☆いいコメディ・アクション映画であったが、辛かった。
多くのギャグが散りばめられていたのだが、細かい言葉のギャグが、英語の微妙なニュアンスを私が理解できないばかりに、十全に堪能できなかったのだ。
このような実力不足ほど、歯がゆいものはない。
◇ ◇
私は、中学生の頃は、『フライング・ハイ』や『裸の銃(ガン)をもつ男』などを楽しんだものだが、昨今の『オースティン・パワーズ』などはてんで駄目だった。
「おバカ(映画)」という言葉も、ヘキサゴン関連を含めて嫌いだ。
でも、この『ゲット・スマート』はタイトルどおり「スマート」にバカで面白かった。
『フライング・ハイ』や『オースティン・パワーズ』とは異なり、あまり強引な、コント的なネタはなく、あくまでもコメディに踏みとどまっていたような気がする。
敵の本拠地のダンス・パーティーに乗り込み、スマートは、超デブの女をダンスに誘う。
普通の、かような作品のパターンならば、特殊撮影を用い、そのデブ女を、軽々と持ち上げるような見せ場を作るはずだ。
しかし、この作品では、物理の法則を無視しない。
あくまでも、デブ女は重いままで、スマートは苦労して踊る。
それ故に、ダンスを出来ているデブ女が、段々と「女」として自信を取り戻していく様に説得力が感じられるのだ。
こういったとこに、作り手の真面目さが感じられて、実に好感だった。
◇ ◇
スマートは、グリグリに目が大きい、いい女(アン・ハサウェイ)とスパイ活動のパートナーを組まされるのだが、スマートのおとぼけと、女スパイの反目感と、最初は、あまり関係がうまくいかない。
「この新兵器持ってる?」とスマートが聞き、女が持っていないと、スマートは「ハハン」とバカにした笑みを浮かべる。
これが何度かくり返されて、続いて、女のほうが有益な兵器を持っていたとき、女が「ハハン」とスマートにバカにした笑みを浮かべる。
こういった小ネタは、アン・ハサウェイの美貌もあり、実に私にフィットする。
だが、こういったネタが、物語全般を通してくり返されるわけでなく、賞味20分間の中で行なわれるので、私には勿体無く思えた。
このようなネタは、2時間ほどの上映中、ずっと繰り返すと、観客も、愛着を感じると思うのだ。
この他にも、いささか、ギャグに対しての淡白さが、作品全体に感じられた。
◇ ◇
私は、最近の『007』は詳しくないが、一昔前の『007』には詳しい。
『ゲット・スマート』は、同じスパイ映画として、『007』のパロディ・オマージュが散見されていた。
先ず、敵の大男の殺し屋だが、これは完全にジョーズ(リチャード・キール)を意識していた。
スカイダイビングでのファイトなど、『ムーンレイカー』からの引用だろう(『ムーンレイカー』はアクションが宇宙にまで飛び出して、古い『007』ファンには不評だが、うまくまとまっている作品だ)。
また、クライマックスで、車で、線路を走るのだが、これは、『オクトパシー』からだろう(『オクトパシー』のパンフレットには、使用されたベンツ(だったかな?)の車輪の軸巾が、舞台になったロケ地の線路の巾と同じだったとか、広軌とか狭軌とか云々かんぬんとか書かれていたのを思い出す^^;)。
また、核ミサイルの爆発が、コンサート会場で行なわれている「ハレルヤ(だっけ?)」のオーケストラ演奏の最後の盛り上がりで行なわれるとの設定は、ヒッチコックの『知りすぎた男』からであろう。
あまり、その拝借した作品をあからさまにするのではなく、すぐにスマートを会場に突進させ、解決に導くところが、作り手の「スマート」さであろう。
◇ ◇
つくづく、もう少し英語を理解したいと思った。
MOVIX昭島は、横田基地の近くなので、今回は外人さんの客が多かった。
外人どもは、私が理解できない箇所でゲラゲラ笑っていて、私は悔しかった!
