ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

琴谷池

2018-01-11 16:40:34 | 香川県
2017年12月21日 琴谷池
 
琴谷池は香川県高松市香南町由佐の本津川水系本津川源流部、高松空港北側にある防災・灌漑目的のアースフィルダムです。
もともと当地には灌漑用溜池である琴谷池がありましたが、1980年代より新高松空港移転のための造成工事が始まり、造成に伴う流出量増加に対処するための防災調整池として空港開設の2年前、1987年(昭和62年)に当時の運輸省第三港湾建設局によって建設されました。
空港周辺には琴谷池以外にも多数の防災調整池がありますが、琴谷池のみ堤高が15メートルを超える河川法上のダムとしてダム便覧に掲載されています。
管理は琴谷池水利組合が管理を行い、灌漑用水の供給のほか高松空港の防災調整池としての機能を持ち合わせています。
 
琴谷池は空港南側に整備された『さぬき空港公園』の敷地内にあり今回は公園駐車場から遊歩道を歩いて池へと向かいました。
堤体下流から
堤体は灌漑用溜池としては珍しく中央で逆V字型に屈曲しており、この屈曲部に洪水吐があります。
通常フィルダムでは堤体中央部に洪水吐を設置することはご法度ですので、琴谷池は屈曲部を中心にした左右2基の堤体で形成されていると見るのが妥当かも?
 
アングルを変えて
右手のパイプは灌漑用水の取水および河川維持放流用。
 
堤体を車道が斜行しています。
ススキが逆光の日差しに映えて美しい眺めです。
 
洪水吐導流部。
 
天端は関係車両以外進入不可能
堤体が中央で屈曲し、屈曲部分に洪水吐があります。
 
堤体中央にある洪水吐
奥の土手の上は滑走路です。
 
ユニークな形状の洪水吐。
 
天端からの眺め
洪水吐が堤体中央にあるのが分かります。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
上流から
総貯水容量は6万5000立米。
 
防災調整池の概念が理解できていればその存在がすぐに納得できる琴谷池です。
さぬき空港公園はよく整備された公園なので時間があればのんびり過ごしたいところですが、ダム巡りをしているとのんびり過ごすことはまずありません(笑)。
 
2945 琴谷池(1209)
香川県高松市香南町由佐
本津川水系本津川
FA
19.3メートル
173メートル
65千㎥/48千㎥
琴谷池水利組合
1987年


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