ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

除ケの堰堤

2018-04-11 11:38:05 | 愛媛県
2018年3月24日 除ケの堰堤
 
除ケの(よけの)堰堤は愛媛県東温市山之内の重信川本流上流部にある直線重力式石積砂防堰堤です。
道後平野を貫流する重信川は上流部は急流河川となっている一方、平野出口では扇状地を形成し通常は伏流水となりながら洪水の際には多量の土砂を流下させ、下流域に多大な洪水被害をもたらしてきました。
そこで愛媛県は砂防対策として重信川上流部での砂防堰堤建設に着手し1935年(昭和10年)に竣工したのが除ケの堰堤です。
堰堤本体には瀬戸内から取り寄せた花崗岩1万7000個が伝統工法によって石積みされ、建設から80年以上経過した現在でもその造形美と砂防機能を維持しています。
除ケの堰堤その技術的、土木遺産としての価値を評価して2001年(平成13年)に国の有形文化財に登録されたほか、Bランクの近代土木遺産に選定されています。
 
東温市の国道11号新横河原橋交差点から県道152号を北上すると、右手に砂防堰堤築造記念碑が現れます。
 
竣工記念碑の先に除ケの堰堤説明板と登録有形文化財のプレートが設置されています。
 
 
堰堤直下の河原に下りることができます。
堰堤は表面石張直線重力式堰堤2段で構成されており、数日前までの大雨で流量が増し激しく越流していました。
 
地元の方に伺うと、このあたりの重信川は伏流水となるため普段はほとんど水がなく、大雨になると一転水量が増すのだそうです。
 
ダムならば激しい越流は見ごたえがあるのですが,、ここの場合は肝心の石積みがほとんど見えず厄介な越流です。
 
左岸側になんとか石積みを確認することができました。
長方形の切石が丁寧に布積みされています。
 
越流自体は迫力あるものでしたが、やはり石積堰堤は石を見てナンボかと思います。
そういう点では残念な堰堤見学となってしまいました。
 
除ケの堰堤
重信川水系重信川
砂防堰堤
石積直線重力式堰堤(2段)
主堰堤高12メートル 副堰堤高7メートル
主堰堤長115メートル 副堰堤長92メートル
愛媛県
1935年


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