みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

夜の歌舞伎座

2010年05月07日 | 歌舞伎
 早いもので、歌舞伎座閉場式から一週間が経ちました。お友達に、写真集作れば?と言われるくらいたくさん撮ってしまいましたが(^^;。さすがにそれは無理なので、こちらで小出しにしていきます・・・。

 私が見たのが夜の部で、19時には終わりましたが、お食事をしていたりして、なんだかんだで21時過ぎまで歌舞伎座近くに居つづけていました。夜の歌舞伎座は、昼とはまた違った存在感があります。



 夜の部がはねて、正面玄関から出ると、向かいのビルに映る歌舞伎座が目に飛び込んできます。ちょっとこのときはポジションが悪くて(?)あまり歌舞伎座っぽく見えないけど、とりあえず、この目線で見る風景もこれが最後っていうことで。




 晴海通り、もう少し銀座寄りから・・・。銀座の街に異質なようでいて、実はしっくりと景色になじんでいる歌舞伎座・・・。3年後はここから見る景色もどうなるのかなぁ・・・銀座という街自体、来る度にどこかしら変化していて、ついていくのが大変ですが(笑)やっぱり好きな街です。(歌舞伎座以外でもね♪)

 さて、本日、フジテレビ系で中村屋さん一家のドキュメントがありました。勘太郎クンの結婚、歌舞伎座での最後の興行のことなど・・・。小山三さんのことはかなりウルウルきちゃいました。それにしても前田愛ちゃんかわいいですわ♪歌舞伎座ロビーでは女優さんをやっている奥様方(または娘さんたち)をお見かけできるのも楽しみの一つですが(笑)、いつか愛ちゃんを見ることができるのかなー?(ミーハー^^;)
 ま、それはともかく、やっぱり歌舞伎座という場所は役者さんたちにとって特別な場所なんだなと改めて思いました。

 では、また今後も、私目線の私の好きな歌舞伎座シリーズ(勝手に命名^^;)は続く・・・かもしれません(笑)

歌舞伎座閉場式

2010年05月01日 | 歌舞伎
 こちらの記事にも書きましたが、現歌舞伎座で行われた最後の公演である、歌舞伎座閉場式を4階幕見席(当日はもちろん自由席ではなく指定席)で、観劇しました。(この場合観劇というのかは分かりませんが^^;)


 通常の興行で絵看板が飾られるスペースには、絵ではなく、当日のプログラムが。

 いつもとは違う熱気に包まれた歌舞伎座の幕が開くと、まずは松竹株式会社会長のご挨拶が。普段とは違う“式典”といった感じです。続いて、舞踊二題の上演がありました。

『都風流』
 長唄の舞踊です。主な立役の役者さんたちが勢ぞろい!!大好きな仁左衛門さん、吉右衛門さん、菊五郎さん、勘三郎さん、幸四郎さん、梅玉さん、三津五郎さん、そして團十郎さんたちが扮装なし、紋付袴で踊る素踊りです。普通の興行ではありえないすごい顔ぶれを見ただけでもうお腹一杯状態(笑)
 感想はただひたすら・・仁左さま素敵♪三津五郎さんはやっぱり踊りがお上手!などと思うだけ(笑)もう豪華すぎて・・・思考停止状態(笑)

『京鹿子娘道成寺』
 これまでいろいろなバージョンを含めて何度も見てきた、これぞ歌舞伎舞踊といった娘道成寺。配役表を見ると、白拍子花子が何人もいる・・・(笑)どうなるんだろう?と思いましたが、これも綺麗どころの女形ばかりの道成寺で、とても濃い舞台でした。メモをしていないので、どこか間違っているところがあるかもしれませんが・・・・。
 花子さんたちを踊るのは、玉三郎さん、福助さん、魁春さん、芝雀さん、時蔵さんたち。玉三郎さんがメインな構成でした。

 まず、道行は福助さんが花道に登場。はあ、綺麗・・・と思ったら、「二人娘道成寺」の時のように、スッポンから玉三郎さんが登場。ああ、これだけでも、もう豪華すぎるよ!!と思いました。最後に、私が歌舞伎に興味を持つきっかけとなった玉三郎さんの花子を歌舞伎座で見ることのできる喜びを噛みしめながら、遠く4階席からオペラグラスで見つめる・・・。本舞台での坊主との問答は再び福助さんのみ。福助さんが烏帽子を受け取りいったん引っ込み、紅白の幕が開くと、烏帽子をつけた時蔵さんの花子が登場。
 このように、それぞれの見せ場を最初は一人や二人で踊っていても、途中で玉三郎さんたちが登場したり、逆に玉三郎さんのみの踊りに後から福助さんが登場したり・・・というように、華やかなというか豪華すぎる道成寺でした。
 最後は、玉三郎さんと魁春さんが鐘に上り、芝雀さん、福助さん、時蔵さんも鐘の側に寄り添うというか、蛇体のようになり幕。
 あまりにも豪華すぎる娘道成寺は、まさに歌舞伎座の最後にふさわしかったです。

『口上』
 芝翫さんを中心に、坂田藤十郎さん、富十郎さんの三人の人間国宝たちが歌舞伎座閉場に関しての口上を述べられました。私たち歌舞伎ファンとはまた違った思いいれを持っている役者さんたち・・・。「うれしいような、さみしいような気持ち」というようなことをおっしゃった芝翫さん・・・・。藤十郎さんも、富十郎さんたちも、思い出がたくさん詰まっているんですよね。私も彼らの舞台を何度も見ていますが、役者さんにとっての特別の場所。感極まっている姿を見ると、こちらもぐっと胸にくるものがありました・・・。


 この後は45分休憩。これまでの歌舞伎の映像が流れていました。今は亡き役者さんにかかる掛け声もまた感動ものですね。私は映像も少し見ていましたが、幕見からいったん外に出て、表玄関から入場し、歌舞伎座の中ともお別れしていました。
 ロビーには奥様たちも大勢いらしていて、とても華やかでした!!音羽屋さんの舞台は結構観ているのですが、意外や意外に初めて富司純子さんをお見かけしましたが、凄く綺麗で素敵でした!!


