吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

『バベルの塔』展(7月18日~10月15日/国立国際美術館)

2017-09-11 19:19:09 | 日々美しいものに触れようよ
 『昨年がクラーナハの年なら、今年はブリューゲルの年だ!』誰が言ったかって!? いま私がそう決めました。



 『一生に一度は見たい名画』と銘打って来日!これは是非見ておかないと・・・いそいそと中之島に向かったのだった。

 会場前には大友克洋の図解『INSIDE BABEL』が展示され、いやがうえにも期待が高まります。


 ※大友克洋版『バベルの塔』内部構造を想像して描いたもの。

 地下3階へと降りて行き、いよいよ会場へ・・・。

 お目当ての『バベルの塔』は最後の方、最初はネーデルラント絵画を観て回ります。
 ボスの『放浪者』と『聖クリストフォロス』が最初のヤマ場。

 『放浪者

 放浪者は人生の選択にあたって、思い入れタップリに娼館を振り返る・・・うんうん分かるナアその気持ち。

 『聖クリストフォロス

 聖クリストフォロスは幼子を背負って河を渡ろうとしたら、幼子が実はキリストでだんだん重くなり・・・という漱石『夢十夜』に出てくる『青坊主』みたいなお話(近いけど・・・違うだろっ!)。

 お馴染みのブリューゲル作品をもとにした版画『大魚は小魚を呑む』にもお目に掛かれます。

 ※『大魚は小魚を呑む』円内のモンスター・・・可愛いと思いませんか!?

 さて、いよいよ『バベルの塔』ですが、本物は実に小さい!近づいてもよく分かりません。

 ここは並ぶのをやめて列の後ろから肩越しに鑑賞し『小さい絵なのに凄く存在感がある(!)』絵全体の印象を確かめるのがベスト!

 ※わざわざ並ばなくてもこの感じで見ることができます。

 長い行列に並ばなくてイイうえに、2列目から肩越しに鑑賞する分には時間制限がナイのがウレシイところです(列に並ぶとどうしても『立ち止まらないでください!』状態になってオチオチ観ていられません)。

 細部を鑑賞したい方のためには超拡大した複製画が用意されていますので、これとCG映像で確認するのが正しい鑑賞法です。


 ※『バベルの塔』は推定500メートル以上、スカイツリーよりもやや低い高さまで建設が進んでいます。

 全体に上の方が赤っぽく見えるのは煉瓦がまだ新しいから、よく見ると漆喰(白)と煉瓦(赤)を運び上げているラインが確認できます。

 細部を見ていくとキリがないくらい描き込んであり、気が遠くなりそうな労力がつぎ込まれているのが分かります。

 中央(第4層)やや右の教会部分(これでほぼ実寸大か?それより少し大きいか?くらいです)。

 さらに拡大・・・

 凄い!凄過ぎるっ!


 ※超々々拡大した複製模型でも十分鑑賞に堪えるって・・・いったいどんだけ描き込んであるんですかぁ!?と驚きます。

 鑑賞が終わったら売店へ。今回の展覧会はグッズが充実しているのも楽しい点です。

 お手頃価格のエッグスタンド。さて、どれにしますか・・・・。


 ※やっぱりコレです!

 全体の構成は少し物足りない感じがしないでもありませんが、メインの3点は掛け値なしに充実!
 見逃すと後悔する展示会です。