ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

梶毛ダム

2017-07-27 13:14:22 | 広島県
2017年7月17日 梶毛ダム
 
梶毛ダムは広島市佐伯区の八幡川水系石内川右支流の梶毛川源流部にある広島県営の多目的重力式コンクリートダムです。
石内川は八幡川の主要支流で広島市西部を縦断する流路延長8.7キロの河川ですが、高度成長期より流域での宅地開発が進む一方、豪雨のたびに洪水被害が発生し抜本的な洪水対策が求められていました。
一方1989年(平成2年)から佐伯区から安佐南区にかけての丘陵地帯で広大な宅地造成を主軸とした西風新都事業が着工され、造成に伴う流出量増加のための防災調整池の設置が必要となりました。
 
このような環境の下、2008年(平成20年)に梶毛川源流部に竣工したのが梶毛ダムです。
梶毛ダムは梶毛川および石内川の洪水調節、既得取水権としての灌漑用水への補給と適正な河川流量の保持を目的とするほか、梶毛川ダムの貯水容量には『西風新都』のうち梶毛川の流域内に当たる162ヘクタール分の災害調整容量も含まれています。
つまり梶毛ダムは河川の治水と、都市開発に伴う防災調整機能を併せ持つ『地域整備ダム』となっているのです。
 
県道71号五月が丘交差点から石内バイパスに入り西進するとすぐに梶毛ダムの標識が現れます。
これに従い右折して梶毛川沿いを北上すると梶毛ダムに到着します。
右岸の管理事務所でダムカードをもらったのちダムを見学します。
上流から
取水設備は堤体にビルトインされています。
 
天端は対岸で行きどまり
親柱には枝垂れ桜の装飾。
 
ダムの説明板。
 
下流面。
 
もう少し下流から これが限界
残念ながら下流からダムを正対することはできません。
クレストには非常用洪水吐として自由越流式ゲートが並び、左岸寄りにオリフィスゲートがあります。
ダム湖対岸には西風新都のうち『セントラルシティこころ』と呼ばれる住宅街が広がっており公園も設置されています。
ただし天端越しに対岸に行くことはできません。
 
ダム湖(神原湖)は総貯水容量106万立米ですが実際はもっと小さく見えます。
湖岸に住宅やマンションが立ち並ぶ風景は余所ではあまり見られないものです。
 
減勢工
右手は利水放流設備。
 
左岸から天端
右の青い屋根が管理事務所です。
 
セントラルシティ側から俯瞰
こちらサイドにも立派な公園がありますが、これはあくまでも宅地開発による公園でダムとは接続されていません。
 
ダムをズームアップ。
 
河川の治水と防災調整池を兼ねたダムとしては今回訪問した兵庫県の長谷ダムや千葉県の矢那川ダムなどがあげられます。
 
3561 梶毛ダム(1081)
広島県広島市佐伯区石内
北緯34度26分06秒,東経132度22分37秒
八幡川水系石内川
FN
 
49メートル
170メートル
1060千㎥/930千㎥
広島県土木建築局
2008年
◎治水協定が締結されたダム


コメントを投稿