令和3年10月5日(火)
みそかなし
千とせの杉を
抱あらし
月末で、月もない闇夜、嵐が千歳の
月末で、月もない闇夜、嵐が千歳の
杉を抱くように吹きすぎる、
の意。
貞享元年(1694)の作。
伊勢を訪ねての吟で、紀行本文に
貞享元年(1694)の作。
伊勢を訪ねての吟で、紀行本文に
僧と見做され神前に入れず、
暮れて外宮に詣でたとあり、
「また上なき峯の松風、
身にしむ計(ばかり)、
深き心を起こして」
として掲載。
真蹟懐紙では、
真蹟懐紙では、
「西行の泪の跡を尋て、一ノ華表(とりい)
より岩戸詣る比日暮て道くらし」
の前書き。
西行「深く入りて神路の奥を尋ぬれば、
西行「深く入りて神路の奥を尋ぬれば、
また上もなき峰の松風」(千載集)をもとに、
西行と一体化して伊勢の神々しさを
味わっているのであり、
杉を抱くのは嵐と限定せず、
自分も西行も風と化して杉を抱いていると
解していいだろう。