20日の昼の部を見てきました。お目当てはもちろん『荒川の佐吉』です!!5年前に上演された時にも見ていますが、その時に初めてこの演目を見て以来の鑑賞、そして大好きな作品です
筋書は20日ともなれば舞台写真入りかなと思っていたのに、入っていませんでした。次の日からだったみたいで・・・うー残念。私は写真入りが欲しいから楽近くにいつも行くのに・・・。
『君が代松竹梅』
長唄の舞踊です。昨年に玉三郎さん一人のバージョンとだいぶ前に愛之助さん、進乃助さん、信二郎さんという3人とも立役バージョンを見ましたが、今回は孝太郎さんが竹の姫君という姫が入るパターンです。華やかな舞踊です。で、、、愛之助さんが素敵です!!麗しい!!
途中、能の『羽衣』みたいな歌詞を聞き取れたのですが、筋書をみたら天女が舞い降りた三保の松原に因み「駿河舞」を舞うとありました。こんなところにも『羽衣』がありました。『羽衣』について調べてみると面白そうだなと思いました。
『双蝶々曲輪日記〜角力場』
初めて見ました。高麗屋親子共演です。江戸時代は芝居も相撲も庶民の娯楽だったんだよなーと改めて感じました。染五郎さんは放駒(相撲取り)と与五郎の2役。なんかかわいいお相撲さんでした。与五郎は与三郎みたいな拵えで、いかにもぼんぼんというのが似合っていました。
『藤戸』
今年2月にお能の『藤戸』を見るつもりでしたが、事情で見に行けず、元ネタは見たことがないままこちらを見ました。吉右衛門さんの作った創作舞踊です。初演は宮島の特設舞台、今回は松羽目の舞台です。
この話は源平合戦の際、佐々木盛綱が漁師から馬で渡れる浅瀬を聞き出し、口封じのために盛綱が漁師を殺してしまった・・・。というお話です。前シテは漁師の母。吉右衛門さんの女形を見るのはたぶん初めて(^^;。盛綱に訴える姿が哀れみを帯びていて、想像していたよりも良かったです。
そしてびっくりしたのは後シテです。確か能の方は地味なので、そういうおどろおどろしいものをイメージしていたら、なぜか龍神と合体しています!!藤戸の悪龍となってしまったようです!!頭に龍のっけてるし、青い隈取りが迫力ありすぎ!ちょっと『船弁慶』が入っています。
ちなみにお能の後シテの画像はこのページの下の方にあります。
盛綱との戦いが派手で・・・。それはそれで迫力があったし、工夫なんだと思います。だけど、お能の方は見たことないけど、地味なのを想像していたため、漁師の霊が龍神になっているというのがびっくりで唖然としてしまいました(笑)でもかっこよかったですけど。
『荒川の佐吉』
これが一番のお目当てです。仁左衛門さんの当たり役の中でもわたしが大好きな役の一つです。前に見たときと多少演出が変わっていました。清五郎は冒頭、茶屋の前で殺されていたし。その時、お八重(前回は菊之助さんでした)にお守りを渡されていたかな、確か。)今回は前より一場増えて、見舞いに来た成川(段四郎さん)を殺そうとして返り討ちにされます。この場面の冒頭、愛之助さん扮する清五郎が座っていますが、3階から見ていたのですが、普通に
仁左衛門さんと間違えました(笑)なんであんなに似ているんだろうね。で、愛之助さんは出番が短かったけど、とてもよかったです!!
次の場面でおちぶれた仁兵衛が娘の子供の卯之吉を預かってくる場面から、もう目がウルウルモード
そして、胸はドキドキ(笑)仁左衛門さんは、ご自分でも子供が好きと仰っていますが、本当に好きなんだろうなぁと感じました。あと、30過ぎではしかのおすそわけ・・・という台詞に客席は笑っていたけど・・・私は23ではしかになったので笑うに笑えず。はい、本当に大人になってからのはしかは死ぬかと思ったほど辛いですから・・・・。と横道に逸れましたが、子守歌を歌ってあげたり、実の親子以上にいっぱい愛情を注いでいる佐吉の姿にほんわかモードになってしまいます。ていうか自分も子供好きだから、子供好きな男性には弱いのかも(^^;。
染五郎さんの辰五郎は人のよいあんちゃんという感じが良く出ていました。孝太郎さんのお八重は、ちょっと大人っぽいけどやっぱまだ子供で、プライドを捨てきれない感じでした。菊五郎さんの相政の親分もかっこよかったです。駕篭から出てきた姿のかっこよいこと!!卯之吉の母親お新も前回と同じく時蔵さん。前回よりも、子供を手放してしまった悔いや辛さが伝わってきました。佐吉が泣く泣く卯之吉を返すことを決心したところで、卯之吉がかけよって「ぼうはどこかへ行くの?おとうちゃんは一緒じゃないの?」で分かっていても涙が止まりません・・・。桜が咲き誇る朝日の中旅立つ佐吉の姿は、悲しい別れでなく、爽やかな旅立ちでした。やっぱりこの話、大好きです!!