ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

岩瀬ダム(元)

2021-11-01 08:36:51 | 宮崎県
2021年10月19日 岩瀬ダム(元) 
 
岩瀬ダム(元)は左岸が宮崎県小林市野尻町東麓、右岸が同県都城市高崎町笛水の大淀川水系岩瀬川にある宮崎県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。 
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、岩瀬川および大淀川の洪水調節、宮崎県企業局岩瀬川発電所(最大出力1万8600キロワット)でのダム式発電を目的として1967年(昭和42年)に竣工しました。
2018年(平成30年)に変更された大淀川水系河川整備計画で直近最大の洪水被害をもたらした2005年(平成17年)台風14号と同規模の洪水を安全に流下させるための『岩瀬ダム再生事業』が採択されました。
具体的には低水放流設備の増設により既存の発電容量及び死水容量を洪水調節容量に振り替え治水機能の向上を図るというものです。
この再生事業の採択によりダム便覧の表記は『岩瀬ダム』から『岩瀬ダム(元)』に変更されました。
 
岩瀬ダム天端は市道として開放されていますが、ダム下流や上流からの撮影ポイントがなくマニア泣かせのダムの一つです。
左岸から
堤頂部の襟が高いのが特徴、ラジアルゲート2門を装備していますが下流側から見ることはできません。
 
天端は市道で車両通行可能。
 
ダム下の宮崎県企業局岩瀬川発電所
最大1万8600キロワットのダム式発電を行います。
 
上流面がきれいに見えるのはここまで。
 
樹間から何とか撮影
縦長の大きなラジアルゲートです。
 
ゲートの隣の堤体にビルトインされた発電所の取水口。
 
天端から。 

ダム湖は野尻湖
小さく見えますが細長く上流まで続き総貯水容量は5700万立米にも及びます。
 
ラジアルゲート巻き上げ機は宮崎県営ダムではおなじみのコルゲートパイプで被覆
ただ綾南ダム松尾ダム渡川ダムでは堤体に並行に設置されていますが、当ダムでは扶壁上に堤体と垂直に設置されています。 
対岸の管理事務所はシニアのご夫婦が住み込みで管理を受託しています。
 
堤体から突き出しているのはゲート操作の際の空気孔
奥に巡視艇が繋留されています。
 
ダム便覧にはダム下流から撮った写真が掲載されていますが、今は立ち入り禁止。
 
(追記)
岩瀬ダム(元)には洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2833 岩瀬ダム(元)(1734)
左岸 宮崎県小林市野尻町東麓
右岸 宮崎県都城市高崎町笛水
大淀川水系大淀川
FP
55.5メートル
155メートル
57000千㎥/41000千㎥
宮崎県県土整備部
1967年
◎治水協定が締結されたダム
--------------
3705 岩瀬ダム(再)
左岸 宮崎県小林市野尻町東麓
右岸 宮崎県都城市高崎町笛水
大淀川水系大淀川
FP
55.5メートル
155メートル
57000千㎥/41000千㎥
国交省九州地方整備局
2019年~