貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

鹿島市: 根本(こんぽん)寺  10月9日 10:27~10:35

2016-11-24 09:20:53 | 日記
鹿島市: 根本(こんぽん)寺  10月9日 10:27~10:35

仏頂和尚はこの根本寺と深川の臨川寺を往来していた。

芭蕉が禅の修行をしたり、いろいろ教えを乞うたりした仏頂和尚は、

相当の魅力ある人物のよう。仏頂面ではなさそうだ。

鹿島神社との訴訟で勝訴するということからも理解できる。

九年間に及ぶ勝訴で、その後は隠居の身となられたようだ。

句碑は、「寺に寝て まことの顔なる 月見哉」 である。

月を愛でる幸運には恵まれず。「鹿島詣」には、

「あかつきのそら、いさゝかはれけるを、和尚起し驚し侍れば、人々起出ぬ。

月のひかり、雨の音、たゞあはれなるけしきのみむねにみちて、

いふべきことの葉もなし。」と結んでいる。

 芭蕉の一つの特長として、富士山では霧時雨のため、山を見なかったことを詠み、

松島では、句を詠むことは曾良に任せたり、そして今回も月を愛でることに恵まれず。

これも又無常・無情かな?たとえ見られたとしても、芭蕉は深く感動すると句を詠む

気力を消失してしまうのか、束の間の自然美に言語を絶するのか?

しかし、その無念さを歌に託した。そういうこともまた芭蕉ならではの才覚。

これまた一興!

根本寺




芭蕉句碑     寺に寝て まことの顔なる 月見哉