2017年敬老の日のニュースから。
『総務省統計局は2017年9月17日、翌日の9月18日に敬老の日を迎えるにあたり、各種統計から見た日本の高齢者動向をまとめたレポートを発表した。その内容によれば日本の65歳以上(高齢者)の人口は2017年9月15日時点で3514万人となり、総人口比は27.7%となることが分かった。総人口に占める割合が1/4を超えたのは2014年から継続して4年目連続となり、前年からさらに人口・割合共に数字を上乗せし、過去最高となった』
そのうち、この小説が絵空事ではなくなるかも・・・。
中央人口調節機構(CJCK)職員による説明
『わたくし、厚生労働省直属の中央人口調節機構つまりCJCKの都内処刑担当官で斉木又三と申します。ご承知のように、二年前から全国で実施されております老人相互処刑制度、つまり俗にシルバー・バトルと言われておりますこの殺しあいは、今回は日本全国九十九カ所の地区、都内では三カ所で一斉に開始され、そのひとつがこのベルテ若葉台なのであります。ひひひひ。いや失礼。この制度は言うまでもなく、今や爆発的に増大した老人人口を調節し、ひとりが平均七人の老人を養わねばならぬという若者の負担を軽減し、それによって破綻寸前の国民年金制度を維持し、同時に、少子化を相対的解消に至らしめるためのものです。』
ここに『老人は老人であることそのものが罪である』という考えに基づき、老人が老人を殺し合う壮絶なバトルロイヤル(*註1)が始まったのです!
平和なご近所が突然、マカロニ・ウエスタンばりの戦場に変貌する!
"There can be only one."(*註2)・・・生き残れるのはたった一人だけなのだ!
蔦屋のご隠居である宇谷九一郎は、バトルに備えて購入したワルサーを懐に着流し姿で親友宅へ赴き、世間話をしながら親友を射殺する。苦しまずに死んだことを確かめると、自宅に帰って自作した町内地図を広げ、助っ人(*註3)の猿谷甚一と作戦を検討する。そこにはゲームのように対戦相手の情報が書き込まれているのだった。
『例えばこの是方昭吾七十四歳という人物だが、もと自衛官だったそうだから武力5、三佐だったらしいので頭はいいだろうから知力4、金はあまりなさそうだから財力1だ。この財力というのがなかなか莫迦にならぬ要素でな、金さえあれば武器が買える』
何とかして生き残りたいのは人情です。
ある者は闇ルートで拳銃やライフルを買って武装し、ある者は趣味の猟銃を持ち出し、・・・中には捕鯨砲や重機関銃を据え付けた家まである(!)。手近なところでは包丁やナイフ,スコップなどで戦うのですが、何せ体力の衰えた老人のこと、なかなか致命傷にはならず、かなり凄惨な展開に・・・。そしてバトル終了の後、覚悟を決めた老人たちの逆襲へと物語は続きます。
この話で描かれていくのは、もはや『誰が生き残るか』ではなく、登場人物それぞれの『死にざま』です。
潔い死にざま、情けない死にざま、突然の死、惨たらしい死、改めて『ああ、人間は死ぬものなんだ』と思い知らされます。
この小説、どうして映画化されないんでしょう?若い衆が孤島で殺しあうような映画は結構あるのに・・・。
やっぱり、あまりに切実すぎるのと、70歳を超えた名優(と言われるヒトたち)が殺し合いなんか演じてくれないからでしょう。
老人問題の解決策には・・・なりませんね。(^-^;ゞ
ここはひとつ(現実にはありえないことと承知のうえで)アハハと笑って楽しんで読むのが一番です。
註1:バトルロイヤルでは、最も強い者が勝つワケではありません。だいたいにおいて最初に、弱い者が2~3人で寄ってたかって最も強い(であろう)相手を倒すのがバトルロイヤルの常道なのです。で、大抵の場合3~4番目に強い者が勝ち残ります。勝ち残るために"Fate/0"や"Fate/Stay Night"なみの共闘や裏切りが行われるのがバトルロイヤルの面白みです。
註2:これは映画『ハイランダー 悪魔の戦士』で決闘のとき使っていた台詞を拝借しました。気が付いた人は気が付きましたね。なお、映画『ハイランダー 悪魔の戦士』の音楽は、あのQueenが担当しています。
註3:シルバーバトルで勝ち残った者は『特典として他地区のバトルに参加できる』との設定です。
ご参考:老人問題に言及した過去記事→大口病院 点滴連続殺人事件の深い闇
