ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

野田ダム

2023-01-12 17:40:35 | 大分県
2022年11月19日 野田ダム
 
野田ダムは大分県臼杵市野田の臼杵川水系田井ヶ迫川にある農地防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
田井ヶ迫川上流は険峻な急流河川となっているのに加え、合流する臼杵川からのバックウォーターもあり、流域農地はたびたびは洪水被害を被ってきました。
一方、流域丘陵地の畑地・樹園地は水利が乏しいことから零細な営農を余儀なくされ、生産性向上のため灌漑施設の整備が強く求められていました。
そこで大分県は1981年(昭和56年)に農水省の補助を受けた県営防災ダム事業・かんがい排水事業野田地区に着手、その灌漑用水源として1991年(平成3年)に竣工したのが野田ダムです。
野田ダムは田井ヶ迫川流域120ヘクタールの農地防災および43ヘクタールの畑地・樹園地への灌漑用水の供給を目的としており、運用開始後は臼杵市が管理を受託しています。

臼杵市の国道502号線から田井ヶ迫川沿いを南下すると野田ダムに到着します。
先ずはダム下へ
クレスト自由越流頂2門、自然調節式オリフィス1門を装備
通常農業ダムは自由越流頂と利水放流設備と言う組み合わせが多いのですが、野田ダムには農地防災容量が配分されてるためクレスト・オリフィス装備となっています。


クレスト越流高77.15メートルとオリフィス敷高EL65.5メートルの間が農地防災容量(=洪水調節容量)となります。


農業用ダムではおなじみ、事業説明板。


右岸から下流面。


天端にはチェーン
一見立入禁止かと思いましたが錆びついた標識には『車両進入禁止』の文字
徒歩はOKです。


天端から減勢工を見下ろす
エンドシルの下流はブロック工が敷かれています。
右岸手前に維持放流ゲートがあり奥の建屋は電気室となります。


総貯水容量45万2000立米のダム湖
堆砂容量および灌漑容量分が貯留されています。


天端のバルブ
オリフィスの予備ゲート操作用です。


左岸から。


右岸の維持放流ゲート
左手は電気室。


上流面。


右岸展望台から俯瞰
手前は管理事務所ですが、職員の常駐はありません。

(追記)
野田ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2796 野田ダム(1941)
大分県臼杵市野田 
臼杵川水系田井ヶ迫川 
FA 
 
38.7メートル 
126メートル 
452千㎥/404千㎥ 
臼杵市 
1991年
◎治水協定が締結されたダム


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