『歌舞伎座手締式』

 幕が開くと、もうびっくり!!!5段くらいの緋毛氈のひな壇に黒紋付袴姿の役者さんがズラッと並んでいます。雀右衛門さんはいらっしゃいませんでしたが・・・、病気療養中で現在は舞台に立っていらっしゃらない猿之助さんは車椅子で・・・そして澤村藤十郎さんのお姿も・・・。とにかく壇上は豪華すぎて、オペラグラスで一人一人のお顔を見つけたりするだけで精一杯。
 一人一人の細かい表情は追えませんでしたが、目を真っ赤にしている人もいました。彼らにとっては、子供のころから過ごしてきた場所であるし、特別な場所ですよね。見ているこちらもウルウルしてしまいました。
 芝翫さんのご挨拶に続き、藤十郎さんの音頭で場内全員で手締めとなりました。

 歌舞伎らしく、カーテンコールなんてなく、あっさり終わった閉場式。でも、これはこれで歌舞伎らしい終わり方・・・。名残惜しいけれど、これから3年・・・ではなく2年と11ヶ月後にまた新しく生まれ変った歌舞伎座が、役者さんにとっても、歌舞伎ファンにとっても、すばらしい空間になるような芝居小屋になることを祈っています。

 
 この日の筋書(パンフレット)とチケットホルダー。筋書は、当日のプログラムはもちろん記載されていますが、歌舞伎座の歴史、さよなら公演のデータ、歌舞伎座で活躍した名優たち、役者さんの写真が掲載されていました。





 この日のためのチケットホルダーを開くと、中も歌舞伎座の写真が!!豪華すぎます。これは宝物にします。そして、歌舞伎座閉場式という歴史の一部に役者さんや他の歌舞伎ファンの方達と共有できたことは、本当に光栄であります!
 さて、気が早いですが、閉場式の次は、新しい歌舞伎座のこけら落としを楽しみに2年11ヶ月間待ちましょうか。

 そして、本当に「ありがとう」

さようなら!そして、ありがとう!歌舞伎座!!!

2010年05月01日 | 歌舞伎
 4月30日をもって、戦後開場された第4期歌舞伎座が建替えの為に閉場となりました。日付が変わってしまいましたが、今日行われた閉場式には、友人夫妻のご好意で夜の部を観劇することができました。歌舞伎座閉場式の記事は後日記事にいたしますので、取り急ぎご報告のみこちらでさせていただきます。

 GWが始まったばかりの銀座はいつにもまして人が多かったですが、歌舞伎座前は人、人、人!!!!報道陣、歌舞伎ファンたちでたくさん!!歌舞伎座前も、通りの向こうにもカメラを持った人たちが最後の別れを惜しんでいます。私もその一人。歌舞伎座内外の写真を、写真集ができるくらい撮ってしまいました。全部は無理ですが、ごく一部を、今後何回かに分けてご紹介するつもりです。



 歌舞伎座さよなら公演のカウントダウン時計は、いよいよ最後の「1日」を表示しています。本当に最後なんだ・・・。



 終演後、最後のお客さん全員を送り出した歌舞伎座正面玄関の扉が閉まった瞬間・・・・。その前に、最後の姿を見届けるファンの前に歌舞伎座の支配人さんが挨拶に来てくださいました。



 学生時代に歌舞伎ファンになってから、約10年間通いました。まさに、私の青春と言っても過言ではありませんし、今の私はありません。歌舞伎に出会わなければ、お能にも興味を持たなかったし、今お稽古している鼓もやっていなかったでしょう。初めて歌舞伎座を訪れたときのこと、歌舞伎が好きなおばあちゃんや、まだ元気だった頃の祖父と一緒にお芝居を見に行ったこと。役者さんの美しさにうっとりしたこと。笑ったり、涙したこと・・・。数々の役者さんたちの襲名公演など節目の舞台に立ち会ったこと。もう今では会うことのできない役者さんたちのこと。素敵な思い出がたくさんたくさん詰まっている歌舞伎座・・・。新しく生まれ変わるのももちろん楽しみなのですが・・・やはりこの建物で、この空間でお芝居を楽しむことができるのも今日が最後だと思うと、いろいろな思い出が甦り、涙が出てきてしまいました。
 きっと役者さんたちはもっともっといろいろな思い出があるのでしょうね。一人一人の思いがたくさん詰まった歌舞伎座。他の劇場とは違う空気、存在感、そして歴史の重み・・・。そして何よりも人情があって、温かみのある芝居小屋でした。その歴史の一部を、役者さん全員、他の歌舞伎ファンの方たちと皆で見届けることができたことは、本当に光栄なことです。今回は震災や戦災での焼失ではなく、ちゃんとしたお別れですもんね。
 といっても、やはり今はとても寂しくて仕方ありません。家に帰って、これを書きながら、涙ぐむなんて、他人から見たらバカにしか映らないかもしれませんけど・・・。でも、歌舞伎座の内外の写真を撮りながら、やはりこれは建替えが必要・・・とも思いましたし、これから歌舞伎を続けていくために、そして、さらに発展させるためにはしなくてはいけないこと。そうは頭で理解していても、やはり名残惜しい・・・・。


 歌舞伎座の前からなかなか離れることができなかったけれど、最後に、ちゃんとお礼を言うことができました。


 ありがとう!歌舞伎座!!

