☆以下のような状況がアメリカで起こったと言う・・・。
女子高生が“出産協定”17人妊娠 米マサチューセッツ州 2008.6.21 10:06
この状況で問題なのは、若年者の妊娠ではない。
17人の娘が、示し合わせて妊娠している事実である。
彼女らには、前提として、「愛」の結果としての妊娠があったはずなのであるが、
いつの間にやら、「妊娠したときの対応」が大義名分になってしまっている^^;
な~んか、思考回路のズレ具合が、かなり前にあった「悪魔クン」ネーミング問題に似ている・・・。
おそらく、今回観に行ったアメリカ映画『JUNO/ジュノ』の悪影響だと思うのだ。
◇ ◇
さりとて、『JUNO/ジュノ』は素晴らしい映画であった。
その長所を語ったら、切りがない。
もし、感受性が豊かな若い頃に見たら、私のフェイバリット作品の『ベティ・ブルー』や『トト・ザ・ヒーロー』と同じくらいの、映画を語る上でのマスターピースになったやも知れない。
好奇心でヤッたら妊娠しちゃった16歳の女の子ジュノの物語だ。
タイトルバックからして、とてもオシャレで、そして、やや哀しげだ。
写真取り込みの線水彩画のアニメの中で、ジュノが妊娠検査をすべく、検査薬を売っている雑貨屋に向かうのだ。
ポップな絵柄だが、その足取りは、やや傾いていて、表情も物憂げだ。
でも、ジュノは若く、待ち受ける境遇の苛酷さの認識も出来ないほどだ。
若さは、無知で、バカってことだ。
◇ ◇
ジュノ役の主演エレン・ペイジだが、私の好みではない。
しかし、とても演技がリアルで、魅力的だった。
やはり、私は、妊娠の事実を、彼氏と言うか、セックス相手に伝える時の表情が秀逸だと思った。
一昨日観た『神様のパズル』でも同じようなことを書いたが、ジュノは、不安いっぱいで「彼氏」に告げるのだ。
不安感とともに、相手にやや挑戦するような複雑な表情で告白するのが、実に良かった。
だが、「彼氏」もまた、ジュノと同じく若すぎて、状況への対応が出来ないのだ。
ジュノは、落胆の表情を見せつつ、「彼氏」と別れる。
「別れる」と言っても、同じ学校に通っているので、たびたび顔を合わし、仲良く会話もする。
◇ ◇
ジュノは、思慮のない「おバカ」のようにも思えるが、ここはただの「まだ子供」と考えたほうが良かろう。
スラング丸出しのべシャリで、誰に対しても接する^^;
その深い意味は難しいが、スラングと言うものはリズミカルなので、英語音痴の私にも伝わるのだ。
しばらく、中絶ネタがあるのだが、それは、ジュノの持つ「優しさ」で回避される。
そして、ここで、アメリカ的合理的な思考回路で、子供は養子縁組にやると言う方向に向かう。
日本人の感覚だと、ちょっと違和感があるのだが、あちらではわりとポピュラーらしい。
これは、最後には覆されて、ジュノが育てるのかなと思いきや、それは貫徹される。
生む方針が決まった以上は、家族に報告する。
このジュノの家族が素晴らしいのだ。
ショックを受けつつも、「そういうことになったのならしょうがない」と、すぐに、娘の決めた養子縁組の方針に沿うのだ。
バツ1の親父も、後妻の母親も、厳しくも温かい^^
妹は、モコモコしていて可愛い。
ついでに、親友の娘リア(オリヴィア・サルビー)も、まだまだ子供で、最後の最後まで妊娠をイベントとして楽しむ^^;
茶目っ気たっぷりで可愛い^^v
◇ ◇
物語の大きなサイドストーリーとして、養子縁組を求める若い金持ち夫婦が出てくるのだが、
私は、この夫婦に、何らかの子供を与えるにあたっての欠陥があるのだろうかと、
結構、ヒヤヒヤしながら見せられた^^;
物語の本来の鑑賞の仕方とは違うのかも知れないが、サスペンス映画並みにドキドキした。
最終的に、妊娠の不安感で、ジュノはその若夫婦の家を何度も訪れるのだが、その夫が、ジュノの飾らない態度を勘違いしてしまうのだ。
この、若旦那こそが、物語上、「子供」なのであった。
・・・私には、この若旦那のような経験が多くある。
私には妻もなく、相手の娘が妊娠しているようなこともないので、そのまま恋愛モードに持ち込むことが多い^^;
