令和3年10月14日(木)
山路来て
何やらゆかし
すみれ草
山路を来つつ、ふと目にした菫草に
山路を来つつ、ふと目にした菫草に
何ということもなく心が惹かれる、
の意。
貞享二年(1695)の作。
「ゆかし」・・・好奇心や親和感が
貞享二年(1695)の作。
「ゆかし」・・・好奇心や親和感が
換気されたことを示す形容詞。
「すみれ草」・・・ここは濃紫色の花を
「すみれ草」・・・ここは濃紫色の花を
指す。
路傍に咲く花への名状しがたい感情を
路傍に咲く花への名状しがたい感情を
名状しがたいまま「何やらゆかし」と
率直に表現した点が画期的。
初案は熱田の白鳥山法持寺で興行され
初案は熱田の白鳥山法持寺で興行され
た歌仙(熱田皺箱物語)の立句で、
上五「何とはなしに」日本武尊の神霊の象徴
を菫草に見る説や、
西行の菫歌との関係に着目する説もあり、
歌学の伝統を盾にした湖春の非難(去来抄)を
含め、多くの言及を誘ってやまない一句。