ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

野津ダム

2023-01-13 17:50:16 | 大分県
2022年11月19日 野津ダム

野津ダムは大分県臼杵市野津町垣河内の一級河川大野川水系垣河内川にある大分県土木建築部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の小規模ダム事業である生活貯水池事業の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、垣河内川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、臼杵市野津町への上水道用水の供給を目的として2001年(平成13年)に竣工しました。
大分県では唯一の生活貯水池ダムです。
ダムのある臼杵市野津町は大分中南部で広く伝承される民話『吉四六(きっちょむ)さん』の故郷とされ、ダム各所に『吉四六ばなし』を彫り込んだ石板が設置されています。

国道10号にあるダムの案内板、ここにも吉四六さんが描かれています。
ここから3キロ弱南下するとダムに到着します。


ダム下から
クレスト自由越流頂、自然調節式オリフィス各1門のシンプルな構造
洪水吐両側の背の高い導流壁が特徴的
右手は放流設備。


左岸から
堤高34.9メートル、堤頂長95メートルの小ぶりなダム。


天端は車両通行可能。


親柱にも吉四六さん。


左岸ダムサイトの管理事務所
嘱託の職員さんが常駐、
あれやこれや質問に親切にお答えいただいた上に、雨中の訪問と言うことでレモンケーキをごちそうになりました。


減勢工
堤体から放流設備への水路管はちょっと珍しい構造。


生活貯水池ダムと言うことでダム湖は総貯水容量33万1000立米と溜池サイズ。


上流面と管理事務所。


左岸には繋留設備
右手は選択取水設備。


クレストゲートとオリフィス取水口。


ブログには掲載しませんが、ダム湖を周回する道路各所に吉四六さんの石板が設置されています。雨のため車で周回しましたが、歩いて一周しても30分もかかりません。
好天時に再訪して吉四六さんをじっくり楽しむのも一興かと。

(追記)
野津ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

3142 野津ダム(1942)
大分県臼杵市野津町垣河内
大野川水系垣河内川
FNW
34.9メートル
95メートル
331千㎥/296千㎥
大分県土木建築部
2001年
◎治水協定が締結されたダム


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