路は立ち入り禁止。
右岸ダムサイトに駐車場がありここから見学を始めます。
クレスト自由越流頂8門、自然調節式オリフィス1門を備えたゲートレスダムです。
(2023年7月25日)

 
ダムサイトのモニュメント。
(2016年9月4日)

 
天端は徒歩のみ開放
右手はエレベーター棟、左手は取水設備機械室。
(2023年7月25日)

 
再訪時は直前の梅雨前線による大雨を受けて満水
オリフィスから越流しています。
減勢工には副ダムのほか導流堤が設けられています。
(2023年7月25日)

 
天端にもモニュメントがあります。
完成は2001年(平成13年)ですが、着工がバブル期だったためかあれやこれや贅沢な作り。
(2016年9月4日)

 
総貯水容量910万立米のダム湖(ひらた赤滝湖)。
(2016年9月4日)

 
右岸の浮桟橋と巡視艇。
(2023年7月25日)

 
左右両岸には堤趾導流壁とフーチング。
(2023年7月25日)

 
左岸ダムサイト
左手は監査廊入り口。
(2023年7月25日)

 
上流面。
(2016年9月4日)

 
左岸の展望台から。
(2023年7月25日)

 
ズームアップ。
(2023年7月25日)

 
右岸上流から
取水設備とオリフィスゲートの並びがよくわかります。
(2016年9月4日)

(追記)
田沢川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0449 田沢川ダム(0539)
山形県酒田市山元
最上川水系田沢川
FNW
81メートル
185メートル
9100千㎥/7900千㎥
山形県県土整備部
2001年
◎治水協定が締結されたダム


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