2 保美(伊良湖) 2016.9.26 更新
<写真が小さく、見づらかったのでは?申し訳ありません)
更科紀行の帰路にお邪魔していない伊良湖崎の方へ脚をのばす。
やっと伊良湖の保美の里に流刑された名古屋の杜国を偲ぶことが
できる歓びもある。
杜国は、女性のような美貌と有能な若衆で、芭蕉はたちまち心を
奪われ、「白げしにはねもぐ蝶の形見哉」の句を杜国に贈ったとも
云われている。
杜国は、この芭蕉との旅の後、2年経った頃自死したとのこと。
35歳の若さだ。
坪井杜国の墓がある潮音寺を、先ず訪ねてみた。
長 慶 寺 9月26日 15:00~15:30
田原市福江町原ノ島
1370年頃の創建。
夢にまで杜国を見て泣いたというほど杜国の天分を愛した芭蕉は、貞
享4年10月、「笈の小文」の途中、鳴海より門弟・越智越人(おち・
えつじん)を伴い、愛弟子の悲遇を慰めようと二十数里の道を引き返し、
保美の杜国を訪ねた。
再会した師弟が、その時の歓びを詠んだ三吟の句が句碑として、杜国
の墓碑と一緒にあった。
麦生えて能(よき)隠れ家や畑村 芭蕉
冬をさかりに椿咲く也 越人
昼の空蚤かむ犬の寝かべりて 杜国
翌日、杜国の案内で同行3人は、伊良湖崎に。この時、芭蕉の名句
「鷹ひとつ見つけてうれし伊良湖崎」 が生まれたという。
翌年2月、杜国は伊勢に渡り芭蕉と落ち合うことになる。何ともいわれぬ
師弟の深い師弟愛・情愛・慈愛が伝わってくるようである。
「師のかげに ほし落ちにけり いらこ浜」
杜国 併画(潮音寺蔵)
という句にも、そのことが偲ばれる。
「霜の朝せんだんの実のこぼれけり」
杜国(肖像画)
もあるという。拝謁したかったな。
長慶寺
杜国墓碑と三句碑
杜国墓碑と三句碑説明板
三句碑