みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

『最後の忠臣蔵』

2010年05月29日 | 本・マンガ
池宮彰一郎/著

 私が注目している年末公開予定の映画『最後の忠臣蔵』の原作本を読みました。映画がどうなるかは分かりませんが、ネタばれにならない程度に感想を・・・。

 忠臣蔵といえば、歌舞伎や時代劇でもおなじみの一般的なお話は松の廊下での刃傷で始まり、討ち入りまたはその後の赤穂浪士の切腹で終わり・・・ですが、これは大石内蔵助に討ち入り後に生き証人となるよう命じられた足軽の寺坂吉右衛門が主人公。討ち入り前夜に逐電してしまった瀬尾孫左衛門が映画では主役なのでしょうか?いずれにしても二人とも本筋の話から見たら日が当たらないかもしれないし、一人だけ生き残った者、討ち入りに加わりたくても加われなかった者たちの苦悩と使命感というものがひしひしと伝わってきます。そして、それぞれの分に合った使命を与え、その後のことも考えていた大石もやはりすごいけれど・・・。久しぶりに重厚なものを読みきった!という感じになりました。(とはいえ、読みやすかったですが。)

 映画になったらどんな感じになるのかな?と思いながら読んでいました。役所さん演じる瀬尾孫左衛門が渋くて、もう最後は言葉にならないくらい・・・。これ以上は書きません、というか書けません。佐藤浩市や片岡仁左衛門など私の好きな役者さんたちも出るから注目していますが、それ以上に役所さんに注目せざるを得ません!!!

 ということで、気になった方は『最後の忠臣蔵』公式HPへどうぞ(笑)特報動画を見ることができます。

『 kanji ishimaru 』

2010年05月27日 | 音楽
 劇団四季退団以来、映画『時をかける少女』に出演されたり舞台以外の活動もスタートされた石丸幹二さん。今度はデビュー20周年にして初のソロアルバム、しかも2枚組!!ということで予約までして発売を楽しみに待っていました。ちなみに初回限定仕様(フォトブック付)で(笑)


Disk1
1. 名もなき星になる日まで~別れの曲    2. 恋の予感
3. キャラヴァーン    4. アヴェ・マリア featuring 宮本笑里
5. 記憶の旋律(les memoires de chopin)    6. ハナミズキ
7. 7つの水仙(最高の贈り物)   8. 海へ来なさい
9. Jacaranda‐ジャカランダ‐    10. 黒いワシ
11. 役者(Le Comedien)   12. 緑の風薫る地へ(ダニー・ボーイ/星の世界)
Disk2
1. 時が来た(ミュージカル「ジキル&ハイド」より)   2. そばにいて(映画「魔法にかけられて」より)
3. 春の唄(ミュージカル「ニュー・ブレイン」より)  4. セイリング(ミュージカル「ニュー・ブレイン」より)
5. スマイル(映画「モダン・タイムス」より)  6. 風のささやき(映画「華麗なる賭け」より)
7. フィニシング・ザ・ハット(ミュージカル「サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ」より)
8. サンデー(ミュージカル「サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ」より)
9. ソー・イン・ラヴ duet with 一路真輝(ミュージカル「キス・ミー、ケイト」より)
10. ダンス・エスメラルダ(ミュージカル「ノートル=ダム・ドゥ・パリ」より)
11. ミュージック・オブ・ザ・ナイト(映画「オペラ座の怪人」より)


 DISC1は、クラシック曲に歌詞をつけた曲やカバー曲が中心。DISC2は映画やミュージカルの曲を収録。過ぎ去ったことを振り返るのは仕方ないですが、やっぱり私にとっては石丸さんは『オペラ座の怪人』の貴公子ラウル(笑)しかーし、このアルバムではファントムの歌う「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」が収録されています。確か、以前ファントムに挑戦したいということをおっしゃっていたような・・・?!四季の浅利氏の訳詞ではないので、歌詞は四季バージョンとは違いますが、うん素敵なミュージック・オブ・ザ・ナイトです♪ファントムと石丸さんって結びつかないけど、台詞部分の声とかなかなか渋くて・・・う~ん男前な顔が生かされない役だけど(これってある意味損かもねー・・・)、これは石丸ファントムも見てみたかったなあ~なんて思ってしまいました。

