『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『劇場版イナズマイレブンGO 究極の絆 グリフォン』を観た]

2011-12-26 22:33:13 | 物語の感想
☆甥っ子を連れて観に行った。

 前映画版では、私は非常に大笑いし、大いに燃えた。

 今回は、雷門中サッカー部は世代交代を果たし、カリスマ性のあった主役たち(特に鬼道)は指導者となっている。

 ただでさえ、前回の映画版でしか知らない物語なのに、テレビ版の新シリーズは全く知らなくて、

 「知らないってことは、作品・キャラに個性がないからだ!」と勝手に判断し、あまり期待しないで赴いた。

   ◇

 しかし、先ずは、3D作品としての「これ見よがしの飛び出し具合」に驚いた。

 映画界に、こうまで3Dが浸透してくると、最近では、3Dと言うのは飛び出すことじゃなくて、感覚に微妙な作用を起こすぐらいがベストだと分かってきた。

 しかし、この「イナズマイレブンGO」は凄かった。

 序盤で、主役の天馬が、向かって走ってくるシーンがあったのだが、振られる腕が3メートルくらい突き出される印象だった。

 また、各キャラクターの首も、プチろくろっ首状態に見えた。

 背景とキャラクターの間に20センチ位の空間があって、空中浮遊しているように見えるときもあった。

 でも、こんなにも、「飛び出し」感覚が実感できれば、300円割高も許せるだろう。

   ◇

 さて、物語だが、最初にさりげなく、テレビ版シリーズの流れを織り込みつつ、今回の物語に流れていく。

 どうやら、それまで雷門中サッカー部の監督だった、前シリーズの主役・円堂は、何らかの理由で雷門中サッカー部を離れていて、今は鬼道が監督をやっているらしい。

 鬼道の落ち着き振りは、「Zガンダム」でのアムロを髣髴とさせるような力の抜け具合だ^^;

 あんなに、破天荒なヤツだったのに・・・。

 さて、敵対するのは、悪の中学サッカー機構みたいな組織だ。

 その組織<フィフス・セクター>の策略で、テレビ本編のサッカー選手権<ホーリーロード>の途中で、雷門中サッカー部は遠征に出されてしまうのだ。

 シリーズの断片が示されているに過ぎないが、まあ、ジャンプ的なマンガのこれまでの定番の展開が体に染み付いている私は、すぐに頭の中で補完が出来る^^

 そして、遠征先の孤島では、サッカー強制収容所みたいな世界が広がっており、さて! と言うお話。

   ◇

 正直、シリーズ二作目にして、飽きる気配がチラホラする危うい作品であったが、今回は踏みとどまり、面白かった。

 初めてじっくり見る新メンバーだが、なかなか個性的だった。

 壁山みたいのもいるし、なんか坂本竜馬みたいな喋り方のチョンマゲもいるし、鬼道タイプのニヒルな男もいる。

 また、キャプテンをはじめ、可愛らしい顔の男の子もいっぱいいるので、私は、隣りの席に甥っ子が夢中で見ているのをよそに、

「こいつらが、実は女の子だったら・・・」などと考えつつ見たら、俄然、楽しくなった。

 元々、「イナズマイレブン」は、イメージか実存かあいまいと言うか、野暮なこと言うな! とばかりに、画面上に超能力のパワーの具現化イメージが炸裂していたのだが(例えば、「皇帝ペンギン」と言う技は、フィールド上をペンギンが板野サーカスのように飛び交う…)、

 今回は、開き直って「化身の力」と言う、力と技がモンスターとなって画面上を覆う。

 何か知らないが、敵はドラゴンを背後に出現させ、味方は甲冑の戦士を出現させ、その両者がガップリ四つになって闘うのだ。

 ・・・もはや、サッカーじゃねぇ・・・。

 敵のリーダー二人の「化身の力」は強大で、雷門中のメインの三人の「化身の力」を蹴散らしてしまう。

 しかも、更に、敵の二体の「化身の力」は合体し、更に強力なモンスターに!!!

