小島教育研究所

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富士通、東芝、ソニーのパソコン事業の統合について。

2016-03-24 | コンピュータよもやま話
 急速なPCの売り上げ減少から、各社の収益減少が顕著になり始め、呉越同舟、各社統合が取りざたされ始めた。

ここで、各社のPC事情を概括しよう。

 富士通はFMシリーズ、東芝はDynabookシリーズ、ソニーはVaioシリーズを製造販売をしてきた。

 富士通のPCシリーズは8ビットのFM-7,FM-8,16ビットのFM-16β,FM-R,FM-TOWNS,現行の32ビットのFM-Vシリーズ。汎用大型機ではIBM互換機のMシリーズで一世を風靡する。旧電電グループの1社であり、富士電機が親会社であり、主として通信部門を担当する会社として発足した。さらに富士電機の親会社は古河鉱業であり、富士通は古河グループ(古河財閥)の一社である。参考までに、みずほ銀行も古河グループ会社である。

 東芝は日本の総合家電メーカーである。最近お騒がせ事件(粉飾事件の発覚)により、屋台骨が大きく揺らぐ。余り大きく報道されていないが、イギリスの原発関連企業を約6000億円で買収し、原子力プラントの輸出も順調に話が進んでいたところ、5年前の東北大震災で、商談も中断気味であるという。(インドでの原発建設も商談中)東芝は元々汎用大型機もTOSBACKの商標で製造販売してきた。しかし、通産省の肝いりで、大型計算機ビジネスから手を引いた。その後、PCではラップトップパソコンのJ-3100シリーズが人気を博し、現在のDynabookへと続いた。

 最後のソニー。戦後、世界で最初にトランジスタを使用したラジオを製造販売した、またCDの規格をまとめ、その後術を各社に提供した。これはビデオでの標準化に関して、自社技術βがVHSに破れたことを教訓とした判断だった。ウォークマンは世界の若者から支持を得て、爆発的に売れた。またパソコン市場ではSMCシリーズを発売、松田聖子さんをCMに起用するも、低迷を続けた。そしてソニーが取った次の一手が16ビットを飛ばして、一気に32ビットの世界へ飛躍することだった。スーパーマイクロ事業部を立ち上げ、Newsの商品企画を開始し、1年半後にNewsを市場に投入し、一定の成功を収めた。なおNewsとはNetwork engineering work stationを略したもので、ハイエンドワークステーションであった。本体価格は約200万円から250万円であり、約5,6万台を製造販売した。X-Windowを標準装備、ネットワークでの使用を前提としたハイエンドパソコンといえた。この成功で、4人で始めたスーパーマイクロ事業部は、土井部長を頂点にその後5,000人を擁する事業部へと成長を遂げた。このNewsを使って、設計製造されたのが、犬型ロボット「アイボ」だった。また、より安いPCシリーズとして企画されたのが、Vaioシリーズである。エンジニアが欲しくなるようなワークステーションを自社製造したところにソニーの当時の強みがある。なおNewsはサンマイクロシステムのSun3を強烈に意識したものであった。このNewsの成功は近年の成功事例のお手本である。





 
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