四季をとおして多彩な色模様を織りなす箕面の自然とともに、受け継がれてきたくらしの中の習俗や、時代とともに形を変えて伝わる行事にまつわる道具や美術品を展示する「箕面の四季と行事」が、4月15日(金曜日)から7月13日(水曜日)まで、箕面市立郷土資料館(箕面6-3-1)で開催しています。
会場には、箕面の春夏秋冬をテーマに、日本画の掛け軸や、季節の節目に執り行う行事を紹介する写真パネル、くらしにまつわる道具など約100点が展示され、箕面のくらしや文化などを知ることができます。
日本画の掛け軸では、「四条派」の画家・久保田桃水(くぼたとうすい)の箕面の滝を題材に描いたとされる『箕面山緑陰図』や、その師である西山芳園(にしやまほうえん)などの掛け軸5点が展示されています。「四条派」とは松村呉春(まつむらごしゅん)が祖といわれており、江戸時代後期に栄えた画派で、門人の多くが京都の四条に住んでいたことからそう呼ばれています。掛け軸には、勢いよく流れ落ちる箕面大滝に色を添えているもみじが鮮やかに描かれています。
また、時代とともに形を変えながら地域に伝わる行事や風習について、道具やパネルなどとともに展示されています。
白島地区などで、お盆の迎え火で先祖の精霊を迎える行事として始められた「まんどろ」の様子も、写真パネルで展示されています。「まんどろ」は、毎年8月14日に、こども会で最年長の子どもが地域の愛宕山に登り火をもらい、日が暮れた頃、「ま~んど~ろ、火い~ともせ!け~や~せ~、も~や~せ!」という子ども達のかけ声とともに、たいまつの火を運び、地区内をまわります。一時途絶えていた時期もありましたが、豊作祈願の行事として今に続いている行事です。
止々呂美地区に古くから伝わる収穫を祝う農村行事のひとつ、「亥の子」にまつわる展示では、行事に参加する子ども達の様子が紹介されています。「亥の子」は、地域の子ども達が、11月の最初の亥の日に、「亥の子槌」と呼ばれる藁で作った棒で、豊作の願いを込めて地面を打ちたたきながら近所の家を練り歩く行事です。会場では、藁で作られた「亥の子槌」や、子ども達が近所の家を訪れる際にお菓子をもらう様子が紹介されており、まるで日本版のハロウィンのように地域の子ども達に親しまれてきた行事です。
また、明治11年に箕面市の教学寺で生まれた三島海雲が生みの親である乳酸菌飲料「カルピス」は、大正8年7月7日の七夕に誕生しました。発売当初の復刻版の瓶や、朝顔型のデザインが印象的なグラスが展示されており、懐かしいデザインに触れるまたとない機会です。
同資料館学芸員の林 和枝(はやし かずえ)さんは、「今回の企画展ポスターは、今年の1月にインターンシップとして郷土資料館に来られた箕面東高校の生徒さんが、デザインを制作してくれました。また、展示されている掛け軸や、かつての箕面動物園や箕面公園を紹介する懐かしいデザインのパンフレット、農機具なども市民の方々の寄贈によって展示することができました。亥の子槌やお月見のお団子などの制作も含め、沢山の方々の郷土愛によってみんなで作り上げた企画展となっております。是非多くの方々にご覧いただきたいと思います。」と話していました。
来館した女性のかたは、独活(うど)大王の手紙の掛け軸を見て、「美しい文字に見入っていました。箕面の四季とともに受けて継がれてきた行事を知ることができて、とてもよかったです。」と話していました。
■企画展「箕面の四季と行事」
・開催期間 4月15日(金曜日)から7月13日(水曜日)まで
※休館日:毎週木曜日
・開館時間 午前10時から午後5時まで
・開催場所 郷土資料館(箕面6-3-1、みのおサンプラザ1号館地下1階)
・問合せ 電話:072-723-2235、FAX:072-724-9694
・入場料 無料
<モミジーヌも見に行きたいモミ!
箕面市では、2月1日から4月30日まで、統一キャンペーン「子どものSOSサインに1つでも気づいたら迷わずにお電話を!」を行っています