大学入試センターは24日、2025年以降の大学入学共通テストの出題教科・科目を公表した。デジタル社会の進展で重要性が高まっている「情報」を新たに加える一方、大学の教授らが担う問題作成などの負担軽減を図るため、科目数を絞り、現行の6教科30科目を7教科21科目に再編する。25年は、高校で22年度から実施される新しい学習指導要領で学んだ生徒が初めて受験する年に当たる。
英語民間試験と記述式問題の導入については、明確な方針を示さなかった。文部科学省は今夏までに判断を示すつもりだが、省内では「導入は極めて困難」との見方が広がっている。
「情報」は、新学習指導要領で必修となる「情報Ⅰ」の学習内容から出題する。情報Ⅰは情報に関する法制度、情報モラル、プログラミングなどを学ぶ。
現行の教科の中で大きく編成が変わるのは地理歴史と公民。現在6科目に分かれている地理歴史は、新学習指導要領で新設される必修科目の「歴史総合」「地理総合」と探究系の選択科目を組み合わせ、三つに集約する。公民は新必修科目「公共」を軸に2科目に再編する。地理歴史と公民を横断する形で新必修3科目を組み合わせ、うち二つを選択して解答する「地理総合、歴史総合、公共」も新設する。
数学は「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」を存続し、「数学Ⅱ・B」の後継として「数学Ⅱ・B・C」を設ける。「数学Ⅱ」はなくなる。
大学入試センターは、現行の学習指導要領で学んだ浪人生が不利にならないよう経過措置を検討する。パソコンを使って出題・解答する「CBT方式」の導入を検討してきたが、通信環境やトラブル発生時に対応できる体制が整っていないとして、25年は現行のマークシート式の筆記試験を維持する。
以上 【大久保昂】