演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

山我勉さんのこと

2022年05月26日 06時45分25秒 | 照明

山海塾の照明を担当されていた山我さんのことをネットで検索しても、「卵熱」の初演で照明を担当していたとしか出てこない。
私がプロの照明家さんの現場を見たのは、山海塾の山我さんが初めてだったのと、その当時はやり始めていたエリヤスポットを多用する照明と全く反対のフラットな照明をうまく使う考え方が、自分のやり方に近くて印象的だった。
その後、小笠原さんや阿部さんの照明に触れることがあったが、やはり一番好きな照明だった気がする。
つい最近、自殺されたことを知った。何があったのかは知らないが、ご冥福をお祈りしたい。


開花鐡道探偵

2022年05月26日 06時27分05秒 | 読書

作者の山本巧次さんは鉄道会社に勤務しているそうで、その関係もあってか鉄道にかかわる作品が多い。
この作品はその鉄道ものの第1作なのだが、やや力が入りすぎていて、展開がのろい気がする。
さらに、探偵役の草壁とワトソン役の小野寺の魅力があまり感じられない。
次作の「第102列車の謎」は出だしから謎っぽいので期待できるか?冒頭だけ読み始めたところだ。

内容についてはグーグルブックスから。
明治十二年晩夏。鉄道局技手見習の小野寺乙松は、局長・井上勝の命を受け、元八丁堀同心の草壁賢吾を訪れる。「京都‐大津間で鉄道を建設中だが、その逢坂山トンネルの工事現場で不審な事件が続発している。それを調査する探偵として雇いたい」という井上の依頼を伝え、面談の約束を取りつけるためだった。井上の熱意にほだされ、草壁は引き受けることに。逢坂山へ向かった小野寺たちだったが、現場に到着早々、仮開業間もない最寄り駅から京都に向かった乗客が、転落死を遂げたという報告を受ける。死者は工事関係者だった!現場では、鉄道工事関係者と、鉄道開発により失業した運送業者ら鉄道反対派との対立が深まるばかり。そんな中、更に事件が...。


日韓対立の真相

2022年05月26日 06時08分40秒 | 読書

元在大韓民国特命全権大使である武藤正敏が最初に出した著作だ。
2015年の著作なので、民主党政権が終わりを遂げたころに書かれたもので、今読むとかなり遠慮して書いているのかなと思わされる記述が多い。
この頃はまだ、韓国との融和が望めると思っていたのだろうが、その後の文政権の樹立で「こりゃあかん」と思ったのだろう。最近の論調とは異なっている。
ただ、伊新政権には若干の期待があるのだろうか。ダイヤモンドオンラインの「韓国ウォッチ」ではそうした論調に変化があるようだ。
こうして古い著作を読むと、当時の世相と今の世相を比較できて面白い。


大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう ドローン江戸を翔ぶ

2022年05月26日 05時56分19秒 | 読書

科学分析ラボの宇田川がとうとう江戸へ登場という作品だ。
泥棒の設定に若干無理を感じるのと、かなり早く犯人が分かってしまうのが残念かもしれないが、犯行の描写や動機などはほかの作品よりも面白いかもしれない。
気楽に読めるという点では、同じ作者の鉄道ものよりはいい意味でよくかけていると思う。
このシリーズはお勧めだ。


途中下車はできません

2022年05月24日 06時36分21秒 | 読書

山本巧次の鉄道ものだが、ばらばらの話が一つに集約されていく形式のミステリーだ。

この本を書いた意図は本人の説明がなさている。
出てくる駅は5つ。
収録作品:富良野線 美馬牛駅 / 釧網本線 北浜駅 / 宗谷本線 音威子府駅 / 根室本線 落石駅 / 函館本線 札幌駅 / 富良野線 美馬牛駅

読みやすいが、静岡に住んでいると北海道のイメージがなかなかできないところが難点だろうか。

作品の宣伝は、以下の通りだ。
北海道の各地を結ぶ鉄道のローカル駅。出会い、別れ、そして謎解きが、人々を数奇に絡み合わせる――。<美馬牛駅>オープンしたての紅茶専門カフェ。オーナーの美和は美人だが、どこかワケありの雰囲気である。民宿「ドゥマン」に集う人々が推理をめぐらすが、そこには誰も知らない黒歴史があった。<北浜駅>大学生の康生は行方不明になった祖母を探し、わずかな手がかりからこの地を訪れた。だが突然見知らぬ男にあらぬ疑いをかけられる。<音威子府駅>札幌の建築会社で横領事件が発生。社長命令を受けた尾崎は音威子府を訪ねる。犯人の酒井は四千万円を元手に蕎麦屋を開こうとしている?<落石駅>罠に嵌まり、振り込め詐欺グループに追われている荒川は、落石岬から投身自殺した、と見せかけ行方をくらますつもりだった。だが次々と邪魔が入って……。<札幌駅>ライラック36号に乗る尾崎と酒井、康生。スーパーおおぞら8号に乗る荒川。地下鉄南北線でやってきた美和。多くの乗客が旅立ち、帰郷し、あるいは通り過ぎてゆく札幌駅のコンコースで、さらなる奇跡が巻き起こる! 現役鉄道マンで北海道フリークの著者が紡ぎ出す、人生大逆転ミステリー。

