田舎の親友からみかんが届いた。
「みてくれは悪いけど、無農薬じゃけえお孫さんに食べさせてあげんさい」
「ありがとう、これは誰にもあげんね」 今年はみかんの出来が良くなくて、少ないそうである。
けれど彼女から届くみかんの味はどこよりも糖度が多いのである。 何十年も送って来てくれている。
父の親元の家の、叔母からもみかんが届いた。
8年前に叔父が、そして3年前に私のひとつ年上の息子さんが亡くなり、広い家にぽつんと一人住まい。
帰省した時は必ず寄せてもらい、お線香をあげさせて頂く。
そして必ず子供たちもみんな、叔母の年季の入ったお手前でお抹茶を頂くのである。
叔母とは子供の頃から親しくさせていただいていた。
実家の父が早くに亡くなり母をお願いします・・と、そんな気持ちも重なりいっそう親しさを増した。
みかんの中に、レモンやキウイやレモンの飲み物、お取り寄せのおいしいすり胡麻など、
まるで母から届いたような中味だった。 葉つきの小さいおみかんはお鏡にのせよう。
叔母は電話するといつも涙ぐんでいるようで、声も少ししんどそうになってきた。
けれど「生きとったら楽しいこともいっぱいあるけえね、お父さんや息子の分まで長生きするよ。
お正月楽しみにしとるよ」最後は明るく言って下さる。 (叔母さんがんばってよ!)と私も必ず言う。
今日は一日中年賀状書き。