2015年10月24日 大門ダム
2020年 6月22日
大門ダムは左岸が山梨県北杜市須玉町上津金、右岸が北杜市高根町清里の富士川水系須玉川左支流大門川にある山梨県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、大門川および須玉川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、峡北地域広域水道事業団を通じた北杜市への上水道用水の供給を目的として1987年(昭和62年)に竣工しました。
また利水放流を利用して山梨県大門ダム管理用発電所で最大230キロワットの小水力発電を行っています。
ダム建設地は八ヶ岳の火山噴出物が堆積した地質で透水性が高いため、漏水防止のため貯水池右岸側が幅広くアスファルトフェイシングされています。
また運用開始当初より貯水池水質悪化の問題を抱えており、曝気装置のほか様々な対策が取られています。
大門ダムには2015年(平成27年)10月に初めて訪問、2020年6月に再訪しました。
国道141号線の『大門ダム』の標識に従って右折するとダムに到着します。
左岸下流から
独特なゲート配置で非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが9門並びます
さらに常用洪水吐として高さ11.8メートル、幅2.1メートルの超縦長のローラーゲート1門とコンジットの高圧ラジアルゲート1門を装備しています。
両側にフーチングを備えた堤趾導流壁もこのダムならではです。
ゲートをズームアップ
超縦長ローラーゲートの右手もゲートっぽく見えますが、これはダミー。
一段下手に高圧ラジアルゲートのコンジットゲートと操作室があります。
(2020年6月22日)
天端は車両通行可
左手がローラーゲートのピア。右手は取水設備機械室
対岸高台に管理事務所があります
(2020年6月22日)
減勢工は右手に大きくカーブを切っています。
放流が2条見えますが、手前の勢いよく飛んでいるのが常用低水放流管であるジェットフローゲート
奥は河川維持放流用のコーンスリーブバルブで利水放流を利用した小水力発電を行っています。
(2020年6月22日)
貯水池は『きよさと湖』で総貯水容量360万立米。
対岸に艇庫とインクラインがあり、ダム湖中央で水質浄化のための曝気装置の渦が見えます。
(2020年6月22日)
湖畔の『大門ダム きよさと湖』の植栽
(2020年6月22日)
右岸から下流面
波返しのついた堤趾導流壁が重厚感を与えています。
(2020年6月22日)
漏水対策としてダム湖右岸側はアスファルトで遮水処理されています。
管理事務所のある高台から俯瞰
縦長ローラーゲートのピアがひときわ目立ちます。
上流面にはコンジットの高圧ラジアルゲートの予備ゲートが見えます。
上流から
左手から取水設備、コンジット予備ゲート、ローラーゲートピアと並びます。
ダム湖右岸を上流に向かうと棚田のような不思議な施設が現れます。
植生(クレソンやミントなど)を活用した水質浄化施設です。
(2020年6月22日)
(追記)
大門ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
0972 大門ダム(0018)
山梨県北杜市須玉町上津金
富士川水系大門川
FNWP
G
65.5ートル
180メートル
3600千㎥/2350千㎥
山梨県県土整備部
1987年
◎治水協定を締結したダム
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