ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

石場ダム

2023-01-10 18:20:03 | 大分県
2022年11月19日 石場ダム
 
石場ダムは大分県臼杵市野津町東谷の一級河川大野川水系野津川左支流三重谷川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
大野川中流右岸に位置する旧大野郡三重町(現豊後大野市三重町)から旧野津町(現臼杵市野津町)一帯は、地味は豊かながら水利に乏しく灌漑施設の整備が強く求められてきました。
1967年(昭和42年)の大干ばつを受け、1968年(昭和43年)に農林省(現農水省)の補助を受けた県営用水改良事業野津地区が、さらに1971年(昭和46年)には県営畑地帯総合土地改良事業野津地区が着手され、その灌漑用水源として1973(昭和48年)に竣工したのが石場ダムです。
運用開始後は野津土地改良区が管理を受託し約900ヘクタールの畑地に灌漑用水を供給しています。
所在地は臼杵市野津町東谷ですが、天端が境界線となっており貯水池は豊後大野市三重町となります。
 
ダム下から
堤高47メートル、堤頂長236メートルのロックフィル堤体
地山を挟んで右岸側に洪水吐があります。
ロックフィルでは珍しい傾斜コアを採用しています。


洪水吐導流部
軽トラが止まっていますが、シイタケ栽培用の原木を伐採に来た地元の方でした。

ダム下流のトンネル
仮排水路ですが、現在は河川維持放流として使われています。
ダムは三重谷川上流部にありますが、受益地はこの川の下流域ではなく山の北側の農地となります。


天端に上がります
右岸の洪水吐。


右岸から上流面
堤体は緩やかなアーチ状
止まっている車は釣り師のもの。


右岸の横越流式洪水吐。


天端右岸側の竣工記念碑。


天端からダム下を見下ろす
1~3枚目写真はダム下から撮ったものです。


総貯水容量219万立米
約900ヘクタールの農地に灌漑用水を供給します。
右岸の湖岸にはキャンプ場がありますが、かなり荒れておりあまり使われてない様子。


左岸の取水設備
受益地は山の向こう側。


山を挟んでダムの北側約400メートルにある土地改良区の建屋
表札には『野津土地改良区田中管理室』とあります。


建屋の向かいの調圧水槽。

追記
石場ダムはは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

2776 石場ダム(1939)
大分県臼杵市野津町東谷  
大野川水系三重谷川
 
 
47メートル 
236メートル 
2190千㎥/2154千㎥
野津土地改良区
1973年
◎治水協定が締結されたダム


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