2017年9月21日 曲渕ダム(再)
曲渕ダム(再)は福岡県福岡市早良区曲渕の室見川水系八丁川にある、福岡市水道局が管理する上水道用水目的の表面石張重力式粗石コンクリートダムです。
明治以降全国各地で近代水道の整備が進みますが、大河のない福岡市では1909年(明治42年)にようやく近代水道整備計画が策定され、1922年(大正11年)に曲渕ダム(元)が竣工します。
翌1923年(大正12年)3月の曲渕ダム、平尾浄水場など一連の水道施設の運用開始により福岡市水道事業がスタートしました。
曲渕ダムは水需要増加を受けて1934年(昭和9年)、1992年(平成4年)の二度にわたり嵩上げ改修が行われ現在の堤高45メートル、総貯水容量260万8000立米の規模となりました。
ダム便覧ではこの改修を曲渕ダム(再)の竣工年度としています。
堤高45メートルは現存する我が国の石積堰堤としては最も高いダムとなっています。
曲渕ダムは福岡市近代水道黎明期を支えた施設として『近代水道百選』に選ばれるとともに、その優れた土木技術を評価して土木学会選奨土木遺産及びBランクの近代土木遺産に選定されています。
また2018年(平成30年)には利水放流を利用した小水力発電所である曲渕ダム小水力発電所が完成し、最大91キロワットの発電も開始されました。
早良区石釜の国道263号『水源地前バス停』から右手の旧道に入ると、正面に曲渕ダムが見えてきます。
ダム下は曲渕ダムパークとして整備されていますが、訪問時は小水力発電所設置工事のため立ち入りできませんでした。
堤高45メートル、我が国で最も堤高の高い石積堰堤です。
右岸から
2度の嵩上げの嵩上げのあとがはっきりと分かります。
1994年(平成6年)の改修工事の竣工記念碑。
天端
1994年の改修できれいに整備されました
高覧は御影石、竣工当初のイメージを損なわないようデザイン面で配慮されています。
総貯水容量236万8000立米。
ダム下はダムパークとして整備されていますが、訪問時は小水力発電所の工事中。
下流面の石積。
上流面
奥は管理事務所、右手の浮桟橋に巡視艇が係留されています。
高欄親柱と大正風の照明
親柱には曲渕ダムと刻まれています。
緩やかに湾曲した横越流式洪水吐
越流堤も石積です。
1934年(昭和9年)の改修竣工記念碑。
福岡県では河内ダムと対をなす貴重な石積堰堤です。
ダム下は工事中でしたので機会があればぜひ再訪してみたいと思います。
W
G
37.3メートル
----メートル
1422千㎥/1422千㎥
福岡市水道局
1922年
1934年 嵩上げ再開発
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3341 曲渕ダム(再)(1145)
福岡県福岡市早良区曲渕
室見川水系八丁川
W
G
45メートル
160.6メートル
2608千㎥/2368千㎥
福岡市水道局
1992年 再・再開発事業竣工
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