ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

雨煙内ダム(再)

2019-11-05 11:37:29 | 北海道
2019年10月22日 雨煙内ダム(再)

雨煙内ダム(再)は北海道雨竜郡幌加内町雨煙内の石狩川水系雨竜川左支流雨煙内川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
もともと当地には1929年(昭和4年)に築造された灌漑目的の新成生ダムがありました。
しかし戦後幌加内地区が日本有数のそば生産地に発展したことで作付面積の増加が続き新たな水源確保に迫られます。
1968年(昭和43年)から北海道開発局農水部直轄事業として新成生ダムの嵩上げ再開発事業が着手され、1978年(昭和53年)に竣工したのが雨煙別ダム(再)です。
再開発により堤高は21メートルから26.8メートルに嵩上げされ総貯水容量は432万立米から675万立米へと約1.5倍に増大しました。
管理は幌加内土地改良区が受託し、幌加内町のそば畑2148ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
全国的に農業の縮小が進む中、幌加内のそば作付面積は年々拡大を続け、年による変動はありますが北海道のそば生産の約20%、全国のそば生産の8%を占める日本最大のそばの産地となっています。
 
幌加内町中心部から町道北4号線を東進すると正面に雨煙内ダム(再)の堤体が見えてきます。
右岸に洪水吐がありダム下を斜めに横切っています。
 
左岸洪水吐減勢工
この先雨煙内川となります。
 
洪水吐導流部。
 
ダム下流面
綺麗に刈り払いされ冬枯れのため緑に黄色が混じり始めています。
 
ダム下左岸にある取水設備からの吐口。
貯水池は水が抜かれ流入量がそのまま放流されています。
 
残念ながらダムの天端は立ち入り禁止ですが、右岸から俯瞰することができます。
貯水池の『ほろかない湖』は水が抜かれています。
また手前右岸に横越流式洪水吐があります。
 
 
 
すぐ下に竣工記念碑などがありますが、残念ながら立ち入り禁止のため見ることはできません。
 
堤体上流面はコンクリートで護岸されています。
中断に段差がありますが、ここが新成生ダムの堤頂だったのかな?でもちょっと高さが合わない。
 
取水塔をズームアップ
対岸に管理事務所がありインクラインらしきものがダム湖に下りています。
 
天端立ち禁のため水利使用標識や竣工記念碑などを見ることができませんでした。
 
(追記)
雨煙内ダム(再)は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0025 新成生ダム(元) 
北海道雨竜郡幌加内町雨煙内
石狩川水系雨煙内川
26.8メートル
320メートル
4320千㎥/4320千㎥
幌加内土地改良区
1978年
-------------
0095 雨煙内ダム(再)(1547)
北海道雨竜郡幌加内町雨煙内
石狩川水系雨煙内川
26.8メートル
320メートル
6750千㎥/6477千㎥
幌加内土地改良区
1978年
◎治水協定が締結されたダム


コメントを投稿