 また、ゲストの宮本笑里さんのヴァイオリンも素敵でしたし、一路さんとのデュエットも大人な感じが素敵でした。退団後の石丸さんの舞台は観ていないので、久しぶりに石丸さんの歌声を楽しめることができました。どれも素敵だけど、やっぱりミュージカルナンバーがしっくりくるかな~。

 ところで、同じく劇団四季出身で今度石丸さんと同じ役にキャスティングされている、Y口Y一郎さん・・・頑なにこういった類のCDというか舞台以外で歌おうとしませんが・・・CD出してくれないかしらん・・・(^^;。

沼津水産祭~海自掃海艇

2010年05月24日 | 自衛隊イベント
 22日、沼津港で毎年恒例の水産祭が行われました。そこに海上自衛隊掃海艇「すがしま」「つのしま」の2隻が沼津港にやってくるというので、出かけました。先着順で体験航海も行われたようですが、元々別の予定があったこともあり、そちらには予定通り(?)参加はしませんでした。港のバス停から外港まで結構距離があるので、えんやこら歩いて外港に着いたときには「つのしま」が体験航海中。ということで午前の部ぎりぎりまで「すがしま」の方を見学しました。
 今まで、横須賀などで護衛艦の見学はしたことはあったので、護衛艦に比べたら失礼ながらやっぱり小さいな~と思いましたが(^^;、自衛官の方たちの説明もあったので、なかなか見ごたえがありました。


 
 機雷を排除することを目的とする掃海艇は、磁器を帯びないようにするために、船体は木、エンジン等はアルミ合金や銅合金などでできているそうです。船体が木ででてきているというのにびっくりです。



 20ミリ機関砲。私も触ってしまった!


 
 ・・・・パンダ?!?!


 なぜか某イージス艦映画での●田●之を思い出してしまった・・・・(笑)

おまけ


 津波から内港を守るために造られた水門。上は展望施設になっています。しかし、一度も行ったことがないし、この日も行かなかった地元民・・・(苦笑)新しい魚市場もできたので、そちらもぐるりと・・・。マグロの切り身をかなり安くおまけしてもらいました♪

『羽衣』序之舞の稽古を開始&反省会

2010年05月23日 | お稽古
 「序の舞」といえば、上村松園が描いたあの朱色の着物を着た女性の絵が思い浮かびます。ゆったりとした優雅な、しかし芯がしっかりしている女性や天女の舞というイメージ。さて、先日の『船弁慶』の本番が終わりましたので、次の課題は『羽衣』サシから最後になりました。
 一番最初にお稽古した曲は『羽衣』のクセ。キリもお稽古をしています。そして、もちろん自分が好きなお能の曲でもあります。お話が分かりやすいというのと、綺麗だから。しかし、今までにない大きな壁です。今までも中之舞を最初にお稽古したときなども壁でしたが、そんなのは比ではない・・・。今までお稽古した部分ももちろん入っているのだけれど、「覚えているから、やれと言われればすぐに打てるし」「何度もやっているし」と思っていた私はナメてました。「位」が全然違うから、同じものを打つというのは全く変わらないけど、打ち方というか空気感が今までのものよりもずっと上等になっている・・・。

 テンポもゆったり(ゆっくりというか・・)、ついこの間まで『船弁慶』の後だったから余計にそう感じ・・・。今日は序之舞の最初のところだけですが、今までにない手が出てきますし、手(楽譜)通りに打つという以外の空気感や雰囲気を作り上げるというのが大変難しいです。思ったよりも手ごわすぎるよ序之舞・・・。

 今までとは違うよ・・・。これだから能って奥深いですね。


 さて、稽古をいつもよりも早めに切り上げて、稽古後は反省会をかねてのお食事会。以前より気になっていた自然食のバイキング。美味しかったし、たくさん飲み食いしてしまいましたが・・・・落ち着いたところで反省(^^;。うーん私的には面倒なものが終わってから食事がよいのですが・・・(苦笑)
 ま、それはともかく、やはり、先日はシテ方、他の囃子方の力に引っ張ってもらって、そこにうまく乗っかることができた・・・と改めて思いました。1+1=2じゃなくてそれ以上になれるかどうかは普段の稽古、そして楽しむということが大切なんでしょうかね・・・。
 難しいですが、がんばります。

チロル白熊

2010年05月19日 | 美味しいもの
 コンビにでこんな新しいチロルチョコを発見しました。白熊って・・・あのアイスというか、かき氷のしろくまですよね。なので、かき氷の容器みたいなのに入れものに入っています。
 中身は、練乳チョコ、みかんチョコ、ザラメ、寒天ゼリーなど。食感もあのしろくまっぽいです。