 しかし、そこで、天馬が「そちらが並列なら、こっちは直列だぁ!」とか叫んで、

 味方三人で電車ごっこのようにつながり、三人の「化身の力」を合体させるのだった。

 私、その妙な理屈に、すげぇ笑った^^;

    ◇

 元々インフレしまくって、アイディアが枯渇しそうな、この作品でのアクション表現に、「このシリーズ、この先はどうするんだろう?」などと心配しているのだが、

 天馬の「サッカーは楽しくやるもんだ!」などの毎度の主張には素直に感動し、今回は満足し見終えた。

 ただ、幾らいまだ人気があるからといって、旧シリーズの主役たちを試合に駆り出すのは、作り手の未練たらたらで良くないなぁ・・・。

                                                    (2011/12/26)
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[森田芳光監督追悼再掲 <映画『わたし出すわ』を観た>]

2011-12-26 08:39:38 | 物語の感想
☆・・・まだまだ若かったが・・・。

   ◇   ◇   ◇

     <映画『わたし出すわ』を観た>(2009/10/31)

 久し振りに、森田芳光節を見たような気がした。

 森田監督は、本来、このような、掴みどころのない、不思議な、すっとぼけた味わいの作風だった。

 私は、彼が新進気鋭で現われた頃、映画に夢中になり始めた。

 だから、森田監督の初期の作品は大好きだ。

 『ときめきに死す』なんか素晴らしいが、もちろん『家族ゲーム』『それから』も捨て難い。

 こちらの投稿を読んでみてくれないか?

          [真夏の洗礼(旅は短くも不意に訪れる・・・)]

 これなど、私は、ずっと『の・ようなもの』の後半の道中を意識していた^^;

 ・・・それはさておき、『わたし出すわ』の作風に、

 私は、「森田・イズ・バック!」の思いを強くした。

   ◇

 主演は小雪である。

 私は、小雪に、どうしても女性的な魅力を感じられないで困っているのだが、その小雪が、東京から函館に帰ってきたマヤを演じる。

 マヤは、小雪らしい質素ないでたちながら、かつての同級生に会うと、その同級生の金銭的な問題に、「わたし出すわ」と大金を提供してくれるのだった。

 そんなマヤと、5人の同級生、それぞれの置かれている状況が平行して語られていく。

 マヤが何故に大金を持っているのか?

 それは謎なのだが、物語の終盤には次第に何となく分かってくる。

 だが、そんな物語の終盤に入ると、マヤの、かつての同級生から見た空白の日々などはどうでもよくなっていて、

 要は、マヤが淡々と故郷での「お礼参り」をしていくことによる函館の人間模様が主題として浮かんできている。

 堅実な路面電車運転手と、あまりにも俗だが可愛い妻。

 外界に飛び出て戦うよりも、勝手知ったる街でナンバー1に甘んじる女。

 ちょっとした権力指向の旦那を持つ(箱庭協会会長になりたい)、愛犬の死に涙を流す女。

 高校の頃から、陸上に専心し、卒業後も、郷土の企業の陸上部で走り続けている男。

 北海道の海を眺め、その魚類の特性を研究し続けている女好きな男。

 全く別個の道を進んでいる仲間が、函館と言う街を多角的に見せてくれる。

 また、物語の枝葉には、なぜか「ワールド・ワイド」なスパイスが効いてもいる。

 主人公の台詞は少なく、そこには静かな空気が流れている。

 そのゆったりとした時間の流れを醸す映像には、なぜか、清潔感のある幾何学模様的な直線が意識させられる。

 マヤの部屋や、マヤの母親の病室などにそれが顕著である。

 それで、画面にはアクションがなくとも、何とも惹きつけられるのだった。

   ◇

 マヤの「お礼」は、かつての同級生たちの取るに足らない一言に由来していた。

 美人だが、おそらく引っ込み思案で、謙虚だったマヤは、その相手が、自分に向けてくれた言葉など覚えていないと思っていた。

 しかし、その相手は、ちゃんと覚えているのだった。

 マヤの頬は、感動で紅潮するのだった。

   ◇

 引越し屋さんのエピソードや、寝たきりで意識不明だった母親のエピソードも、エンディングで、静かに着実な感動を与えてくれる。

 なんか不思議なテンポの作品であるが、非常に面白かった。

 ・・・ただ、何やら作中で暗躍していた中村トオルが、

 ラストシーン、母親の車椅子を押すマヤを、遠くから見つめているのが物語的に不相応な気がした。

                                     (2009/10/31)

   ◇   ◇   ◇

 テレビでお葬式の風景を見ていたら、こうして再掲したくなった。

 ご冥福をお祈りします。

                                                       (2011/12/25)
コメント (2)
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