☆この一週間、風邪を引いて、いまだ本調子じゃないので、短めに・・・。
実は、一昨日は、遅ればせながら、公開終了間際の『名探偵コナン』の新作を見ようと、ネットで席を予約したのだが、行くのを断念したほどなのだ・・・。
# # # #
で、『ザ・マジックアワー』です^^
佐藤浩市は男らしくて好きな役者だったのだが、最近知り合った嫌な奴にちょっと顔が似ていたので、この作品を見始めた時、そこに連想が向いてしまい、あまり乗り切れなかった。
しかし、強面の佐藤浩市が、なんか妙に勘違いした演技で、ナイフを舐めつつ挨拶した時には、思わず吹き出して笑った。
しかも、それが、計3回繰り返されるに及び、声を出して笑った。
三度目なんか、シーンが切り替わった後も、笑い続けてしまった。
この「殺し屋・デラ富樫」挨拶シーンは、それを受ける暴力団のボスを演じる西田敏行の「間(ま)」も素晴らしくて、良かった。
この辺りから、私の鑑賞姿勢にも火がついて、ノッて観ることが出来た。
その「デラ富樫」と言うネーミングも、考えれば考えるほどクスクスと笑えるほどに可笑しかった。
◇ ◇
・・・なにぶん、体の調子が悪いので、短めに書く。
皆さん、絶賛しそうなので、私は幾つか批判したい。
一つに、非常に冗長であること。
これは、テンポが悪いということ。
作品全編を覆っていたと思う。
そこに費やされるべくセリフの数々に、舞台設定の「粋」を感じられたら傑作にもなり得たのだろうが、『僕の彼女はサイボーグ』で好演した綾瀬はるかなども、傑出した演技を見せるでもなく・・・。
ホテルの女オーナー(戸田恵子)も、やや光るも不発か・・・。
例えば、こちら(鑑賞者)の意志を完全に最高潮に持ち込むべき、クライマックスに向かう展開の方向性及び、スピード感が皆無であることなどは大問題だと思った。
なにやら、『F/X 裁かれたトリック』みたいな、やや手垢に塗れた起伏をやりたいらしいのだが、それが見ているこちらに、意味なくバレてしまう作りなのが辛い。
先程、「間(ま)」が良かったと書いた西田敏行だが、このクライマックスの「どんでん返し」の時の「間」の悪さったらなかった。
おそらく、三谷監督は、ここで客に大いに笑って欲しかっただろう。
しかし、画面の奥からドタドタ走ってきて、ノロノロと語りだすに及び、見ている私達はオチが見え見えで笑うどころではなかった。
このようなときこそ、軽快なセリフの応酬で、こちらに息つく暇を与えず驚きを与えて欲しかった。
まあ、ここにおいての、西田演じるボスの「デラ富樫」に対しての、「お前は何なんだっ!?」のセリフは楽しかった。
◇ ◇
また、この作品は、大セットを組んで、架空の町を舞台にしているが、この町の位置構成が、ホテル、芝居小屋、組事務所、飲み屋くらいしか理解できないのも、勿体無い。
映画館や、CM撮影をしていた公園等も、思い切って一つの画面に組み込めたら、この作品の箱庭的な面白さが増したと思うのだ。
なんと言いましょうか、我々に、「ああ、今は、<一枚画面>上のあそこで物語が展開されているんだな^^」などと思わせられたら、この作品の舞台設定の意図したいことが十全に充たされると思うのだ。
私は、ナカトミビルやカリオストロ城など、舞台設定が無駄なく使われた作品こそが「傑作」の一つの証だと思っている。
◇ ◇
邦画にしてはふんだんに制作費が掛けられた作品だろうに、各所にムダや消化不良が感じられた。
だが、それらの欠点を補ってあまりあるのが、やはり佐藤浩市の演技なのである。
自分は「デラ富樫」を演じていると思っているので、普段は監督に仕事を与えられている役者に過ぎないのである。
その役者としての謙虚さや、仲間に対しての対応、映画に対しての愛・・・、それらの様が、実に「可愛い」のである^^
三谷監督の仕掛けた作品中の「映画への愛」は、正直、取ってつけたようで効果を発していなかったが、佐藤浩市の演技から醸しだされるものは、私を正直に感動させた。
佐藤浩市演じる役者・村田を騙していた、芝居小屋のオーナー・備後(妻夫木聡←非常に役に徹してました^^)だが、最終的に、村田の役者魂に敬意を表する。
私も、そんな思いだった。
とにかく、本物の暴力団の若頭(寺島進)を、同業の役者だと思って気さくに先輩面して対応する村田には、見ていて、ヒヤヒヤしながら死ぬほど笑わせられた。
◇ ◇
深津絵里だが、私はあまり好きではない。
が、この作品では、わりと可愛く「悪女」を演じていたと思う。
(2008/06/08)