結構、楽しめた。


早房希美の謎解き急行

2022年05月14日 07時49分03秒 | 読書

山本巧次は鉄道好きのようで、題名に鉄道がらみな作品が多く見受けられる。この「早房希美の謎解き急行」も架空の大手私鉄・武州急行電鉄に勤める、早房希美の話だ。
話は営業企画課に持ち込まれたり、通勤の途中で巻き込まれた事件を解決していく連作短編推理小説となっている。
収録作品:
遮断機のくぐり抜けは大変危険です / 雨の日は御足元に充分ご注意ください / 危険物の持ち込みはお断りしております / 痴漢は犯罪です / 特急のご乗車には特急券が必要です

この中で面白かったのは「痴漢は犯罪です」だろうか。痴漢で検挙された男が、なぜカニやついていたのが気になって、やがて思いもよらない事件へと発展していく話なのだが、一番推理小説らしい印象を受けた。
「八丁堀のおゆう」がほとんど力業であるのに対して、こちらの方がミステリーの要素が強く感じた。残念ながら、シリーズ化はしていないようだが、2020年刊行なので今後シリーズ化していくかもしれない。
当分この作者で楽しめそうだ。

 


大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう

2022年05月13日 08時10分46秒 | 読書

山本巧次のタイムトラベル小説。現在8巻まで刊行されていて、今回読んだのは太字で示した以下の5冊だ。1巻はだいぶ前に読んだし、「千両富くじ根津の夢」も過去に読んだような気がするが、ほとんど忘れていたので楽しめた。
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう(2015年8月 宝島社文庫)
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 両国橋の御落胤(2016年5月 宝島社文庫)
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 千両富くじ根津の夢(2016年12月 宝島社文庫)
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 北斎に聞いてみろ(2017年10月 宝島社文庫)
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう ドローン江戸を翔ぶ(2018年10月 宝島社文庫)
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 北からの黒船(2019年11月 宝島社文庫)
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 妖刀は怪盗を招く(2020年10月 宝島社文庫)
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう ステイホームは江戸で(2021年11月 宝島社文庫)

パターン的にはいつも同じような、江戸時代ではできない科学捜査を現代と往復することで解決していくというものだが、どんでん返しが2~3回ある筋立てなので楽しめる。推理そのものは、証拠があまり読者には示されないハンデキャップがあるものなので、推理小説と呼ぶにはどうかなと思うが、捕物としては気楽に楽しめる。
年々調子が上がっているのか「北からの黒船」「妖刀は怪盗を招く」は特に面白く読めた。
残り2冊も楽しみだ。


ストレンジシード

2022年05月05日 05時43分50秒 | 演劇

5月3日は久能を経由してストレンジシードが開催されている駿府公園へ。
観たのは劇団渡辺の「芝生の上のさかさま姫」コトリ会議の「そして誰もいなくなったから風と共に去りぬ」劇団かいぞく船の「この道であい」の3本だ。

劇団渡辺の作品はなんでもさかさまに読んでしまうという発想は面白かったが、全部がさかさまになるわけではなく、さかさまとさかさまの間は普通の会話がつないでいるのだ。
分かりやすくするためにか、テンポがかなりゆっくりで、見ていて個人的にはつらかったので途中退席。
コトリ会議はビー玉が転がる様子を実況中継するというもので、いかにも生放送という感じで映像を流していたが、もしかすると録画かもしれない。笑いも多く、楽しめた。

劇団かいぞく船の「この道であい」はほとんどが歌とダンスで構成された作品で、子供たちが楽しそうに演じているのが印象的だった。
ストレンジシードもそうだが、最近の舞台は投げ銭システムのところが多いのだが、個人的にはこのシステムに反対なので、お金を出すことはめったにないんだが、思わずお金を出してしまった。

この3本を観て、家路に。

SPACはパイプを組み立てて仮設劇場を作って上演するらしい。

採算は取れるのだろうか。


オーディションの準備

2022年05月03日 07時15分57秒 | 演劇

SPACで役者を募集していたので、願書を出してみた。
演目は三島由紀夫の「近代能楽集」から「弱法師」だそうだ。
「近代能楽集」は高校生の時に読んだのだが、その内容は当然のことながらすっかり忘れている。
そこで、図書館で借りようかともって検索したら、本日は全館休刊日だそうだ。
というわけで、古本屋めぐりをして購入して読んでみた。
読んで思ったのは、どう上演するのだこれは?というものだった。
まず、時代背景が戦後に比較的近い日本だ。敗戦で、街にはまだ浮浪者があふれていた時より15年後と設定されている。
この時代感覚が今の観客に受け入れられるのだろうか。
あといろいろ気になったのだが、おいおい書いていくつもりだ。