ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

根石ダム

2022-11-29 18:15:05 | 岩手県
2022年10月22日 根石ダム
 
根石ダムは岩手県八幡平市根石の一級河川米代川水系根石川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
火山堆積物が多い岩手県は農地防災ダムの建設に積極的で、防災ダム13基は岐阜県に次ぐ全国2番目の多さとなっています。
根石ダムは岩手県で最も新しい農地防災ダムで、農水省の補助を受けた県営防災ダム事業根石地区により2000年に竣工、完成後は八幡平市が管理を受託し根石川流域85ヘクタールの農地防災を担っています。
なお、八幡平市の大半は太平洋に注ぐ北上川や馬淵川水系となっていますが、当ダムは日本海に注ぐ米代川水系です。

八幡平市田山の国道282号線から根石川沿いの市道を約6キロ北上すると根石ダムに到着します。
まずはダム下から
提体やダム下はきれいに草が刈られ、非常に美しい佇まい 
ロックフィルダムですが凍上防止のため下流面には芝が張られ見た目はアースのよう。


洪水吐導流部から越流しています。
当ダムでは横越流式洪水吐にオリフィス流出孔を設けてあり、流入量はそのまま洪水吐を流下するため常に越流が見られます。
左手は仮排水路の吐口で緊急低位放流ゲートを兼ねています。


右岸から下流面
右岸を長ーい洪水吐導流部が流下します。


農水省の補助ダムではおなじみダムの説明板
こういうの非常にありがたい。


天端から減勢工を望む
減勢工下流の擁壁の絞りがエロい。


非常用洪水吐と常用洪水吐を兼ねる横越流式洪水吐
奥の穴がオリフィス流出孔で通常は流入量がここから流下します。
奥は管理事務所ですが職員の常駐はありません。


上流側から見たオリフィス流出孔
農地防災ダムにおいてこのタイプの常用洪水吐は初見、というか全国でもここだけじゃないかな?


天端は徒歩のみ通行可。
路面を見ればわかりますが、かなりの雨。


下流面とダム下広場
ちょうど草刈りを終えたタイミングでの訪問ということもあるんですが、とにかくきれいに整備されている印象。
ダム下の広場は公園として開放してもいいのでは?とも思えるんですが立入禁止。


上流面
これを見ればロックフィルダムだとわかります。


有効貯水容量=農地防災容量の防災専用ダムですが、総貯水容量142万5000立米のうち堆砂容量が55万立米も確保されており、この分が貯留されています。

ちょうど草刈りを終えたタイミングでの訪問ということもあるんですが、芝が張られた美しいリップラップなど非常に好印象。
今回は雨中での見学となりましたが、できれば好天時に再訪したいダムです。

(追記)
根石ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2924 根石ダム(1890)
岩手県八幡平市根石
米代川水系根石川
41メートル
187.6メートル
1425千㎥/875千㎥
八幡平市
2000年
◎治水協定が締結されたダム


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