(2008/10/12)
多くのギャグが散りばめられていたのだが、細かい言葉のギャグが、英語の微妙なニュアンスを私が理解できないばかりに、十全に堪能できなかったのだ。
このような実力不足ほど、歯がゆいものはない。
◇ ◇
私は、中学生の頃は、『フライング・ハイ』や『裸の銃(ガン)をもつ男』などを楽しんだものだが、昨今の『オースティン・パワーズ』などはてんで駄目だった。
「おバカ(映画)」という言葉も、ヘキサゴン関連を含めて嫌いだ。
でも、この『ゲット・スマート』はタイトルどおり「スマート」にバカで面白かった。
『フライング・ハイ』や『オースティン・パワーズ』とは異なり、あまり強引な、コント的なネタはなく、あくまでもコメディに踏みとどまっていたような気がする。
敵の本拠地のダンス・パーティーに乗り込み、スマートは、超デブの女をダンスに誘う。
普通の、かような作品のパターンならば、特殊撮影を用い、そのデブ女を、軽々と持ち上げるような見せ場を作るはずだ。
しかし、この作品では、物理の法則を無視しない。
あくまでも、デブ女は重いままで、スマートは苦労して踊る。
それ故に、ダンスを出来ているデブ女が、段々と「女」として自信を取り戻していく様に説得力が感じられるのだ。
こういったとこに、作り手の真面目さが感じられて、実に好感だった。
◇ ◇
スマートは、グリグリに目が大きい、いい女(アン・ハサウェイ)とスパイ活動のパートナーを組まされるのだが、スマートのおとぼけと、女スパイの反目感と、最初は、あまり関係がうまくいかない。
「この新兵器持ってる?」とスマートが聞き、女が持っていないと、スマートは「ハハン」とバカにした笑みを浮かべる。
これが何度かくり返されて、続いて、女のほうが有益な兵器を持っていたとき、女が「ハハン」とスマートにバカにした笑みを浮かべる。
こういった小ネタは、アン・ハサウェイの美貌もあり、実に私にフィットする。
だが、こういったネタが、物語全般を通してくり返されるわけでなく、賞味20分間の中で行なわれるので、私には勿体無く思えた。
このようなネタは、2時間ほどの上映中、ずっと繰り返すと、観客も、愛着を感じると思うのだ。
この他にも、いささか、ギャグに対しての淡白さが、作品全体に感じられた。
◇ ◇
私は、最近の『007』は詳しくないが、一昔前の『007』には詳しい。
『ゲット・スマート』は、同じスパイ映画として、『007』のパロディ・オマージュが散見されていた。
先ず、敵の大男の殺し屋だが、これは完全にジョーズ(リチャード・キール)を意識していた。
スカイダイビングでのファイトなど、『ムーンレイカー』からの引用だろう(『ムーンレイカー』はアクションが宇宙にまで飛び出して、古い『007』ファンには不評だが、うまくまとまっている作品だ)。
また、クライマックスで、車で、線路を走るのだが、これは、『オクトパシー』からだろう(『オクトパシー』のパンフレットには、使用されたベンツ(だったかな?)の車輪の軸巾が、舞台になったロケ地の線路の巾と同じだったとか、広軌とか狭軌とか云々かんぬんとか書かれていたのを思い出す^^;)。
また、核ミサイルの爆発が、コンサート会場で行なわれている「ハレルヤ(だっけ?)」のオーケストラ演奏の最後の盛り上がりで行なわれるとの設定は、ヒッチコックの『知りすぎた男』からであろう。
あまり、その拝借した作品をあからさまにするのではなく、すぐにスマートを会場に突進させ、解決に導くところが、作り手の「スマート」さであろう。
◇ ◇
つくづく、もう少し英語を理解したいと思った。
MOVIX昭島は、横田基地の近くなので、今回は外人さんの客が多かった。
外人どもは、私が理解できない箇所でゲラゲラ笑っていて、私は悔しかった!
(2008/10/12)