令和3年10月6日(水)
みそか月
なし千とせの杉を
抱あらし
伊勢神宮の吟句の続き。
◎ 陰暦晦日であるから新月。
月の光はなく、下界の夜は闇に満ちている。
伊勢神宮の吟句の続き。
◎ 陰暦晦日であるから新月。
月の光はなく、下界の夜は闇に満ちている。
日暮れて、暗いところに、髑髏の明かり
が照らしてはいるが、なお闇に吸い込まれる
ようだ。
風は千年杉の巨大なのを抱くように
風は千年杉の巨大なのを抱くように
吹いているが、星一つないう闇の天下で
ある。
外宮で月を詠むのは、明かりが、闇の力を
一層強く印象づけている。
しかも、強風は嵐の気配を示している。
その風音が辺りに満ちている時に、
風が闇の中で巨大な杉を抱いているように
見える。
これは俳句が妖怪の世界に入ったような、
これは俳句が妖怪の世界に入ったような、
力強い闇の、俳句への詠み込みである。