歌舞伎座さよなら公演 二月大歌舞伎夜の部

2010年02月27日 | 歌舞伎
 『籠釣瓶~』は別記事にアップしましたので、その他2演目の感想を・・・。画像は二月公演時に場内に飾られる恒例の地口行灯。

一、『壺坂霊験記』
 有名なお話で、物語は知っているのに・・・初見でした。目が見えない沢市を三津五郎さん、その女房を福助さんが演じます。ほとんど二人だけの舞台で、観劇前に銀座をぶらぶら歩きすぎたので疲れてしまい、意識が・・・になってしまったところもありました(^^;
 でも三津五郎さんはこういう役がぴったりですし、福助さんの甲斐甲斐しい女房もとてもぴったりでした!

二、『高杯』
 六世菊五郎がタップダンスをヒントに創作した舞踊です。次郎冠者(勘三郎)が主人に高杯を買って来いといわれたのに、騙されて高足(下駄)を買わされて・・・というこの手の太郎・次郎冠者が出てくる舞踊劇ではよくあるお話です。
 こういう狂言っぽいお話も面白いのですが、なんといっても見所は下駄タップダンス!高い下駄を履いてのリズミカルで楽しい舞踊です。この日(24日)はオリンピックで女子フィギュアスケートが行われていた日でもあったので、フィギュアの真似をしていました(笑)踊りながら一瞬ですけどね。以前より勘三郎さん(あるいは息子の勘太郎さん)と浅田真央ちゃんは似ている!と思っていたので・・・・意識しているのかな?と思うと笑っちゃいました。


 ということで、短い感想になってしまいましたが・・・。今の歌舞伎座でのお芝居を見ることができるのもあとわずか・・・。いつも以上にこの観劇の時間がとても貴重で、そして思い出に残るものになりました。

歌舞伎座さよなら公演 二月大歌舞伎 『籠釣瓶花街酔醒』

2010年02月26日 | 歌舞伎
 24日、歌舞伎座さよなら公演二月大歌舞伎夜の部の公演を観劇しました。勘三郎襲名時にもほぼ同じ配役で見ている『籠釣瓶花街酔醒』ですが、この日の一番のお目当てもこれ。観劇後は、もうこれさえ見れば私的には今の歌舞伎座で見るのが歌舞伎を見るのが最後でも悔いはないくらいの気持ちになりました。まずは『籠釣瓶~』の記事のみ先にアップしようと思います。

【あらすじ】こちらから引用させていただきました。
上州佐野の絹商人、佐野次郎左衛門(勘三郎)は下男の治六(勘太郎)と共に桜の咲き誇る吉原仲之町へやってきます。白倉屋万八(家橘)に安く遊ばせると騙された二人は、立花屋長兵衛(我當)に助けられて帰ろうとしますが、次郎左衛門は兵庫屋八ツ橋(玉三郎)の花魁道中を見て魂を奪われます。
八ツ橋の元へと通うようになった次郎左衛門。八ツ橋の親代わりである釣鐘権八(彌十郎)は良い金蔓が出来たと、立花屋のおきつ(秀太郎)を通して度々金策を頼みます。しかし、ついにおきつに金策を断られると、権八は八ツ橋の間夫の繁山栄之丞(仁左衛門)を焚き付けます。そして、栄之丞は八ツ橋に次郎左衛門との縁切りを迫るのでした。一方何も知らない次郎左衛門は八ツ橋を身請けするつもりで、同業の丹兵衛(市蔵)、丈助(亀蔵)と吉原へやってきて、兵庫屋の花魁の九重(魁春)、七越(七之助)、初菊(鶴松)らを座敷に呼んで楽しく八ツ橋が来るのを待っています。そこへ現れた八ツ橋に突然、愛想づかしをされた次郎左衛門は万座で恥をかかされ、うちひしがれて宿へと帰っていきますが、四ヶ月後再び吉原に現れ......。



 はっきり言ってこれぞ玉三郎!そして勘三郎!という最高の舞台でした。客電を落として場内が真っ暗に。そして幕が開くと舞台は桜が満開の江戸吉原。きらびやかな花魁道中にはうっとりしてしまいます。特に玉三郎さんの八ツ橋が出てくると、客席からため息が・・・舞台の上の次郎左衛門でなくても、心奪われてしまうくらいの美しさ。着物なども豪華絢爛なのにも目を奪われるのですが、その豪奢な衣装に負けない見た目が美しいだけでない真の美しさが玉三郎さんにはあると思います。そういう存在感がないとこの役は務まらないでしょう。そしてあの微笑は・・・やっぱりこの世のものではないですね~・・・言葉になりません・・・。
 勘三郎さんも顔が疱瘡の跡のあばただらけで、田舎者だけど、人がよさそうな純粋な男性というのがうまいな~・・・・。初見の時もそう思ったし、同じような感想を書きましたが、純粋だからこそ、八ツ橋に本気惚れしてしまって、遊びでなく、本気で入れあげてしまう。お金を持っているし、人も良いから、廓の人たちもちやほやして・・・。あのようなひどい仕打ちをされてしまうのが、本当にあわれで・・・。他の方法もあるんじゃない?と思ってしまうけれど、八ツ橋は彼女なりの理由があって・・・。その理由である栄之丞は、冷静に考えなくても、とんでもない男ですが、八ツ橋がこんなことをしてしまったというかさえてしまうといっても悪人ではない栄之丞を、男前の仁左さまが演じるので・・・仁左さま贔屓としては「仕方ない!」としか言いようがないのですね(苦笑)
 八ツ橋の気持ちも、次郎左衛門の気持ちもよく分かるので、見ているこちらとしては辛いのです・・・。そして、縁切り後に再会する二人。あのようなことをしたので顔を合わせたくないという八ツ橋に「前のように・・・」と酌をする次郎左衛門ですが、それは「この世の別れの杯」と言い、恨みを述べて、持参した妖刀籠釣瓶で八ツ橋を斬り殺してしまいます・・・。斬られて、後ろ向きに海老反りになりながら倒れる八ツ橋は最後まで美しかった・・・。