『総務省統計局は2017年9月17日、翌日の9月18日に敬老の日を迎えるにあたり、各種統計から見た日本の高齢者動向をまとめたレポートを発表した。その内容によれば日本の65歳以上(高齢者)の人口は2017年9月15日時点で3514万人となり、総人口比は27.7%となることが分かった。総人口に占める割合が1/4を超えたのは2014年から継続して4年目連続となり、前年からさらに人口・割合共に数字を上乗せし、過去最高となった』
そのうち、この小説が絵空事ではなくなるかも・・・。
中央人口調節機構(CJCK)職員による説明
『わたくし、厚生労働省直属の中央人口調節機構つまりCJCKの都内処刑担当官で斉木又三と申します。ご承知のように、二年前から全国で実施されております老人相互処刑制度、つまり俗にシルバー・バトルと言われておりますこの殺しあいは、今回は日本全国九十九カ所の地区、都内では三カ所で一斉に開始され、そのひとつがこのベルテ若葉台なのであります。ひひひひ。いや失礼。この制度は言うまでもなく、今や爆発的に増大した老人人口を調節し、ひとりが平均七人の老人を養わねばならぬという若者の負担を軽減し、それによって破綻寸前の国民年金制度を維持し、同時に、少子化を相対的解消に至らしめるためのものです。』
ここに『老人は老人であることそのものが罪である』という考えに基づき、老人が老人を殺し合う壮絶なバトルロイヤル(*註1)が始まったのです!
平和なご近所が突然、マカロニ・ウエスタンばりの戦場に変貌する!
"There can be only one."(*註2)・・・生き残れるのはたった一人だけなのだ!
蔦屋のご隠居である宇谷九一郎は、バトルに備えて購入したワルサーを懐に着流し姿で親友宅へ赴き、世間話をしながら親友を射殺する。苦しまずに死んだことを確かめると、自宅に帰って自作した町内地図を広げ、助っ人(*註3)の猿谷甚一と作戦を検討する。そこにはゲームのように対戦相手の情報が書き込まれているのだった。
『例えばこの是方昭吾七十四歳という人物だが、もと自衛官だったそうだから武力5、三佐だったらしいので頭はいいだろうから知力4、金はあまりなさそうだから財力1だ。この財力というのがなかなか莫迦にならぬ要素でな、金さえあれば武器が買える』
何とかして生き残りたいのは人情です。
ある者は闇ルートで拳銃やライフルを買って武装し、ある者は趣味の猟銃を持ち出し、・・・中には捕鯨砲や重機関銃を据え付けた家まである(!)。手近なところでは包丁やナイフ,スコップなどで戦うのですが、何せ体力の衰えた老人のこと、なかなか致命傷にはならず、かなり凄惨な展開に・・・。そしてバトル終了の後、覚悟を決めた老人たちの逆襲へと物語は続きます。
この話で描かれていくのは、もはや『誰が生き残るか』ではなく、登場人物それぞれの『死にざま』です。
潔い死にざま、情けない死にざま、突然の死、惨たらしい死、改めて『ああ、人間は死ぬものなんだ』と思い知らされます。
この小説、どうして映画化されないんでしょう?若い衆が孤島で殺しあうような映画は結構あるのに・・・。
やっぱり、あまりに切実すぎるのと、70歳を超えた名優(と言われるヒトたち)が殺し合いなんか演じてくれないからでしょう。
老人問題の解決策には・・・なりませんね。(^-^;ゞ
ここはひとつ(現実にはありえないことと承知のうえで)アハハと笑って楽しんで読むのが一番です。
註1:バトルロイヤルでは、最も強い者が勝つワケではありません。だいたいにおいて最初に、弱い者が2~3人で寄ってたかって最も強い(であろう)相手を倒すのがバトルロイヤルの常道なのです。で、大抵の場合3~4番目に強い者が勝ち残ります。勝ち残るために"Fate/0"や"Fate/Stay Night"なみの共闘や裏切りが行われるのがバトルロイヤルの面白みです。
註2:これは映画『ハイランダー 悪魔の戦士』で決闘のとき使っていた台詞を拝借しました。気が付いた人は気が付きましたね。なお、映画『ハイランダー 悪魔の戦士』の音楽は、あのQueenが担当しています。
註3:シルバーバトルで勝ち残った者は『特典として他地区のバトルに参加できる』との設定です。
ご参考:老人問題に言及した過去記事→大口病院 点滴連続殺人事件の深い闇