貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

三日月の美しさ

2021-03-24 16:31:06 | 日記

三日月の美しさ

令和3年3月24日(水)

初句は、

 有とある 

  たとへにも似ず 

     三日の月

   これは、多くの見立てを詠んでみた

後で、芭蕉が思わず吐く哀しみの句。

   いろいろなたとえ句を作ってみたが、

三日月の美をすこしも言い当てていない

という吐息である。

 現在夜空に上がっている三日月は、

見立てに少しも面白味もなく、

この下手くそな俳人達よと、

笑っているのではないかという

反省の句である。

ありとある 

  見立てにも似ず 

     三日の月

   これは、門人の知足に出した手紙に

急いで告白した句であるらしい。

 勉強のために多くの先人の句や和歌を

検索してみたが、どの作品も駄目だ。

 必ず作り直してみせるという宣言か。

 平静に表現する手法を選択、

最終句となる。

 何事の 

  見たてにも似ず 

     三かの月

   貞享五年(1688)尾張円頓寺での作。

濃尾平野の北に位置する高台の寺。

眼前には、猶美しく満天の星も

あったであろう。