ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大野ダム

2022-12-01 18:05:40 | 岩手県
2022年10月22日 大野ダム
 
大野ダムは岩手県九戸郡洋野町水沢の高家川水系オリバ川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
町村合併前の旧大野村は年間降水量1000ミリの少雨地帯に加え、地域の大半を森林原野が占めており効率的な農業経営には灌漑設備の整備が不可欠でした。
1982年(昭和57年)に農水省の補助を受けた県営農地開発事業大野地区が着手され、その灌漑用水源として2004年(平成16年)に竣工したのが大野ダムです。
完成後は大野村が管理を受託、現在は町村合併により洋野町が管理を引き継ぎ、大野地区約380ヘクタールの水田・畑・牧草地に灌漑用水を供給しています。 
ダム建設に合わせて周辺の環境整備も進められダム下には親水公園、ダム湖岸には遊歩道が整備され周辺住民の憩いの場となっています。 

まずはダム下から
クレスト自由越流頂2門と放流設備という典型的な農業用コンクリートダムの組み合わせ。


左岸高台に展望台がありますが、ちょうど逆光に…。




左岸ダムサイトの説明板。


銘板は金箔文字。
九州では一般的ですが東北では珍しい。


上流面と多孔式取水設備。


天端から
ダム下は親水公園として整備され立派な駐車場完備、トイレはシャワートイレという充実ぶり。
畑地や牧草地も受益地となっており年間を通して水利権の設定があるため、稲刈りが終わったこの時期でも河川維持放流と利水放流が行われています。


総貯水容量は70万立米と農業用ダムとしては小ぶりなダム湖。
一年を通して水利権の設定があるためこの時期でもほぼ満水。 


右岸から下流面。


天端は徒歩のみ開放
対岸(左岸)に管理事務所がありますが職員の常駐はありません。


上流から遠望。

ダム自体は典型的な農業用ダムですが、とにかく周辺の環境整備が素晴らしい。
ダムの公衆トイレでシャワートイレは驚き。
この美しさが今後10年20年経っても変わらないことを願います。

0275 大野ダム(1895)
岩手県九戸郡洋野町水沢 
高家川水系オリバ川 
 
 
26メートル 
108.3メートル 
700千㎥/600千㎥ 
洋野町
2004年


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