 アイスのしろくまもなんだか食べたくなってきた・・・(笑)

夏みかん収穫&みかんの花♪

2010年05月15日 | 雑感~ひとりごと
 今年も夏みかん収穫のシーズンがやってきました。ということで、祖母たちと畑へ。ただし、かなりの数の木を減らしてしまったので、作業が楽だったけど、もちろんみかんの数も少ないのでいいんだか悪いんだか・・・・(^^;。けど、祖母の経験によると来年はもっとたくさんできるはず!とのことですので、来年に乞うご期待!!(笑)そのまま食べるのも美味しいですが、時間があるときにでも何か作ってみようかな。



 みかんの花が咲いている~♪というような歌もありますが(笑)みかんの花ってかわいいですよね♪虫もいるけど(苦笑)、あたり一面良い香りが漂っていて、さわやかな気分になります。

『歌舞伎のチカラ』

2010年05月14日 | 本・マンガ
市川染五郎/著

 染五郎さんが紹介する歌舞伎初心者向けの本かな?と思いましたが、なかなか面白そうだったので読んでみました。特に高麗屋贔屓というわけではないですけど、もちろん染五郎さんは注目している若手役者の一人です。
 歌舞伎の解説の人などが書く入門書とかも面白く書かれているかと思いますが、役者さん目線で紹介する歌舞伎の型、音楽のこともまた面白かったり。ところどころに書かれている本音に思わずクスっとなることも(笑)お若いから(といっても私よりお兄さんですが^^;)、これから歌舞伎を見たいなとか、現代劇の染五郎さんをきっかけに興味を持った人が読むにはもちろん最適の一冊だと思いますが、ベテラン歌舞伎ファンの方とか、以前からの染五郎さんファンの方も楽しめそう!!染五郎さんの歌舞伎への熱い想いが伝わってきて、これからもっと注目してみようかなと思いました。
 
 なお、巻末には妄想が趣味(笑)という染五郎さんが妄想した歌舞伎の台本(?)が収録されています。有名なお話のその後、新作などなど。この中から既に新作舞踊として披露されたものもありますが・・・今後もしかすると?!と思ってしまいます。
 

『JIN ‐仁‐ (18)』

2010年05月10日 | 本・マンガ
村上もとか/著

 昨年大沢たかお主演で放送されたドラマは割と面白く見ていたけど、結末にどうも納得がいかなくて・・・(^^;。それから、ドラマにハマっていた弟が大人買いしたコミックを借りてお正月休みに既刊分読破。これがすごく面白くてすっかり仁先生のファンに(笑)またまた弟が買った新刊を借りて読みました~。

 感想を詳しく書くとネタばれになってしまうので、控えます。でも、龍馬の件に関しては私の予想通りだったかな・・・。予想通りだったとはいえ、もっていき方がうまいなと思いました。

 歴史は既にペニシリン云々・・・などでたくさん変わっているとは思いますが(^^;、幕末の歴史と医療ものが絡むこのお話は面白いですよね。原作がすごく面白いが故に、あの原作の終わり方とかはどうよ?!と余計に思います・・・。映画化の噂もありますがどうなるのかしら?とにかく、ドラマを見て面白いと思った人で原作未読の方には是非是非原作を読むことをお薦めしたいです。
 さて続きも楽しみですね~。

伊豆の輝き

2010年05月09日 | 雑感~ひとりごと
 曽祖父が植えたツツジ、祖母が植えたツツジなど、我が家で一番多い植物はツツジ。ツツジに囲まれているといってもいい我が家(笑)こんなのも咲いていました。

 これは伊豆の輝きという品種だそうです。なんだか文化祭のキャッチフレーズみたいです(笑)家はぎりぎり伊豆ではないですが、名前の通り、輝いていますね♪ただし、これは先週撮ったので、現在は・・・輝きはないかも(^^;。でもまた来年も輝きを見せてくれることでしょう!!