 こういう普通の映画とかだったら絶対にうっとりなんてしない残虐な殺しな場面さえも、美しく見せてしまうのが歌舞伎の魅力の一つであると思うのですが、この場面もまさに見所の一つでしょう・・・。最初の場面の表情とは全く違う、狂気に満ちた次郎左衛門の表情がとっても印象的でした。

 物語としては、救いがない終わり方なのだけれども、なんといいますか・・・すばらしい役者さんたちのすばらしい演技だからこそ引き込まれてしまう物語なんだと思います。花魁道中の客席のざわめきも、最後の場面で八ツ橋が倒れるところではシーンとしている客席も含めて・・・この歌舞伎座という空間でこのお芝居を見ることができたことを、自分の宝物にしようと思います。

 夜の部の他の演目のレポについてはまた後日アップします。

芸術祭十月大歌舞伎昼の部 『蜘蛛拍子舞』 幕見

2009年10月21日 | 歌舞伎
 今日は松涛でお能鑑賞の予定を入れていました。でも、せっかくだからその前に歌舞伎座の幕見席で昼の部の玉さまを見ようと、歌舞伎座へ寄ってきました。平日でもかなりの列。歌舞伎座さよなら公演だからなのか玉三郎さんだからか・・・どちらもかな~。ちなみに今日の歌舞伎座カウントダウン掲示板はあと192日と示しています。なんか早いなぁ・・・。ということで、チケットを入り口で買って、一気に4階への階段を駆け上り、幕見席へ。

 お目当ての玉三郎さんは前半は美しい女性で、後半は蜘蛛の精に。花道のすっぽんからの出は見えなかったのですが、相変わらず美しいですね。菊之助・松緑との踊りもとても素敵です。あの千筋の蜘蛛の糸もいいな~・・・投げてみたいなぁ・・(笑)←ちなみに某能楽専門書店のHPを見ていたら、商品リストにありました。取り寄せらしいですが・・・買おうと思えば買えるのかなぁ・・・(笑)

 そして、一番印象的だったのは・・・蜘蛛かも(笑)前半の蜘蛛は作り物で小さいのですが、中盤に出てきた蜘蛛は中に人が入っているので、当然大きい(笑)シュールといいますか、スパイダーマンというか・・・。ちゃんと糸がお尻から出てくるのも凝ってるというか・・・。
 そして、こういう三津五郎さんは初めて見たかも・・・。という『暫』風の出で立ちの坂田金時!!背が小さいのが若干の難点ですが(失礼!!)、でもこういうのもきっちりとしているのは、さすが三津五郎さん!!


 ということで、玉三郎さんも素敵でしたが、蜘蛛と三津五郎さんが印象的だった『蜘蛛拍子舞』でした!!

松竹大歌舞伎東コース 沼津公演

2009年07月21日 | 歌舞伎
 さて年に一度の地元での歌舞伎公演の季節がやってきました。今年は仁左衛門さん率いる松嶋屋一門が東コースを担当。わが町にも松嶋屋さんがいらっしゃいます~!ということで20日はお稽古を早めに切り上げて急いで会場に向かいました。昼夜2回公演で、私が見たのは夜公演ですが・・なんと申しましょうか・・・役者さんたちの熱演が申し訳ないくらいの客入りの悪さ・・・・しかも今までこんなの見たことないよってくらいの寂しさ・・・。今日は祝日なのに、大ホール半分くらいしか人がいない・・・・何年か前の海老蔵襲名のときは平日にもかかわらず当日券もない満員御礼だったのにね・・・・松嶋屋贔屓として申し訳ないです・・・。ここのホールっていつも思うんだけど・・・隣の市に比べると・・こういう事業がものすごく下手というか・・・(こういうことだけじゃないけど・爆)もうちょっと何とかならないのかしら?学生さんたちを招待するとかさ~・・・。


一、『正札附根元草摺』
 えーと・・・これ先月の歌舞伎座でも見た舞踊だな~・・・ということはおいておいて(笑)、今回は愛之助さんの五郎と孝太郎さんの舞鶴。愛之助さんの隈取姿ってあまり見たことがないかも・・・。でもこういう愛之助さんもかっこいい!!まあ、荒事らしいかと言われるとどうだろう・・・とは思いますが・・・いいんです。眼福眼福(笑)


二、『義経千本桜』  下市村茶店の場 、同 釣瓶鮨屋の場
 何年か前に歌舞伎座で見た仁左衛門さんのいがみの権太。この巡業で久々に仁左衛門さんの権太を拝見しました。『義経千本桜』はとても長く、これもほんの一場面にしか過ぎませんが・・・これは愛嬌ある小悪党の権太が主人公の場面です。ちなみに関西では「やんちゃ」な子供のことを「あんた、ごんたいね~」と言うそうな。私には馴染みのない言葉なのですが、だからこそ、そういうことも頭に入れて見るといいかもしれませんね。
あらすじは、こちらをご覧ください。

 さて、巡業とはいえ、小金吾討死の場面の入っていたことは、後の「すし屋」の場面にも繋がり、地方でもじっくりと仁左衛門さんの作り出す「すし屋」の世界にどっぷり浸かることができました。その小金吾は権太に強請られたり、追っ手に縄をかけられ切られたり・・・平維盛の妻の若葉の内侍と子の六代を護衛する家臣の割には・・・若干の頼りなさ?もあるものの、白塗りで前髪の儚げな青年というのがこれまた愛之助さんにぴったり!立ち回りも綺麗でしたしね。そして、彼が討ち死にして、たまたま通りかかった鮨屋弥左衛門によって首を取られてしまう・・・。これがあると「すし屋」だけの単独上演よりはこちらがあった方がより理解できますね。もちろん、それだけでなく、だいぶしょうもない男の権太だけど家族思いである一面も垣間見ることができるし、あの笛の伏線もありますからね。

