沖縄民謡界の大御所 『知名定男』さんが先日引退されました。
琉球フェスで 一度拝見したことがありますが
お祭り騒ぎの演目の続く中で
ひとり凛とした佇まいで とつとつと唄う姿に
(なんて誠実な人なんだろう。)
と 思ったことをよく覚えています。
その知名さんが先日の公演で 声が出ず
他の唄者の方に助けられ 悔し涙を流したそうです。
唄者にとって いつかこういう日が来ることは
もちろん誰もが覚悟のうえのことなのでしょうが・・・。
その日が近いことを悟りつつも
誰にもそれを言わず ひとり耐え忍ぶ日々は
どんなにか辛く苦しい日々だったことでしょう。
公演の最後に 知名さんはこう話されたそうです。
「助けられてありがたい。
(でも)お客さんは 納得しないだろう。 悔しい。」
知名さんの唄者としての引退はとても残念ですが
これからは 新しい形で 沖縄音楽にますます
関わっていかれることでしょう。
本当に長い間お疲れ様でした。