 さて今日は母の日。お花プラスアルファをプレゼント。手作りしたプラスアルファは見た目が少し失敗してしまったけど、喜んでもらったのでよかったです。

『バトラーサイモン』

2010年05月08日 | 本・マンガ
吉積サイモン/著

 歌舞伎座に通っていた人ならば、おなじみの歌舞伎座スタッフのサイモンさん。私も何度となく切符をもぎってもらっていました。歌舞伎ファンの友人のお薦めもあり、最近出版されたサイモンさんの著書を読んでみました。

 副題にあるように、サイモンさんの経歴は、外資系ホテルから歌舞伎座へ。という一見変わった経歴。誰もが名前を知っている世界的に有名なホテルのバトラーとして一流のおもてなしをしてきたサイモンさん。そしてホテルのバトラーから、歌舞伎座へ・・・。ホテルで学んだ経験が一切通用しない歌舞伎座。サイモンさんが歌舞伎座を良くしていこうと奮闘されていたのを知って、改めてこの人はすごい人だったんだ・・・と思いました。ホテルだけでなく、日本人の父親とイギリス人の母親という環境、高校卒業後にバックパッカーとして世界を巡っていた経験が大きいのでしょうね。役者ではないですが、歌舞伎座にはなくてはならない存在だったサイモンさんも歌舞伎座閉場と共に今年4月をもって歌舞伎座を退職されました。新しい事業を始めるとのことですが、歌舞伎座にとってかなりダメージが大きそう(^^;。(引退する名物的な従業員?の方たちはサイモンさんだけではないですけどね・・・)でも、こういった経験を生かしていろいろな仕事をしていくってスゴイなあと思います。

 いろいろな人に信頼され、ホテルでも歌舞伎座でも成功を収めてきたサイモンさん。歌舞伎ファンだけでなく、ビジネスマン特にサービス業に携わる人たちにもお薦めの本。もちろん、そうじゃない人にもですがね。洋のサービスと和のサービス、どちらも経験されてきた方だからこそ見えてくるものがありますし、実際に経験されたことですからね。形式のマナー本などにはないようなことばかりです。もちろん形式的というか様式的なマナーも大事ではあるけれど。

 私は人との出会いの運というものには恵まれていると思っています。まだまだ未熟で不勉強ですので、これからも学び、吸収することが多々あります。サイモンさんには到底及びませんが、少しは見習いたいですね。仕事ではないですが、そういう意味ではお稽古は、本当にやっていて良かったと思えることです。鼓そのものだけでなく、それ以外のことをたくさん経験させてもらっているなぁ・・・と。でも、まだまだなんですけどね(^^;。

夜の歌舞伎座

2010年05月07日 | 歌舞伎
 早いもので、歌舞伎座閉場式から一週間が経ちました。お友達に、写真集作れば?と言われるくらいたくさん撮ってしまいましたが(^^;。さすがにそれは無理なので、こちらで小出しにしていきます・・・。

 私が見たのが夜の部で、19時には終わりましたが、お食事をしていたりして、なんだかんだで21時過ぎまで歌舞伎座近くに居つづけていました。夜の歌舞伎座は、昼とはまた違った存在感があります。



 夜の部がはねて、正面玄関から出ると、向かいのビルに映る歌舞伎座が目に飛び込んできます。ちょっとこのときはポジションが悪くて(?)あまり歌舞伎座っぽく見えないけど、とりあえず、この目線で見る風景もこれが最後っていうことで。




 晴海通り、もう少し銀座寄りから・・・。銀座の街に異質なようでいて、実はしっくりと景色になじんでいる歌舞伎座・・・。3年後はここから見る景色もどうなるのかなぁ・・・銀座という街自体、来る度にどこかしら変化していて、ついていくのが大変ですが(笑)やっぱり好きな街です。(歌舞伎座以外でもね♪)

 さて、本日、フジテレビ系で中村屋さん一家のドキュメントがありました。勘太郎クンの結婚、歌舞伎座での最後の興行のことなど・・・。小山三さんのことはかなりウルウルきちゃいました。それにしても前田愛ちゃんかわいいですわ♪歌舞伎座ロビーでは女優さんをやっている奥様方(または娘さんたち)をお見かけできるのも楽しみの一つですが(笑)、いつか愛ちゃんを見ることができるのかなー?(ミーハー^^;)
 ま、それはともかく、やっぱり歌舞伎座という場所は役者さんたちにとって特別な場所なんだなと改めて思いました。

 では、また今後も、私目線の私の好きな歌舞伎座シリーズ(勝手に命名^^;)は続く・・・かもしれません(笑)