・・・そして、養子を迎えるにあたっての、舞い上がる奥さんに比しての冷めた若旦那の気持ちもよく分かるのだ。
私が若旦那のようなしらけた気持ちの時もあるし、一人で舞い上がる奥さんのような立場で、相手に去られることもある・・・。
◇ ◇
「彼氏」にも突き放され、養子縁組夫婦も破局を迎えた。
ジュノは泣くしかない。
道端に運転していたワゴンを停め、しばし、泣く。
この作品を見て、凄いなと思わせられたのは、このシーン、車内で泣くジュノを描写した後、停車されたワゴンが再び動き出す姿をちゃんと映しているのだ。
普通なら、泣いたシーンで次のシーンに移るだろう。
しかし、ワゴンが再始動することを描いたことで、ここから、ジュノの「運命を変える行動」が分かるのだ。
ジュノに健気さはない。
ただ、淡々と、思ったことを実行していく。
「彼氏」との恋の始まりも、それまでの「彼氏」の生活がちゃんと描かれていたので、とても自然だ。
離婚はされてしまったが、「若奥さん」は、ジュノから子供を授けられ、「お母さん」になる。
それを見守るジュノのお母さん・・・。
「私、どう見えますか?」と若奥さん。
「新米のママさんね^^」とジュノのお母さん。
・・・私は、各所で、涙を滲ませられてしまうのだ^^
このジュノの継母(アリソン・ジャネイ)・・・、毅然とした、いいお母さんなんだよ!
◇ ◇
「彼氏」が、突っかかってきたジュノに、「あの時(セックスしちゃった時)は暇なんかじゃなかった。テレビで『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』をやってた。それを見てたら良かったじゃないか!」というトコなんか、実に「彼氏」の子供っぽさが表現されていた。
でも、結局は、優しい・・・。
しかし、童貞・処女の初体験が「女性上位」なんだね!^^;
◇ ◇
おっと、書き忘れていた。
養子縁組の話を進めるときに、若奥さんに、「出産に至る医療費のほかに、報酬は必要ないのですか?」と聞かれたジュノの表情と返答は、ほんと、素晴らしかった・・・☆
(2008/06/21)
女子高生が“出産協定”17人妊娠 米マサチューセッツ州 2008.6.21 10:06
この状況で問題なのは、若年者の妊娠ではない。
17人の娘が、示し合わせて妊娠している事実である。
彼女らには、前提として、「愛」の結果としての妊娠があったはずなのであるが、
いつの間にやら、「妊娠したときの対応」が大義名分になってしまっている^^;
な~んか、思考回路のズレ具合が、かなり前にあった「悪魔クン」ネーミング問題に似ている・・・。
おそらく、今回観に行ったアメリカ映画『JUNO/ジュノ』の悪影響だと思うのだ。
◇ ◇
さりとて、『JUNO/ジュノ』は素晴らしい映画であった。
その長所を語ったら、切りがない。
もし、感受性が豊かな若い頃に見たら、私のフェイバリット作品の『ベティ・ブルー』や『トト・ザ・ヒーロー』と同じくらいの、映画を語る上でのマスターピースになったやも知れない。
好奇心でヤッたら妊娠しちゃった16歳の女の子ジュノの物語だ。
タイトルバックからして、とてもオシャレで、そして、やや哀しげだ。
写真取り込みの線水彩画のアニメの中で、ジュノが妊娠検査をすべく、検査薬を売っている雑貨屋に向かうのだ。
ポップな絵柄だが、その足取りは、やや傾いていて、表情も物憂げだ。
でも、ジュノは若く、待ち受ける境遇の苛酷さの認識も出来ないほどだ。
若さは、無知で、バカってことだ。
◇ ◇
ジュノ役の主演エレン・ペイジだが、私の好みではない。
しかし、とても演技がリアルで、魅力的だった。
やはり、私は、妊娠の事実を、彼氏と言うか、セックス相手に伝える時の表情が秀逸だと思った。
一昨日観た『神様のパズル』でも同じようなことを書いたが、ジュノは、不安いっぱいで「彼氏」に告げるのだ。
不安感とともに、相手にやや挑戦するような複雑な表情で告白するのが、実に良かった。
だが、「彼氏」もまた、ジュノと同じく若すぎて、状況への対応が出来ないのだ。
ジュノは、落胆の表情を見せつつ、「彼氏」と別れる。
