2017年12月21日 北條池
北條池は左岸が香川県綾歌郡綾川町萱原、右岸が綾川町陶にある灌漑目的のアースフィル堰堤です。
改修記念碑によれば17世紀後半の延宝年間(1673~1681年)に築造され、江戸時代は香川県有数の穀倉地帯である綾北條(現在の坂出平野)を支える貴重なため池として『満濃太郎、北條次郎』と呼ばれてきました。
直近では1998年(平成10年)から2006年(平成18年)にかけて国営総合農地防災事業により大規模な改修が行われています。
管理は北條池土地改良区が行い、537ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
堤高は11.8メートルとダムの要件を満たさずダム便覧にも掲載されていませんが、四国堰堤ダム88箇所巡り第77番札所である府中ダムの奥の院となっていることからこのブログで取り上げることにしました。
また1966年(昭和41年)に綾川下流に香川県水道局による府中ダムが竣工しダム湖の府中湖が北條池直下まで拡大したことで、地図では府中湖と北條池は一体化した貯水池のように見えます。
写真の赤マルが北條池堰堤
県道183号が北条池の天端を通ります。
堤右岸に改修記念碑があり北條池の由来等が記されており、四国堰堤ダム88箇所巡りのハンコもこの碑のそばにあります。
上流面はコンクリートで護岸
右岸の横越流式洪水吐はV字に屈曲しています。
堤頂長は312メートルに及び天端を県道が走っています。
総貯水容量131万7000立米
他県だとトップクラスの貯水量ですが、香川県の溜池では12番目。
堰堤直下には府中湖が迫っています
ダム湖の小島群はプチ松島的光景。
堤高が15メートルに満たないため本来ならスルーする池ですが、四国堰堤ダム巡りに絡んで見学しました。
改修記念碑のおかげで満濃太郎、北條次郎という言葉を知ったのは収穫。
北條池
ため池コード
香川県綾歌郡綾川町萱原
綾川水系綾川
A
E
11.6メートル
312メートル
1321千㎥/1321千㎥
北條池土地改良区
17世紀後半築造
2006年大規模改修竣工
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