『時をかける少女』

2010年05月06日 | 映画(DVD含む)
 「あなたに会いにいく。」

 劇団四季時代の石丸さんの舞台を何度か見てきて、彼の甘く優しい歌声に(マスクも・・・かな・笑)感動し、魅了されてきた私にとっては、あなた=石丸幹二なのであります。こういう石丸ファンの人は私以外にもたくさんいると思いますがね~。今まで舞台のみで活躍してきた石丸さんの映画デビュー作品ということでも注目していたのですが、生憎近場での上映がなく、DVDでもいいかなと思っていたら、いつも行くシネコンでの上映が始まったので、スクリーンでの石丸さんを見守るためにも劇場へ足を運びました。(『ノートルダムの鐘』の吹替はどういうポジションなのかというのは置いておいて・・^^;)

【あらすじ】時をかける少女 - goo 映画
高校卒業を間近に控えた芳山あかりは春からの新生活に対する期待に弾んでいた。そんな中、母・和子が交通事故で昏睡状態に陥る。和子は初恋の人・深町一夫にメッセージを伝えるため、時を越える研究をしていた。あかりは母に代わって1972年にタイム・リープを申し出る。あかりのタイム・リープは成功したかに見えたが、なんと誤って1974年に飛んでしまう!果たしてあかりは深町に出会い、母の想いを伝えることができるのか…?

 久しぶりに目を腫らしてしまうほどボロ泣きしてしまいました。石丸さん目当てで見に行ったものの、途中まで石丸さんのことを忘れるくらい(笑)、どんどん引き込まれていきました。1983年の原田知世版の続編で、そのときの主人公の娘のあかりが今回の主人公。間違って飛んでしまった1974年で最初に出会った映画監督志望の大学生、涼太に助けてもらいながら、深町や母親を探す・・・。そんなあかりと涼太を演じたのは、いまどきの元気でひたむきな女子高生(もうすぐ大学生だけど)がぴったりの仲里依紗と昭和の大学生が妙に合う中尾明慶。この二人がとてもよかったです。絶対に出会うことのない二人が惹かれあう・・・・。2010年では56歳のおっさんになっちゃうけど・・・のくだりがあったときは、きっと二人の記憶がなくなっても未来で・・・なんて想像していたのですが、まさかあの伏線がくるとは思わなかった・・・・。記憶がなくなる前に、もう一度会いに行く・・・というところの前のこたつのあたりから、私はもう既にウルウル・・・。そして、秋田行きの夜行バスのチケットを忘れて家に戻ろうとする吾朗にたまたま会って、あの事故のことを思い出す・・・。必死になって涼平を助けようと走るあかりの姿、「歴史を変えてはいけない。」と制止する深町を振り払うあかり、そしてベタかもしれないけれど、走り去るバスがもう切なすぎて・・・。たとえ、お互いに記憶が消えて分からないとしても、未来の涼太と出会うことができない・・・・。
 深町が記憶を消しても、母の和子にはラベンダーを、あかりには8ミリを残してあげたのは、かなりニクイ・・・。涼太と友達だった父親のおかげで(そのことももう消えているわけだけど)8ミリを見て、なぜか涙してしまう・・・。ああ、もうこちらも胸キュンだよ・・・。まさに記憶が消えても、この想いが消えない・・・。それだけ強くて純粋なあかりの想いだったんですよね。
 結末は、涼太にとってもあかりにとっても残酷すぎるかもしれません。けど、お互いに、こういう素敵な想いを持てたということは・・・とてもよかったんじゃないかなぁ・・・。特に涼太は・・・。なんか書きながら思い出すと、また涙が出てきてしまいそうですが(^^;、予想外にとてもよかったので、見に行ってよかったです。
 仲里依紗が声の出演をしたアニメ版も未見だから見てみようかなぁ・・・・。

 そして、お目当ての石丸さんですが、なんかこうして映像で見るのは初めてなので(トーク番組や舞台中継を除く)新鮮でした。出番は少ないけれど、良いところを持っていったかな(笑)正直、顔がちょっと老けた?と思ってしまいましたが(^^;、今まで童顔すぎて年相応に見えなかったからなあ・・・・まあ、良い感じに渋くなったのかな。そして、相変わらず素敵なお声♪正直、退団したという発表があってから今まで、石丸さんにはずっと四季にいてほしかった・・・と思っていました。でも・・・退団したらしたらで、こういう活動がたくさんできるじゃないですか!!(本当ぶっちゃけ発言ですけど^^;)今月、初のソロアルバムも出ることですし、今後も映像作品への出演があるのかな?これからは劇団在籍時代にはできなかった活動にチャレンジする石丸さんを応援しようと思います!でも、超素敵だった石丸ラウル(『オペラ座の怪人』)の記憶は消えませんけどね(笑)

