ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

正木ダム

2021-11-27 08:00:00 | 徳島県
2021年11月20日 正木ダム 
 
正木ダムは徳島県勝浦郡上勝町正木の二級河川勝浦川本流にある徳島県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1960年(昭和35年)に勝浦川総合開発事業が採択され1964年(昭和39年)より正木ダム建設が着手され昭和40年不況による中断をはさみ、着工より14年後の1978年(昭和53年)に正木ダムが竣工しました。
正木ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、勝浦川の洪水調節(最大毎秒850立米の洪水カット)、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、勝浦町・小松島市への新規灌漑用水の供給、小松島市への工業用水の供給、徳島県企業局勝浦発電所(最大出力1万1300キロワット)でのダム水路式水力発電を目的としています。
また2011年(平成23年)には河川維持放流を活用した正木ダム管理発電所が完成し小水力発電が稼働しました。
 
ダムの左右両岸を町道が走りますが今回は左岸からアプローチ
樹林の切れ間からダムを望めます
クレストラジアルゲート2門、木に隠れて1門しか見えませんがコンジット高圧ラジアルゲート2門を装備

 
前面に張り出したコンジットゲートハウスはいかにも昭和のダムといった風。
対岸に管理事務所があります。

 
上流面
左手は低流量および利水放流管用取水設備
クレストラジアルゲート2門の両側にコンジット予備ゲートが並びます。

 
右岸の徳島県企業局勝浦発電所の取水口
ここから約6.1キロの導水路で勝浦発電所に送水します。
自動除塵機付きの縦長のスクリーンが特徴的。

 
クレスト導流部と減勢工
かつてはダムから300メートルが無水区間でしたが、2001年(平成13年)より河川維持放流が開始されました。

 
天端は車両通行可
対岸に建設時のプラント遺構が残ります。

 
右岸から。

 
コンジットゲートハウスをズームアップ
放流されているのは河川維持放流。

 
さらに下流から
右から小水力発電所を兼ねた河川維持放流設備、低流量放流管、コンジットゲートハウス

 
親柱に嵌められた銅板。


右岸から上流面。

 
ダム湖は美愁湖で総貯水容量は1505万立米。


ダム下流に架かる沈下橋。

(追記)
正木ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2133 正木ダム(1743) 
徳島県勝浦郡上勝町正木 
勝浦川水系勝浦川 
FNAIP 
 
67メートル 
215メートル 
15050千㎥/11900千㎥ 
徳島県県土整備部 
1978年 
◎治水協定が締結されたダム 


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