「別れる」と言っても、同じ学校に通っているので、たびたび顔を合わし、仲良く会話もする。
◇ ◇
ジュノは、思慮のない「おバカ」のようにも思えるが、ここはただの「まだ子供」と考えたほうが良かろう。
スラング丸出しのべシャリで、誰に対しても接する^^;
その深い意味は難しいが、スラングと言うものはリズミカルなので、英語音痴の私にも伝わるのだ。
しばらく、中絶ネタがあるのだが、それは、ジュノの持つ「優しさ」で回避される。
そして、ここで、アメリカ的合理的な思考回路で、子供は養子縁組にやると言う方向に向かう。
日本人の感覚だと、ちょっと違和感があるのだが、あちらではわりとポピュラーらしい。
これは、最後には覆されて、ジュノが育てるのかなと思いきや、それは貫徹される。
生む方針が決まった以上は、家族に報告する。
このジュノの家族が素晴らしいのだ。
ショックを受けつつも、「そういうことになったのならしょうがない」と、すぐに、娘の決めた養子縁組の方針に沿うのだ。
バツ1の親父も、後妻の母親も、厳しくも温かい^^
妹は、モコモコしていて可愛い。
ついでに、親友の娘リア(オリヴィア・サルビー)も、まだまだ子供で、最後の最後まで妊娠をイベントとして楽しむ^^;
茶目っ気たっぷりで可愛い^^v
◇ ◇
物語の大きなサイドストーリーとして、養子縁組を求める若い金持ち夫婦が出てくるのだが、
私は、この夫婦に、何らかの子供を与えるにあたっての欠陥があるのだろうかと、
結構、ヒヤヒヤしながら見せられた^^;
物語の本来の鑑賞の仕方とは違うのかも知れないが、サスペンス映画並みにドキドキした。
最終的に、妊娠の不安感で、ジュノはその若夫婦の家を何度も訪れるのだが、その夫が、ジュノの飾らない態度を勘違いしてしまうのだ。
この、若旦那こそが、物語上、「子供」なのであった。
・・・私には、この若旦那のような経験が多くある。
私には妻もなく、相手の娘が妊娠しているようなこともないので、そのまま恋愛モードに持ち込むことが多い^^;
・・・そして、養子を迎えるにあたっての、舞い上がる奥さんに比しての冷めた若旦那の気持ちもよく分かるのだ。
私が若旦那のようなしらけた気持ちの時もあるし、一人で舞い上がる奥さんのような立場で、相手に去られることもある・・・。
◇ ◇
「彼氏」にも突き放され、養子縁組夫婦も破局を迎えた。
ジュノは泣くしかない。
道端に運転していたワゴンを停め、しばし、泣く。
この作品を見て、凄いなと思わせられたのは、このシーン、車内で泣くジュノを描写した後、停車されたワゴンが再び動き出す姿をちゃんと映しているのだ。
普通なら、泣いたシーンで次のシーンに移るだろう。
しかし、ワゴンが再始動することを描いたことで、ここから、ジュノの「運命を変える行動」が分かるのだ。
ジュノに健気さはない。
ただ、淡々と、思ったことを実行していく。
「彼氏」との恋の始まりも、それまでの「彼氏」の生活がちゃんと描かれていたので、とても自然だ。
離婚はされてしまったが、「若奥さん」は、ジュノから子供を授けられ、「お母さん」になる。
それを見守るジュノのお母さん・・・。
「私、どう見えますか?」と若奥さん。
「新米のママさんね^^」とジュノのお母さん。
・・・私は、各所で、涙を滲ませられてしまうのだ^^
このジュノの継母(アリソン・ジャネイ)・・・、毅然とした、いいお母さんなんだよ!
◇ ◇
「彼氏」が、突っかかってきたジュノに、「あの時(セックスしちゃった時)は暇なんかじゃなかった。テレビで『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』をやってた。それを見てたら良かったじゃないか!」というトコなんか、実に「彼氏」の子供っぽさが表現されていた。
でも、結局は、優しい・・・。
しかし、童貞・処女の初体験が「女性上位」なんだね!^^;
◇ ◇
おっと、書き忘れていた。
養子縁組の話を進めるときに、若奥さんに、「出産に至る医療費のほかに、報酬は必要ないのですか?」と聞かれたジュノの表情と返答は、ほんと、素晴らしかった・・・☆
(2008/06/21)