熊野の長藤

2010年05月05日 | 雑感~ひとりごと
 ご縁あって毎年GWにお邪魔している磐田市(旧豊田町)池田の行興寺さんにある熊野(ゆや)の長藤を見物してきました。例年桜が早いと、いつも5月に伺う時には藤の房が寂しい状況(それでもすごいですが)になってしまうことが多く、今年も満開には当たらないかな・・・と思っていました。が!!!4月に入ってから寒い日が続いたことの好影響(?)でしょうか。今年は久しぶりに見ごろの長藤を楽しめることができました。多分、このブログを始めてからは初めてかな。ということで、以前にも少しだけ紹介したことはありましたが、画像をペタペタと(笑)




 こちらには、能の人気曲『熊野』の主人公である熊野御前と熊野のお母さんのお墓があります。そのお墓の横には、熊野御前お手植えの長藤が。樹齢800年以上ということになります。『熊野』のあらすじは、熊野御前は大変美しかったために平宗盛(平清盛の三男)の寵愛を受けています。しかし、池田にいる母が病気だという知らせを受け、宗盛に暇を乞うも、許してもらえません。熊野の心を慰めようとした宗盛に清水寺への花見にも連れて行かれますが、熊野の心は晴れません。母親の命と重ねてしまいます。花見の席で舞を舞っていると途中で、村雨が降ってきます。散る花に母の命を重ねた熊野は、そこで熊野は「いかにせん 都の花も惜しけれど 馴れし東の花や散るらん」という歌を詠みます。その歌に心を動かされた宗盛は熊野を故郷に返してやります・・・。というところでお能は終わります。私もお稽古をした曲でもあります。





 宗盛が返したくないと思うくらいの才色兼備だったであろう熊野御前。熊野御前が亡くなってから何百年も経った今では、熊野御前お手植えの長藤に大勢の人たちがうっとりしています。そう思うと、なんだかとてもロマンがありますよね。私も思いを馳せながらお花見。



 長いもので1メートル以上にもなる花の房。藤の木が5~6本あるので、辺り一面藤の花のカーテンのよう。前を進むのにも、花をかきわけて歩かないといけません。そして、香りもとても素敵です。花の色合いもとても可愛くて素敵ですよね。
 今年は本当に久しぶりに長藤を楽しめることができて良かったです。こちらの長藤は本当オススメですよ~。また来年も見ごろに行けるといいな~・・・。こればかりは運もありますが(^^;

合宿稽古&『船弁慶』本番

2010年05月04日 | お稽古
 3月の失敗と同じことは繰り返さない。というか許されないし、絶対にしたくない。

 という目標を掲げ、あれから約2ヶ月間、お稽古をして準備をしてきました。またまた先生の都合上というよりも、やっていただけることがありがたいのですが、今年も本番前日に静岡の山奥に1泊しての合宿稽古を行いました。やはり、山奥で川のせせらぎの音、鳥のさえずりしか聞こえない環境というのは、とてもよいですね。集中力が一気に高まります。毎年お世話になっている温泉宿ですが、肝心の温泉どころではなく、稽古というより、もはや修行に等しいかも?!
 とはいえ、美味しい山の幸はたくさんいただきましたけど(笑)


 さて、楽しみが目的ではありません。肝心の本番の反省を。

 反省するところはもちろんいくつかあります。(いくつかでは足りないかもしれませんが。)少なくとも、3月のように、グダグダになったり他人に迷惑をかける最悪の事態にはなりませんでした。さすがにこれと同じことをしていたら、めちゃめちゃ怒られていたでしょうね(^^;