 そして「すし屋」の場。この鮨屋の奉公人に身をやつしている維盛と、そういう身分の高い人物とは知らずに維盛に恋してしまう権太の妹、お里。孝太郎さんってこういう役が本当ぴったりだな~と思います。かわいいわ~。「兄さん、びびびびび~」とか(笑)そして、維盛の正体や妻子がいることを知った時の悲しみ・・・このお話自体悲劇ですが、お里ってこのお話では本当に悲しい役ですね。だからこそ、前半の明るさが健気といいますか・・・。
 さて仁左衛門さんの権太は絶品ですね。同じ“ワル”でも先月の『女殺油地獄』とはまた違います。どこかやんちゃで、ダメなやつだな~と思っても憎めない・・・そんな感じ。そんな小悪党がたまには良いことを・・・と思ってしたことが後々の悲劇に繋がってしまいます。やっぱりこれは前の場面があるからこそ生きるんですね。自分の妻と子を、若葉の内侍たちの身代わりに・・・・。維盛を引き渡すようにとやってきた梶原たちに身代わりを差し出す権太。その人たちが本当は誰なのか・・・これを知ってしまっていると・・・この場面での権太の行動は見ていて本当に辛くなってしまいます・・・。そして、梶原に差し出した首が本物の維盛で、若葉の内侍も本人だと思っていた父に刺されてしまう権太。歌舞伎では、もうちょっと話を聞けばとか確認すれば・・・と思うようなことはたくさんありますが(ええ、歌舞伎は理性で見てばかりはいけません・・・。)すでに起きた悲劇の後の悲劇。こういうお話は正直好きな部類ではないですけれども、そういうことを忘れさせてくれる仁左衛門さんの権太の最期でした。
 
 その他で印象的だったのが、やはり愛之助さんの梶原景時。声が今までに聞いたことがないくらいの迫力ある声で・・・こんな一面もあるんだ~・・と感激してしまいました。前の場面が小金吾だったので余計にそう感じたかもしれません。計3役、それもそれぞれ役柄の違うお役、どれも素敵でしたので、愛之助奮闘公演といってもいい舞台です。以前より若手の中でも注目していた役者さんでしたが、こんなに良かったっけ?と思ってしまいました。もちろん座頭の仁左衛門さんをはじめ、みなさんの熱演を感じることができた舞台で、かなり満足でした。それがゆえにこの客入りの悪さは申し訳ないです・・・。皆さん、これからも続く旅公演は大変でしょうけど、お体に気をつけていただきたいです。

六月大歌舞伎 昼の部

2009年06月20日 | 歌舞伎
 歌舞伎座さよなら公演も来年の4月公演まで・・・来年の今頃はもう現歌舞伎座での公演はないんだよなぁ・・・と思うと少し切なくなってしまいます。カウントダウンの掲示板が劇場入り口にありました。さて、『女殺~』以外の簡単な感想です。

一、『正札附根元草摺』
 朝一番の演目にぴったりの曽我物の舞踊です。松緑さんの五郎、魁春さんの舞鶴。松緑さんは勢いがあってやんちゃな五郎がぴったりだな~と思いました。
 以前見た時も五郎と舞鶴バージョンでしたが、まだ一度も五郎と小林朝比奈とのバージョンでは見たことないので、そちらでも一度見てみたいなと思いました。

二、『双蝶々曲輪日記』 角力場
 幸四郎さんと吉右衛門さんたち兄弟共演。以前見た時は放駒が染五郎さんで親子共演でした。放駒役の吉右衛門さんの相撲取り姿がちょっとかわいいかも・・・と思ってしまいました(笑)吉右衛門さんは鬼平はもちろんですけど、いかにも一本筋の通った武士の役が好きなんですけど、こういうのとか又平みたいな純朴そうな役柄も好きですね。


三、『蝶の道行』
 初見の舞踊です。親と兄が敵対して儚くも殺されてしまった恋仲の二人が番の蝶になって冥土に旅立つ・・という趣向のもの。蝶になっているので、舞台のセットはものすごく大きいお花だらけです。まったく初めて見たのですが、衣裳も綺麗だったし、地獄の責め苦の炎の様子とか面白かったなぁと思いました。

『女殺油地獄』の感想はこちらから。

六月大歌舞伎 『女殺油地獄』

2009年06月17日 | 歌舞伎
 6月16日、歌舞伎座昼の部公演を観劇してきました。お目当ては、もちろん!仁左衛門丈一世一代の舞台です。他の演目の感想とはまた別に、まずはこちらだけまとめたいと思います。

四、『女殺油地獄』 片岡仁左衛門一世一代にて相勤め申し候


 お芝居自体が初見になります。これまで上演されても若手(染五郎や海老蔵)の指導役や監修のみで、いつぞやの松竹座で怪我で休演した海老蔵の代役をされましたけれど、仁左衛門さんが演じる与兵衛はもう見ることはない、というか一度も見ることはできないのだろうな・・・と勝手に思っていただけに・・最後の仁左衛門さんの与兵衛は何がなんでも・・・ということで・・・普段安い席ばかりの私も奮発して一等席で観劇。芝居全体を見るならもう少し後ろがいいのでしょうけれど、たまたま2列目中央のお席が手元に届きましたので、役者さんたちの熱演を間近で感じることができました。

