平成27年5月27日(水曜日)、箕面市立とどろみの森学園(箕面市立止々呂美小・中学校)5年生58名が田植えを体験しました。
箕面市北部の止々呂美地区は、地域中央部を流れる余野川沿いを中心にきれいな棚田が広がっています。
田植えを指導してくださるのは、箕面市農業経営者連絡協議会 止々呂美農研部会の尾上喜治さん、和田賢一さん、脇田有二さん、中上忠彦さんの4人の農家さんです。
先ず、中上忠彦さんから説明です。
「田植えする苗(なえ)は、種もみを蒔(ま)いて発芽させます。種もみから芽や根がでて植える苗の状態(10数㎝ほど)に育つには約1ヶ月かかります。今日植える苗は、4月10日に種を蒔いたものです。種から根が出て、葉っぱが出て、今日の状態になりました。」
「親指と人差し指で苗をつかみ、泥(どろ)の中に深さ2~3センチつきさします。指先で泥に押し込むように。失敗してヒョロヒョロとなったら、泥を寄せてしっかり植えてあげてください。」
説明のあと裸足になり、いよいよ田んぼへむかいます。
農家さんから一人一人に苗が配られます。
「前見て、右見て、左見て、横と25センチぐらいの間隔となるように、植える場所を確認して丁寧に植えてよ!」
「はい。」
いよいよ田んぼへ突入です。
「うわ!つめたい!」「気持ちいい!」
泥だらけになりながらも、自然と笑顔がこぼれます。
「このくらいの間隔でいいのかな?」
「あれ? 曲がってないかな?」
なれてくると作業が楽しくなるんだよねー。
「苗が余ったからといって、密集になるぐらい植えたらあかんよ。土の栄養分は限りがあるので、たくさん苗を植えても育たないよ。」
止々呂美の山麓からのきれいな水が張られ、澄みきった田んぼにみんなの姿が映し出されます。
初夏の日差しに温められた田んぼは、プランクトンが豊富で生きものもたくさんいます。静かで空気もきれいだし、生きものたちがすむには最高の環境です。これから、田植えが終わった田んぼには、メダカやトノサマガエルが産卵にきます。
田んぼの上をわたる風は涼しく、コンクリートのビルが建ち並ぶ町中とは違います。
無事に田植えは終了しました。
なかなかの・・・できばえかな?
田んぼの横の水路で足を洗います。
「これはこれでたのしいなー」
コメの品種はキヌヒカリです。種から約5ヶ月後、9月20日頃に秋の刈り入れ(収穫)ができます。
最後に中上さんから、これからの説明がありました。
「算数は5+5=10ですが、お米は、5+5は、11や12になったり、あるいは8や9の場合もあります。なぜか分かりますか?」
「答えは、自然に影響されるからです。長梅雨など日照不足になると気温が下がる(冷夏)、大風や日照りもあると、思っていなかった害虫やイネの病気が発生します。皆さんも身体の調子悪い日がありますね。お米も同じです。大切に育てたイネがお米になって、みんなの家や給食に届くまでは簡単じゃないんですよ。」
・・・体験とともに、しっかり学んでくれたかな?
今日は一日お疲れ様でした。
終了後、指導してくださった和田賢一さんは、
「昭和30年頃は、止々呂美小学校には『農繁(のうはん)休暇』が3日あった。地元の子どもも家族みんなで田植えをしたもんです。今は田植え機を使って大人が一人で田植えをする。子どもが経験することもなくなったなあ。」
子どもの体験風景を見ながら、農家さんも昔を懐かしんでおられました。
<収穫が楽しみだモミ~