 今回務めさせていただいた『船弁慶』は私の大好きなお能。前場の静御前の舞の場面も、とても好きだし、後場なんて、知盛の亡霊が薙刀を持ちながら(振り回しながら?)激しく舞って超カッコイイ!!いつかやりたい!!と、前から思っていた曲の一つです。その『船弁慶』の後場を打つことができるチャンスを与えてくださった師匠の気持ち(期待、思惑?)に応えるためにも、そして私の失敗のために先生に迷惑がかかるのもいやだし(というか、できません・・・)がんばろう。そして何よりも、好きな曲なんだから楽しみたい!!と強く思い、本番に臨みました。今回はちゃんと申し合わせ(リハーサル)もありますしね(^^;。事前準備というものがあるだけでも全然違います。
 やはり、自分自身の稽古や師匠との稽古と、本番のように、実際に笛、大鼓(申し合わせ時は拍子盤で音を取るのですが。)、太鼓、そして舞を舞うシテ方、地謡と一緒に演奏するというのは全然違います。当たり前ですが・・・。
 どの曲でも掛け声などでお互いの間合いというものを感じながら打っていきますが、特にこういう曲種の場合は、やはりお互いの気合、気迫というものを出し合いながら作っていくんだな・・と学びました。間違えないで、ちゃんとリズムを刻むことや、鼓の音色ももちろん大事。特に掛け声に関してはいつもの課題。しかも今回は私だけが女。普通にお稽古みたいにしていては、だめだし、かき消されるというプレッシャー(^^;。でも、男性陣たちの気迫にびびりながらも、なんか・・・申し合わせや本番は気合が伝染してきたといいましょうか・・・本当に気迫を他の人たちからもらった感じがしました。というよりもまだ私がへたっぴいだから合わせてくれていたりするんでしょうけど。そして、ここはベテランの方達の胸を借りようと開き直り(笑)、思い切りできたかな・・・と思いました。

 悔いなくできたし、前回みたいに好きな曲なのに自身に対して不満に終わることはなく、完璧にはできないですし、まだまだですが、楽しくできました。あとは、お稽古をしている上でのコンプレックスである「お嬢様な掛け声」の改善かな・・・・。師匠にも、昨日またまた言われましたが・・・うーん・・・・。やっぱりこういう壁に当たると、何百年も男性が作り上げてきた芸能なんだなと思ってしまいます。でも素人の女性でカッコイイ人がいるしね、見習いたいなとは思っていますが・・・難しいんですよねえ・・・・。まだまだ『船弁慶』の世界を完璧に作り上げるまではいきませんが・・・・ビジュアル的にも派手で、やっぱり楽しいですよね。久々に、プロの『船弁慶』も見たくなったなぁ・・・(笑)


 一夜明けた今日、昨日とは違い昼近くまで寝ているというグダグダぶり(笑)舞台だけでなく、裏方仕事もありますし・・・。毎年のことながら、終わってから温泉へ行きたい・・・と思うのですが・・・(^^;。でも今日は諸々のやるべき事後のことがあるので、さっさと片付けます~。そして残りのGWはダラダラ過ごそう(笑)

歌舞伎座閉場式

2010年05月01日 | 歌舞伎
 こちらの記事にも書きましたが、現歌舞伎座で行われた最後の公演である、歌舞伎座閉場式を4階幕見席(当日はもちろん自由席ではなく指定席)で、観劇しました。(この場合観劇というのかは分かりませんが^^;)


 通常の興行で絵看板が飾られるスペースには、絵ではなく、当日のプログラムが。

 いつもとは違う熱気に包まれた歌舞伎座の幕が開くと、まずは松竹株式会社会長のご挨拶が。普段とは違う“式典”といった感じです。続いて、舞踊二題の上演がありました。

『都風流』
 長唄の舞踊です。主な立役の役者さんたちが勢ぞろい!!大好きな仁左衛門さん、吉右衛門さん、菊五郎さん、勘三郎さん、幸四郎さん、梅玉さん、三津五郎さん、そして團十郎さんたちが扮装なし、紋付袴で踊る素踊りです。普通の興行ではありえないすごい顔ぶれを見ただけでもうお腹一杯状態(笑)
 感想はただひたすら・・仁左さま素敵♪三津五郎さんはやっぱり踊りがお上手!などと思うだけ(笑)もう豪華すぎて・・・思考停止状態(笑)

『京鹿子娘道成寺』
 これまでいろいろなバージョンを含めて何度も見てきた、これぞ歌舞伎舞踊といった娘道成寺。配役表を見ると、白拍子花子が何人もいる・・・(笑)どうなるんだろう?と思いましたが、これも綺麗どころの女形ばかりの道成寺で、とても濃い舞台でした。メモをしていないので、どこか間違っているところがあるかもしれませんが・・・・。
 花子さんたちを踊るのは、玉三郎さん、福助さん、魁春さん、芝雀さん、時蔵さんたち。玉三郎さんがメインな構成でした。