 物語は簡単に説明すると、甘やかされて育った油屋の息子の与兵衛が借金の返済に困り、同業者の人妻の女性を殺してしまう・・・というストーリー。
 これに限らず、歌舞伎の世話物を見ていると、現代にも通じるなと思うことは多々あるのですが、こういうお話って現代でもかなり当てはまるよな・・・と感じました。複雑な家庭環境、母と父と妹にまで暴力を振るう、借金、そして殺人・・・。仁左衛門さんの他の当たり役にもアホなぼんぼん(言葉は適切かどうかは分かりませんが)はありますが、アホぼんでは済まされない役です。それでも、幕ごとにくるくる変わる表情に魅力を感じざるを得ません。(えーと・・・演じているのが仁左衛門さんだからというのが多いにあるとは思いますが・・・というかそうです。^^;)ただ憎めないというのならまだかわいげがあるけれども、あまりにも短絡的に起してしまう事件の数々。周りが何とかしたいと思ってもそれが不幸に繋がってしまう・・・。かなり現代的なドラマでもあるな~と感じました。

 クライマックスの油まみれになっての殺しの場面は、凄惨な場面のはずなのに(だからこそ?)目と心を奪われてしまいました・・・。間近で仁左衛門さんと孝太郎さんのお二人の熱演を感じました。油まみれになり、足を滑らせて転びながらも殺し・・・というのはあまりにも残虐すぎるのだけれど、あまりにの迫力に圧倒されてしまいました。仁左衛門さんは以前から「悪役が好き」と仰っていますけど・・・どの悪役の時もギラリとした目は印象的なんですけど、今回は「これで最後」という思いが見ている方にもありますので・・・余計そういうのを感じました。本当にヤバイんじゃないかというくらいの目。やっぱりこの人って凄いなぁ・・・。筋書にも書いてありますが、これは若かりし日の仁左衛門さん(当時・孝夫)の出世作でもありますよね。若いときは若いときで、この与兵衛という若者の役はぴったりたったと想像できますが(こればかりは生まれる前だからさすがに見ていません・・・どこかに映像ないかしら・・・)、今回の一世一代は最後の集大成の与兵衛なんだな・・・と思いました。


 楽日までまだ日はありますけれど、私はもう見にいけないので、しっかりと目に焼き付けてきました。もう見られないだろうなと諦めていましたが・・・見ることができて本当に良かったです。


 最後に・・・頬被り姿があんなにも素敵な人ってなかなかいませんよね・・・と改めて感じました(笑)

 他の演目の簡単な感想はまた後日・・・。

第35回俳優祭 『灰被姫 シンデレラ』

2009年05月06日 | 歌舞伎
 観劇後に書いていましたが、3日にお稽古事の会がありましたため暫く草稿状態が・・・なのでレポも十分ではないですがご了承くださいませ。

『灰被姫 シンデレラ』 ~賑木挽町戯場始

 楽しかった模擬店も終わり、いよいよメインのお芝居。1日2公演限りのお芝居。毎回趣向を凝らしたお芝居を楽しむことができますが、今年は『灰被姫(はいかぶりひめ)』・・・そうシンデレラです。でも配役を見ると歌舞伎座の守り神とかいろいろと「?」なものが(笑)

 主役のシンデレラというかお国は玉三郎さん。継母の勘三郎さんや、義姉の福助さんと橋之助さんに「灰被り」と呼ばれこき使われています。出で立ちは『刺青奇偶』みたいな美しいけど幸が薄いという感じ。勘三郎さんの継母はまあ、普通ですが・・・福助さんがインパクト大(笑)後で気がつきましたが・・・あれは矢島美容室なのね。(すみません・・・最近テレビ全然見られないんでよくわからないの^^;)橋之助さんは矢絣で、メイクもちょっと愛嬌がある感じです。
 シンデレラはお城の舞踏会に行きたい・・・という設定ですが、これは、歌舞伎座の開場式に・・・という設定。その願いをかなえるのが・・・左團次さん(爆)ライトセーバー(緑)を杖代わりにして登場したのも受けます。若手たちによるねずみも登場し、変身んしている最中は三味線による「ビビデバビデブ~♪」があり・・・こういう遊び心って俳優祭ならではって感じですよね。そこへ・・・チェロを持った人が現れ・・・モックン風の菊五郎さんが・・・そうおくりびと(笑)おくりびとといっても、こちらは亡くなった方を・・ではなく、お国を開場式に送るというもの。俳優祭の菊五郎さんには過剰なほどの期待をしてしまいます・・今回は今までほど抱腹絶倒するというのはなかったけれど、俳優祭には欠かせません!!(^^)

 そして歌舞伎座の開場式という設定で、伊藤博文首相など様々なVIPが登場します。仁左衛門さんは米国前大統領グラント将軍で、その婦人が團十郎さん。仁左さま・・・金髪姿をはじめて見ましたが・・・これが似合うんだな~素敵♪「Yes, we can!」のみ一言で少し寂しかったけど、素敵だったからいいんです。團十郎さんは意外とといっては失礼ですが、ああいう濃い外国人メイクが似合っていて美人さんでした。北島ノ宮康人殿下という設定の海老蔵は危うく隣の田之助さん(伊藤博文首相)が死にそうになるくらいにはじけてましたが・・・やっぱり男前ですな~。司会はみのもんたろう(翫雀さん)と白柳徹子(亀治郎さん)でしたが、白柳徹子は・・・黒柳さんそっくりです(笑)
 あと、東銀座の喫茶YOUやナイルレストランの店員さん(亀蔵さん)も現れ(しっかり「マゼテタベテ」っておなじみの台詞つきだし、本物のナイルさんは出て来るし(笑)歌舞伎座が改装工事中になってもよろしくというような内容でした。
 雀右衛門さんが人力車に乗ってご挨拶にいらっしゃり・・・お久しぶりに拝見しました。

