戦時中に使用されていた生活道具や当時の様子がわかる写真パネル、青春時代に戦争を体験し、生涯にわたって子どもを描き続けた画家いわさきちひろの平和パネルを展示する企画展「戦時生活資料展」が、令和3年7月30日(金曜日)から9月15日(水曜日)まで、箕面市立郷土資料館で開催されています。
『平和を願う気持ち』はあらゆる世代が共有するものと考え、郷土資料館では、平成元年(1989年)から戦時生活資料展を開催しており、今年が32回目となります。
展示資料の多くは市民の方から寄贈されたもので、戦時中に実際に使われていた資料です。また、今回初めて、いわさきちひろの平和パネルを展示することとなりました。
いわさきちひろは、「バラと少女」や「王子を想う人形姫」など美しく清らかな色彩に満ち、巧みな描写力に裏付けられたやさしさにあふれた作品を描きました。一方で、第二次世界大戦において、子どもたちの夢や希望、生命をも奪う、戦争の悲惨さや残虐さを目の当たりにする経験をしています。かけがえのない命や平和の大切さ、それを守りたいという切実な思いを抱きながら、力強く生き抜いた55年の生涯で残した作品は、没後約半世紀を経た現在でも色あせることはありません。
今回の企画展では、そのいわさきちひろの平和パネル10点や複製画1点、絵本・ポストカードなど7点を展示しています。
展示されている絵本のうち、「戦火のなかの子どもたち」と「わたしがちいさかったときに」の2冊から絵や文章を抜粋したものを平和パネルとして展示しています。「わたしがちいさかったときに」は、1945年8月6日の原子爆弾投下により被爆した広島の子どもたちが体験を綴った詩や作品に、いわさきちひろが絵をつけた作品です。パネルでは、いわさきちひろの繊細な絵に、子どもたちが被爆時に実際に見て感じたままの様子が描かれた文章が添えられており、戦争の生々しさや恐ろしさに心が突き動かされます。
戦時中の写真パネルは、戦車のおもちゃで遊ぶ赤ちゃんや、箱を戦艦に見立て、その中で銃を構えて遊んでいる幼稚園児の様子が写されており、戦争が子どもの生活に大きな影響を与えていることがわかります。また、戦争の長期化により武器製作用の金属が不足したことから、金属供出のため、陶器製のボタンがつけられた国民服や陶器の湯たんぽなど、金属が使われていない生活用品も展示されています。
本企画を担当した同資料館の林和枝(はやしかずえ)学芸員は、「今年で終戦から76年になりますが、今も世界のどこかで戦争や紛争が繰り返されています。多くの子どもたちが傷つく戦争がなくなり、平和な世の中になるように祈りの気持ちを込めて展示しています。」と話しました。
また、同資料館では、8月25日(水曜日)まで、箕面市出身でカルピスの産みの親である三島海雲と堺市出身で歌人の与謝野晶子の2人をつなぐ貴重な資料を展示する企画展「三島海雲と与謝野晶子」を同時開催しています。
●企画展「戦時生活資料展」(開催中)
【期間】~9月15日(水曜日)まで ※毎週木曜日休館
【時間】午前10時~午後5時
【場所】郷土資料館(箕面6-3-1、みのおサンプラザ1号館地下1階)
【問い合わせ】電話:072-723-2235 FAX:072-724-9694
【費用】無料
●企画展コーナー展示「三島海雲と与謝野晶子」(開催中)
【期間】~8月25日(水曜日)まで
※時間、場所、費用については「戦時生活資料展」と同じです。
※緊急事態宣言発出に伴い、上記企画展を中止する場合がありますので、あらかじめご了承下さい。
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