ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

切原ダム

2021-10-22 14:39:35 | 宮崎県
2021年10月16日 切原ダム
 
切原(きりばる)ダムは宮崎県児湯郡川南町川南の小丸川水系切原川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
尾鈴地区は洪積台地上に農地が展開されていますが、水源を小河川に依存しており安定した水源確保と灌漑設備の整備が求められていました。
1996年(平成8年)に農水省による国営かんがい排水事業尾鈴地区が着手されその灌漑用水源として2012年(平成24年)に完成したのが切原ダムです。
事業全体も翌2015年(平成27年)に完了し、既設の青鹿ダムと併せて約1600ヘクタールの畑地への灌漑設備が整備され尾鈴地区は県内有数の畑作地帯となっています。
ダムの管理は管理は尾鈴土地改良区連合が受託しています。
 
ダム下から
クレスト自由越流頂5門に漸縮型堤体導流壁といういかにも農水省のダムと言った体。
比較的新しいダムのため堤体の汚れも少なく、青空によく映えます。

 
左岸の管理事務所へ向かう道路から
ダムの全容が見えそうで見えない。

下流面。


水利使用標識
受益農地はすべて畑地・樹園地のため、年間を通して水利権が配分されています。

 
公共事業全体への風当たりが強い時代のダムらしく天端に余計な装飾はありません。

 
天端から
減勢工はエンドシルが1基
赤い屋根の建屋は放流設備、その右手は調圧水槽。
灌漑用水はすべて専用パイプラインを通じて供給されます。

アングルを変えて
現在河川維持放流を利用した小水力発電所が計画されています。

 
総貯水容量は204万立米
年間を通じて水利権が配分されているため10月でもほぼ満水。
切原川のほか右支流の頭首工から集水しています。


天端は徒歩のみ開放。
取水設備は半円形、対岸に立派な管理事務所があり日中は土地改良区の職員さんが常駐しています。


堤高61.3メートルと農業用ダムとしてはなかなかの高さ。
内側に傾斜した漸縮型導流壁がいい感じ。


上流面
取水設備と管理事務所を並べてみました。

 
(追記)
切原ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

3067 切原ダム(1703)
宮崎県児湯郡川南町川南
小丸川水系切原川
61.3メートル
227メートル
2040千㎥/1900千㎥
尾鈴土地改良区連合
2012年
◎治水協定が締結されたダム


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