実は、一昨日は、遅ればせながら、公開終了間際の『名探偵コナン』の新作を見ようと、ネットで席を予約したのだが、行くのを断念したほどなのだ・・・。
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で、『ザ・マジックアワー』です^^
佐藤浩市は男らしくて好きな役者だったのだが、最近知り合った嫌な奴にちょっと顔が似ていたので、この作品を見始めた時、そこに連想が向いてしまい、あまり乗り切れなかった。
しかし、強面の佐藤浩市が、なんか妙に勘違いした演技で、ナイフを舐めつつ挨拶した時には、思わず吹き出して笑った。
しかも、それが、計3回繰り返されるに及び、声を出して笑った。
三度目なんか、シーンが切り替わった後も、笑い続けてしまった。
この「殺し屋・デラ富樫」挨拶シーンは、それを受ける暴力団のボスを演じる西田敏行の「間(ま)」も素晴らしくて、良かった。
この辺りから、私の鑑賞姿勢にも火がついて、ノッて観ることが出来た。
その「デラ富樫」と言うネーミングも、考えれば考えるほどクスクスと笑えるほどに可笑しかった。
◇ ◇
・・・なにぶん、体の調子が悪いので、短めに書く。
皆さん、絶賛しそうなので、私は幾つか批判したい。
一つに、非常に冗長であること。
これは、テンポが悪いということ。
作品全編を覆っていたと思う。
そこに費やされるべくセリフの数々に、舞台設定の「粋」を感じられたら傑作にもなり得たのだろうが、『僕の彼女はサイボーグ』で好演した綾瀬はるかなども、傑出した演技を見せるでもなく・・・。
ホテルの女オーナー(戸田恵子)も、やや光るも不発か・・・。
例えば、こちら(鑑賞者)の意志を完全に最高潮に持ち込むべき、クライマックスに向かう展開の方向性及び、スピード感が皆無であることなどは大問題だと思った。
なにやら、『F/X 裁かれたトリック』みたいな、やや手垢に塗れた起伏をやりたいらしいのだが、それが見ているこちらに、意味なくバレてしまう作りなのが辛い。
先程、「間(ま)」が良かったと書いた西田敏行だが、このクライマックスの「どんでん返し」の時の「間」の悪さったらなかった。
おそらく、三谷監督は、ここで客に大いに笑って欲しかっただろう。
しかし、画面の奥からドタドタ走ってきて、ノロノロと語りだすに及び、見ている私達はオチが見え見えで笑うどころではなかった。
このようなときこそ、軽快なセリフの応酬で、こちらに息つく暇を与えず驚きを与えて欲しかった。
まあ、ここにおいての、西田演じるボスの「デラ富樫」に対しての、「お前は何なんだっ!?」のセリフは楽しかった。
◇ ◇
また、この作品は、大セットを組んで、架空の町を舞台にしているが、この町の位置構成が、ホテル、芝居小屋、組事務所、飲み屋くらいしか理解できないのも、勿体無い。
映画館や、CM撮影をしていた公園等も、思い切って一つの画面に組み込めたら、この作品の箱庭的な面白さが増したと思うのだ。
なんと言いましょうか、我々に、「ああ、今は、<一枚画面>上のあそこで物語が展開されているんだな^^」などと思わせられたら、この作品の舞台設定の意図したいことが十全に充たされると思うのだ。
私は、ナカトミビルやカリオストロ城など、舞台設定が無駄なく使われた作品こそが「傑作」の一つの証だと思っている。
◇ ◇
邦画にしてはふんだんに制作費が掛けられた作品だろうに、各所にムダや消化不良が感じられた。
だが、それらの欠点を補ってあまりあるのが、やはり佐藤浩市の演技なのである。
自分は「デラ富樫」を演じていると思っているので、普段は監督に仕事を与えられている役者に過ぎないのである。
その役者としての謙虚さや、仲間に対しての対応、映画に対しての愛・・・、それらの様が、実に「可愛い」のである^^
三谷監督の仕掛けた作品中の「映画への愛」は、正直、取ってつけたようで効果を発していなかったが、佐藤浩市の演技から醸しだされるものは、私を正直に感動させた。
佐藤浩市演じる役者・村田を騙していた、芝居小屋のオーナー・備後(妻夫木聡←非常に役に徹してました^^)だが、最終的に、村田の役者魂に敬意を表する。
私も、そんな思いだった。
とにかく、本物の暴力団の若頭(寺島進)を、同業の役者だと思って気さくに先輩面して対応する村田には、見ていて、ヒヤヒヤしながら死ぬほど笑わせられた。
◇ ◇
深津絵里だが、私はあまり好きではない。
が、この作品では、わりと可愛く「悪女」を演じていたと思う。
(2008/06/08)