みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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『風にもまけず粗茶一服』 松村栄子

2011年04月22日 | 本・マンガ
 武家茶道「坂東巴流」の家元の嫡男である遊馬が家を嫌がり京都への家出したものの、そこで出会う人たちも茶人ばかり・・・というお話の『雨にもまけず粗茶一服』の続編を読みました。『雨にも~』は終わり方がとても爽やかで、お気に入りの作品です。『雨にも~』は、比叡山のお寺へ修行しにいくというところで終わりでしたが、この『風にも~』は比叡山の天鏡院での修行をメインに、遊馬や彼の周りの人たちのその後が描かれます。

 『雨にも~』の方がいろいろと新鮮な面白さがありましたが、遊馬が茶道や弓道と段々と真剣に向き合う姿は清々しいです。お茶嫌いの阿闍梨がいるお寺だからこそ、現代生活とはかけ離れた不便な生活だからこその成長ぶりというものを感じられますし、続きがあるのならぜひ読みたい終わり方でした。

 また、巻末にはカンナと幸麿の結納エピソード「雪にもまけず粗茶一服」が収録されています。なぜ「雪」かはなるほどね。カンナにぴったり。そして京都人が怖いと思いましたが(笑)、その彼女の出生の秘密が明らかになり、そして彼女が持っていた袱紗のいわれにはホロリとしました。

 表紙はいいんだか悪いんだか分かりませんが(笑)遊馬君なら、茶髪よりもちょっと青がかっていたほうがいいよーな気もするのは私だけでしょうか・・・