 そして、シンデレラはガラスの靴・・・ですが、こちらはガラスの扇。その扇を使って芸を披露して、来賓の方が採点するという趣向。ミニになった福助さんの踊り、教育テレビ「歌舞伎たいそう」の染五郎さんが、番組の出で立ちで踊ってました。最後は扇を落としちゃいましたが、流し目がかっこよかったです(^^)ちなみに福助さんは点数低かったですが、染五郎さんはかなり高得点でした。
 最後にドレス姿の玉三郎さんが。二枚扇で『鏡獅子』の前場の一部を踊られました。扇は仕込みありでしたが・・・そしてそこから「継母たちはいつもお国と呼んでくれません。」・・・いつもお国・・・いずもお国・・・出雲のお国の生まれ変わりということになり・・・そして歌舞伎座正面セットと共に五人の歌舞伎座の守り神(芝翫さん、富十郎さん、幸四郎さん、坂田藤十郎さん、吉右衛門さん)が現れご挨拶。そして役者さん全員が舞台に・・・一本締めで終わりました。

 正直、ちょっとグダグダ感があってまとまりがなかったかな~という感じでしたが・・・。(個人的には前々回の『歌舞伎座の怪人』のエンディングの方が断然歌舞伎座ラストにふさわしいように思ったのですが^^;)それでも、今回で今の歌舞伎座で行われる俳優祭は最後なのだなと思うと感慨深くなりました。
 新しい歌舞伎座で俳優祭が行われたらまた行きたいな~・・・。


 と・・・いろいろあったのでレポが遅くなり、私のレポもグダグダで申し訳ないです・・・・(^^;。またNHKで放送もあると思いますので、今回参加できた方もできなかった方も、そちらでまた楽しんでくださいね(^^) 

第35回俳優祭 模擬店編

2009年04月28日 | 歌舞伎
 4月27日、現歌舞伎座で行われるのは最後であろう第35回俳優祭夜の部に行ってまいりました。数年に1度行われるイベント。普段は見ることはできない面白いお芝居。そして何よりも普段は舞台の上のスターたちと直に接することができる模擬店など楽しいイベント。私も早いもので4回目の参加となります。今回も有難いことに参加できることができました。

 まず舞踊二題。立役中心に『狸八島』と女形中心の『おまつり』。普段の公演ではこんなに豪華な顔ぶれを一度に・・というのはないので豪華ですね。今回の俳優祭の企画が三津五郎さんなので、大和屋さんらしい踊りですね。

 さて次はいよいよお待ちかねの模擬店でございます。事前に同行の友人が手に入れてくださった筋書を開演前にチェック。歌舞伎座のあちらこちら(3階から地下食堂まで)に役者さんたちがどこで何を売っているかという地図でだいたいのコースを事前に設定(笑)当日は金券を買ってそれでお買い物になりますので、予算を立てて、金券が余らないように・・・と思っても、だいたい後で現金で・・・ってなるんですよね~(笑)私がまず向かった売り場は、もちろん!!!仁左衛門さんの売り場へ直行。私の席が3階。仁左衛門さんの売り場は2階食堂。目的地へ向かうまでがまず戦争でありますこの祭り(笑)2階食堂は他にも役者さんの売り場があるのに仁左衛門さんのところに集中という感じですね・・・・。行列の後ろに並んでも、どこに本人が?!という(笑)押されながらもなんとかご本人から大判どら焼きをゲット。しっかり握手もしていただきました。にっこり笑顔が緊張しますね~いつ見ても素敵ですし、すっかり八汐の感想を伝えるのを忘れてしまいました(笑)しかし、その後、別の場所でさば寿司の助っ人をしていたとは露知らず・・(笑)



 これが大判どら焼き。この画像ですと、比較できるものがないので分かりませんが・・・かなり大きいです(笑)

 その後はこの売り場をうろうろと・・・弥十郎さんのハリケーンポテトとか扇雀さんのプチオムライスなどの食べ物系をゲット。その後は同じく2階の音羽屋さんの売り場でTシャツをゲットしようかと思いましたが・・・菊五郎さんと菊之助さんたちに近づくことはまったくできず(苦笑)三津五郎さんの売り場で手ぬぐいをゲット。そういえば俳優祭で三津五郎さんの売り場に行ったのははじめてかも。丁寧な対応に好感度アップという感じでした!!手ぬぐいは2色あったのですが、一人一人に丁寧に「どちらですか?」という対応で。

 

 これが手ぬぐいです。この色と緑色がありました。これと同じ模様の浴衣生地もありましたよ。(舞踊『お祭り』で役者さんたちが着ていました。)

 そして1階をうろついていたら・・・意外と穴場な海老蔵の売り場・・・人気役者なのに・・・何故(笑)近寄りがたいオーラあるしね~。Tシャツは欲しかったので、海老蔵さんの売り場でゲット。不機嫌なことが多い俳優祭でしたが・・・今までろくな対応見たことないよでしたが(爆)今回初めて「どっち?(色が)」「黒?」って言葉を聞けましたよ(笑)



 今回一番意外な戦利品(爆)白もありましたよ~。

 俳優祭も4度目になると初めて参加したときみたいな新鮮さといいますか・・・興奮度がなくなってきて結構冷静になってきますが・・・・それでも一通りいろいろな役者さんを間近で見られることができるのはドキドキ!!染五郎さん、勘太郎君(婚約おめでとう~!)と七之助君の売り場などをちら見(笑)けど、仁左衛門さんの売り場で一番体力を消耗したかも~。

 ということで俳優祭レポ前編はこれまで。お芝居編はまた後日。

 そしていつも思うことは、歌舞伎座の商品を毎日歌舞伎役者さんたちが売っていたら・・・・売り上げすごいだろうな~・・・。

四月大歌舞伎昼の部 『伽羅先代萩』

2009年04月26日 | 歌舞伎
 24日鑑賞。

 この日は夕方から渋谷松涛での観能と合わせての観劇日程だったので、せっかくの通し上演ですが、床下までの観劇となりました。
 伊達藩のお家騒動を描いた『伽羅先代萩』は玉三郎さんが政岡の初役をなさった時に見ています。仁左衛門さんが仁木弾正をなさって、その時は学生でしたが無理をして一等席にして観劇した思い出があります(笑)その時は仁左衛門さんは仁木のみでしたが、今回は八汐と細川勝元の2役。かねてより見たかった仁左衛門さんの八汐、そして玉三郎さんの政岡の再見というのも楽しみでした。

