ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

三渓ダム

2019-10-31 12:25:38 | 北海道
2019年10月21日 三渓ダム
 
三渓ダムは北海道苫前郡苫前町三渓の古丹別川水系三毛別川右支流マルシメ沢川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムで、ダム便覧には北海道の事業により1960年(昭和35年)に竣工と記されています。
一方現地竣工記念碑では1959年(昭和34年)竣工となっており、ここでは現地記念碑を採用することにします。
完成以来苫前土地改良が管理を行い長く三毛別川流域の貴重な灌漑用水源となってきましたが、1999年(平成12年)に三毛別川上流に新たに苫前ダムが竣工し、流域の水事情は一段と改善しました。
 
苫前町古丹別の国道239号線から道道1049号線、通称ベアロードを南に進み三渓神社の先を左に折れると三渓ダムに到着します。
北海道の農業用ダムとしては非常に珍しいゲート装備の重力式コンクリートダムです。
 
洪水吐はクレストのローラーゲートだけ。
左岸(向かって右手)に利水放流ゲートがあります。
 
ゲートをズームアップ。
 
右岸の竣工記念碑。
ダム便覧よりも1年早い1959年(昭和34年)竣工となっています。
 
上流面と天端
赤い手すりが印象的。
 
天端
特に立ち入りは制限されていません。
 
導流部と減勢工。
 
一見小さめの貯水池ですが、総貯水容量は68万8000立米。
上流に向けて長く続いてるんでしょう。
需要期が終了し、例に洩れず水が抜かれています。
 
ゲート操作機。
 
ピアから見下ろす天端。
 
三毛別と言えば思い出すのが三毛別羆事件。
竣工記念の碑文にも『熊狐咆哮する中』という表現でこの地を開拓した先人たちの苦労を讃えています。
今は上流に苫前ダムが竣工し、流域の水利は大きく向上しています。
 
0052 三渓ダム(1536) 
北海道苫前郡苫前町三渓
古丹別川水系マルシメ沢川
17メートル
77メートル
688千㎥/606千㎥
苫前土地改良区
1959年


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