「今年の恵方は南南東やねんね、位置を確認してな」残業から帰ったばかりの娘に言った。
スマホにコンパスのアプリ入れているが(私がなんでもやってはね)今年の方角は、165度あたりらしい。
節分・・母がやっていたように、結婚してから欠かせない行事である。
3人の子供たち、所帯を持ち人数がどんどん増え・・一升のお米で20本と言うのが定番となっていた。
長男家族が鹿児島へ行ったのに同じように作っている。 2人暮らしの時、ご近所の高齢の1人暮らしの方にも
2本づつ。 夫は会社の方にも、長女の所にも次の日のお弁当用にとお持ち帰り。
何よりも夫は昔から朝昼晩でも食べられる巻き寿司が大好物、うまいうまいの福顔になるのだ。
1升がもう頭にこびりついている。 ボケるのも甚だしい、1人暮らしの方は息子さんが持ってきてくれる事に
なったとか、娘さん夫婦と同居になったからもういいよ、嬉しい報告を頂いたのに。
えらいこっちゃである、巻き寿司12本、若ものや孫の為にサラダ巻き5本、トロ鉄火5本。
夕食が丸かぶりだけではないので、夫以外は、初めてハーフにした。 包丁入れたら縁起が悪いとか言うが。
持病ある高齢者2人、お正月のお雑煮同様、恵方巻き丸かぶりで救急搬送なんてね、その方が問題。
「はい、3階へ上がる階段の辺りが南南東・・願い事しながら、黙って丸かぶり」仕切ろうとする私。
シーンとした瞬間、「干ぴょうぬいていい?」下の孫が小さい声で言う。 黙って・・を気にするのが面白い。
丸かぶりの後は思い思いに食べた。 昨日夜旅先から帰り、ちょっとバタバタの1日だった。
「今年は買ったらどうや」朝夫が言ってくれたが、「4、500円から1700円位まであるねんよ」「巻く巻く」
「何で20本?」と千葉の妹に言われたのに、1升しか頭になかった私、一升に失笑
3人分3本買うと言っていた妹も、感化されたのか頑張って作ったようだ。 うん、手作りいいね。
いつも鬼の面に、豆まきが恒例だが、今時豆巻きは近所迷惑、コロナ禍もあり部屋で巻いていたが今年は無し。
鰯はヒイラギに刺してベランダの鉄柱に張り付けた。 以前は玄関横近所の猫さん、ジャンプで食べてた。
孫達にまたうんちくを語る。「年の数に1つ足して、満年齢やね」 みんなで必死に数を数える、
「黙っといて」数えながら娘が言う。「じいじ数えてあげる74個?」 「食べるの大変やね高齢者」
母が欠かさなかった年中行事には、みんなで顔を合わせて同じものを食べて笑顔にする魔法の時間。
「家族の和が大事」いつもそう口にしながら、それを自分の生き甲斐のように生きてきた母、思えば有難かった。
賑やかな夜だった。 みんなが大きなことにならないように・・穏やかな1年でありますように。 特に夫には。
なんとなんと 巻き寿司しか頭になく1枚も写真撮ってない 豆と巻き寿司は昨年の画像である。
カーテンの隙間から・・もうすぐ満月かな・・白いまーるい月が見えた。