2月21日(木曜日)、箕面市北部の止々呂美では、とどろみの森学園6年生と7年生(2学年)総勢119名が、伝統の炭焼きを体験されました。
近くの里山から伐り出したクヌギなどが炭の原料となります。
箕面の止々呂美をはじめ猪名川流域の里山では、良質なクヌギ材を使って伝統的な炭窯で ”菊炭”が生産されていました。
1月末から原木の材料づくりを始めて、2月1日に窯温め初め、7日に窯入れ点火、炭焼き窯でおよそ2昼夜をかけて焼き、徐々に空気の入りをおさえ、煙が青白い色に変わるなどタイミングを見計らって空気の出入り口(窯口)をふさいで、蒸し焼きにして完成させます。
そして、この日は待ちに待った窯出し(かまだし)です。
体験をお世話いただいたのは、炭焼き農家として伝統を受け継がれる中上忠彦さん。
中上さんの指導のもと、窯口をふさいでいたブロックを取り除いていくと、人がひとり潜り込める入り口がポッカリ。
窯口から覗くと、直径2m、高さ1.5mぐらいのドームで3~4人ほどは入れるようなスペースとなっています。
マスクをした子どもたちが、炭を運び出すために窯の中に順番に入っていきます。
「窯の中はどうなってた?」
「真っ暗で、入り口からの光しかない。でも意外と広い、中腰で立ち上がれる。」
(窯の中の様子です、真っ暗のなかに炭が光ります!)
窯の中に入っている友達から、外で待っている友達に順番に炭が手渡しでリレーされていきます。
次から次に窯の中から現れる炭は、超絶技巧。
焼きものならではの自由度もあり、華麗なできばえの炭に笑顔がこぼれます。
クヌギを原木とした黒炭で、極上の切り炭として、かって池田に集積され各地に出荷されたため「池田炭」とも呼ばれます。
(止々呂美ふるさと自然館(スノーピーク)やJA大阪北部農産物直売所では、観賞用など多彩な形で販売もされています)
炭焼きに使う木は、樹齢10年から20年のクヌギやコナラを伐採しますが、これらは何度切っても再生される天然林です。
伐採後の切り株からは、また”新しい芽”が再生され、8年ぐらいで炭に適した太さに成長していきます。森の循環を支える取組みでもあります。
それぞれの土地や文化が持つ歴史に思いを馳せて、ずーと「このまま残したいもの」もあり、人がいて変わらずに紡がれているものがあります。
かつては地区内に多くの炭焼き農家がありましたが、数年前からは体験をお世話いただいている中上忠彦さんを含め数戸だけになっています。
今年も体験学習の機会をありがとうございました。