 今回は、以前見たときにはなかった『竹の間』が入ったので、『御殿』での鶴千代と千松の関係、そして二人と政岡それぞれの関係がより生きたように感じました。命を狙われている鶴千代に差し出された毒入りの菓子を食べて、さらには毒入りということをごまかすためにあのような形で惨殺されて、現代人的には「ひどい!」と思うかもしれませんが・・・主従だけではないものもきっとあったのだろうな・・・と思ってしまいました。『竹の間』や飯炊きの場があるからこその悲劇性がより生きてきたのかなと思いました。(とはいえ・・・飯炊きの場面は・・・疲れていたのか・・・途中意識を失ってしまいました・・・。)
 玉三郎さんの政岡は初役の時は、強さというものを感じましたが、今回はその時よりも、気丈さはもちろんですが、母親の哀れさというものも感じました。息子である千松が八汐に無残にも手をかけられて驚くも、もちろん駆け寄りたいでしょうけど冷静に対処するのは、これ以上悲劇を起さないため・・・とも思いますし・・・それがお家のためでもあるのでしょうけれど。そして仁左衛門さんの八汐は怖かったですね~。「時鳥殺し」の目がギラギラ光っていた百合の方も怖かったですが、こちらも残忍で・・・。ファンとしては複雑になるくらいの憎々しさでしたね。床下は荒獅子男之助の三津五郎さんが贅沢でしたね。3階B席からでしたので、仁木弾正の出があまり見えずに残念でした。

 仁左衛門さんの仁木ももう一度見たいなぁ・・・『刃傷』の場面は本当すごかったんですから!ということで歌舞伎座を後にして松涛へ向かいました・・・。
 

二月大歌舞伎 昼の部

2009年02月26日 | 歌舞伎
 先月から歌舞伎座では歌舞伎座さよなら公演と銘打った公演が行われています。まだ実感はないけれど・・・少しでも今の歌舞伎座を自分の目で焼き付けたい・・と思っています。まあ、毎月は行かないけれど(^^;。

一・『菅原伝授手習鑑』 加茂堤、賀の祝
 「加茂堤」はずっと前に通しでやった時に見て以来。でもそのときは後半は未見でしたので、「賀の祝」は初見。よくかかる『寺子屋』もそうですけれど、こちらのほうは、さらに単独だと分かりにくいところはあるかもしれないなと思いました。「賀の祝」は、連日の疲れがたまっており、意識がない箇所もいくつかあったのが・・・無念。でも松王と梅王の喧嘩の場面が面白かったです。

二・『京鹿子娘二人道成寺』
 今月一番のお目当て。玉三郎さんと菊之助さんによる二人道成寺は二度目の観劇になります。3年前のは見逃してしまいましたので、5年前に見て以来になります。3階からの観劇になりますので、道行はあまり見えませんでしたが(^^;。それでも二人が別々に踊っても、一緒に踊っても、常に一人の花子といった感じ。5年前は菊之助さんは限りなく玉三郎さんの花子の影みたい=玉三郎さんの圧倒的リードによる舞台だと思ったのですが、今回はよりシンクロしていたような感じがしました。衣裳も化粧も同じだからかもしれませんが、二人が似ていて、どっち?と一瞬思いながらも、二人の美しい世界に浸ることができました。玉三郎ワールド!を久々に味わいました。(先月行かなかったというか行けなかったこと後悔です・・・)



 二月の歌舞伎座恒例の地口行灯。鐘に鞨鼓は道成寺をモチーフにしたものかな。


三・『人情噺文七元結』
 文七は二度目の観劇。菊五郎さんの文七は以前より見たいなと思っていました。これが期待通りというか期待以上!!やっぱり上手いな~というか、菊五郎さんの世話物は引き込まれますね。江戸の庶民たちの暮らしぶりがよく分かる所作や道具がたくさん出てきます。先日読んだ杉浦日向子さんの著書に書いてあった色々な道具のことを思い出しながら見ていたので、面白さ倍増でした!時蔵さん、菊之助さんも良い味でしたし、最後に少ししか出てこない三津五郎さんや吉右衛門さんも贅沢でした。
 最後はハッピーエンドですし、本当に楽しいお芝居でした!!

 観劇後に稽古やら仕事やらで色々忙しく、なかなか書き終えられないうえに、簡単すぎる感想ですが・・・見にいってよかったです。

『京鹿子娘道成寺』 幕見

2008年12月20日 | 歌舞伎
 お能の会が夕方からなので、時間もちょうどよいので歌舞伎座で三津五郎丈の『娘道成寺』を幕見。売り出し時間ぎりぎりに幕見の列に並んだため、立ち見でした。さすがに疲れますね・・・でも、一番上手側から立ち見したので、道行はそれでも少しは見やすかったでしょうか。

 三津五郎さんの道成寺といえば『奴道成寺』というイメージです。今まで2回ほど見ていますが・・・。それ以前に三津五郎さんの女形を見るのは初めてなのではないかと思います。なので、どうなんだろう?と思ったのですが、思ったよりもかなり綺麗でした(失礼!!

 道行では普段、浄瑠璃のところを常盤津という演出だったり、全体的に華やかさを押さえている印象でした。言葉を変えれば地味という印象かもしれませんが、三津五郎さんの古風できっちりとした花子を堪能しました。




 幕見席からの風景。新しい歌舞伎座になってもこの一幕見席のシステムは残してほしいです。