 まず、道行は福助さんが花道に登場。はあ、綺麗・・・と思ったら、「二人娘道成寺」の時のように、スッポンから玉三郎さんが登場。ああ、これだけでも、もう豪華すぎるよ!!と思いました。最後に、私が歌舞伎に興味を持つきっかけとなった玉三郎さんの花子を歌舞伎座で見ることのできる喜びを噛みしめながら、遠く4階席からオペラグラスで見つめる・・・。本舞台での坊主との問答は再び福助さんのみ。福助さんが烏帽子を受け取りいったん引っ込み、紅白の幕が開くと、烏帽子をつけた時蔵さんの花子が登場。
 このように、それぞれの見せ場を最初は一人や二人で踊っていても、途中で玉三郎さんたちが登場したり、逆に玉三郎さんのみの踊りに後から福助さんが登場したり・・・というように、華やかなというか豪華すぎる道成寺でした。
 最後は、玉三郎さんと魁春さんが鐘に上り、芝雀さん、福助さん、時蔵さんも鐘の側に寄り添うというか、蛇体のようになり幕。
 あまりにも豪華すぎる娘道成寺は、まさに歌舞伎座の最後にふさわしかったです。

『口上』
 芝翫さんを中心に、坂田藤十郎さん、富十郎さんの三人の人間国宝たちが歌舞伎座閉場に関しての口上を述べられました。私たち歌舞伎ファンとはまた違った思いいれを持っている役者さんたち・・・。「うれしいような、さみしいような気持ち」というようなことをおっしゃった芝翫さん・・・・。藤十郎さんも、富十郎さんたちも、思い出がたくさん詰まっているんですよね。私も彼らの舞台を何度も見ていますが、役者さんにとっての特別の場所。感極まっている姿を見ると、こちらもぐっと胸にくるものがありました・・・。


 この後は45分休憩。これまでの歌舞伎の映像が流れていました。今は亡き役者さんにかかる掛け声もまた感動ものですね。私は映像も少し見ていましたが、幕見からいったん外に出て、表玄関から入場し、歌舞伎座の中ともお別れしていました。
 ロビーには奥様たちも大勢いらしていて、とても華やかでした!!音羽屋さんの舞台は結構観ているのですが、意外や意外に初めて富司純子さんをお見かけしましたが、凄く綺麗で素敵でした!!


『歌舞伎座手締式』

 幕が開くと、もうびっくり!!!5段くらいの緋毛氈のひな壇に黒紋付袴姿の役者さんがズラッと並んでいます。雀右衛門さんはいらっしゃいませんでしたが・・・、病気療養中で現在は舞台に立っていらっしゃらない猿之助さんは車椅子で・・・そして澤村藤十郎さんのお姿も・・・。とにかく壇上は豪華すぎて、オペラグラスで一人一人のお顔を見つけたりするだけで精一杯。
 一人一人の細かい表情は追えませんでしたが、目を真っ赤にしている人もいました。彼らにとっては、子供のころから過ごしてきた場所であるし、特別な場所ですよね。見ているこちらもウルウルしてしまいました。
 芝翫さんのご挨拶に続き、藤十郎さんの音頭で場内全員で手締めとなりました。

 歌舞伎らしく、カーテンコールなんてなく、あっさり終わった閉場式。でも、これはこれで歌舞伎らしい終わり方・・・。名残惜しいけれど、これから3年・・・ではなく2年と11ヶ月後にまた新しく生まれ変った歌舞伎座が、役者さんにとっても、歌舞伎ファンにとっても、すばらしい空間になるような芝居小屋になることを祈っています。

 
 この日の筋書(パンフレット)とチケットホルダー。筋書は、当日のプログラムはもちろん記載されていますが、歌舞伎座の歴史、さよなら公演のデータ、歌舞伎座で活躍した名優たち、役者さんの写真が掲載されていました。





 この日のためのチケットホルダーを開くと、中も歌舞伎座の写真が!!豪華すぎます。これは宝物にします。そして、歌舞伎座閉場式という歴史の一部に役者さんや他の歌舞伎ファンの方達と共有できたことは、本当に光栄であります!
 さて、気が早いですが、閉場式の次は、新しい歌舞伎座のこけら落としを楽しみに2年11ヶ月間待ちましょうか。

 そして、本当に「ありがとう」