吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

首藤康之が踊る『兵士の物語』2018,10,6(土)兵庫県立芸術文化センター

2018-10-10 06:16:36 | 映画・ドラマを観て考えよう

※『兵士の物語』パンフレット

 ストラヴィンスキー作『兵士の物語』は様々な演出が行われてきましたが、今回は『世界的なバレエ・ダンサー首藤康之が兵士の役で踊る』というので、行って見ました。おお、開演前からホール前は人で溢れているではありませんか!・・・んん?何だか様子が変、花が届いているのが石丸幹二宛になっているゾ!?・・・えー!兵士役の首藤康之が主演じゃないのぉ?語り部役の石丸幹二が主演!?


※キャストのトップは石丸幹二(あれ?)

 これはしくじったか?と思いながら会場へ。


※おお!ストラディバリウスだ!

 『兵士の物語をストラディバリウスで弾いて、それを首藤康之が踊る』というので来たワケなんだが・・・演出者の趣味なのか小劇場風の芝居が延々と続く

 ストラディバリウスの音は素晴らしいのだろうが(すんません⤵私は『格付けチェック』に出たら『映す価値ナシ』になる方です、きっと)、この奇ッ怪なストラヴィンスキーの音楽に使う値打ちあるンだろうか?などと考えながら聞いてました。

 演奏者の方たちはアフタートークで『精密な設計図を思わせる楽譜』などと喋っていましたが、拍子が次々に変わり転調もあり、聞いている方はメロディーラインを感じることができずに終わってしまった、そんな感がありました。
 ああ、もっとクラシック詳しい方の評価を聞いてみたいもんです(ストラヴィンスキーは音楽にロシア的なものを取り入れたのでしょうが、これって伊福部昭の『土俗的』と同じ感覚なのか?とか)。


※ダンスシーン、首藤康之の踊りは圧巻!

 さて、3つの舞曲では遂に首藤康之と渡辺理恵のダンスが・・・四肢の使い方が柔らかい!流石です!
 テレビドラマでは松潤の父親役で食堂の親父なんかやってますが、世界的バレエダンサー(ベジャールがボレロのダンサーに選んだ唯一の日本人)なんですよ!これは見応えがありました。
 もう、小劇場風の芝居はイイから音楽とダンスだけで進行してください!

 物語は要約すれば『悪魔との約束で富や栄華を手に入れた兵士が一度は悪魔を出し抜くが、結局悪魔からは逃れられない』という粗筋です。
 舞台の切替にやや手間取った感はありましたが1時間半、楽しめました。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
主人公、一兎も得ずの結果に? ()
2018-10-25 13:02:29
これ、筒井康隆が語りとか、狂言とかの試みがあったのは知っているが、
小学校低学年からで「ピーターと狼」くらいわかり易いとは思うものの、全くもってご縁がなく。
だって、オペラでないし、『読まれ、演じられ、そして踊られる』が副題でスルーw
で、不況(第一次世界大戦&ロシア10月革命)で楽師7人の編成って、これ、パーカッションの人、忙しすぎると思うw

これって、物語も、音楽もバイオリン主体の物語なのよね。
だから、羨ましいです。

兵士のバイオリンと、悪魔の本の取引、三日でバイオリンが弾けるか―――、そもそもの設定がヽ(`Д´)ノプンプン
二つの幸せを求めると幸せは逃げていくという教訓は良いのだが、
何故主人公、最終的に、バイオリンもお姫様も手に入れたのに、そこで終わりならいいのに、
望郷に駆られて、国境を越えてしまうのかとか、ロトの妻が振り向くくらい愚かだわ。

最初の兵士の行進が、パントマイムで進んでいて、進まない歩き方、
楽器は舞台では踊りやすいように分数楽器のバイオリン使用をしていて、
だから尺がおかしいw
悪魔は自由自在に踊り、下のオーケストラピットでは指揮者なしで7人が必死に弾いている(特にバイオリン必死)という動画を拝見した。
これが、手足の長い首藤氏がやったら見事でしょうね。

で、メロディーはおっしゃるようにゴジラなのよね。ほぼ全部と言っていい。
心に残ったのは確かに『読まれ、演じられ、踊られる』で、
曲はリズムをその3つのためにとるためにあるような感覚でした。ジャズ?と思うとこもあったわ。
(因みにAmazonでの評価は違う、音楽通が騒いでいましたけどw)

ついでに、
オマエ(ストラディバリウス)はもう死んでいる(かも)!
バイオリンの耐用年数(音のピーク)は300年と言われている。ストラディバリウスは、そろそろ寿命かっと奏者の間では噂あり?
なお、クレモナのバイオリン博物館の学芸員や館長はメンテの為にバイオリンを弾かなくてはいけないのは有名。
今回の使われた楽器が1682年製、
上手い人に弾いてもらいたくてこの持ち主が彼に貸し出しているとゲスパー。
プロが弾くと安い楽器も素晴らしく聞こえるし、
そもそも弦と弓の値段で歴然の差、
さらに、その2つの劣化度でも音色が歴然。(ヘタ程、アマほど差が出る)
私も聴き比べは動画でよくトライするけど、
必ずも同じ条件でしてくれず、真価がわからない時の方が多い。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%90%E3%83%AA

聴けない皆さんも一部聴けるかと、
この音楽は、こういう雰囲気w
https://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?associate=SMO&cd=SICC000030219
返信する
あっ! ()
2018-10-25 13:43:16
そもそも7人のうちわけが、
ヴァイオリン、コントラバス、ファゴット、クラリネット、コルネット、トロンボーン、それに打楽器、
バイオリン主体の物語なのにもかかわらずですっ、
一人の金管、木菅に、集団でかかっても音の面で、そもそも負けてしまうので、オケにはあれだけバイオリンがゾロっといるわけです。(数の比率から言うと)
せめてバイオリンはファーストとセカンドを2台、ビオラも欲しい。

だからこの音楽はリズム重視なのかと思った次第です。
これがおそらく不況でなく、作曲者の意図なのだろうなぁ。
返信する
Re>主人公、一兎も得ずの結果に? (管理人)
2018-10-25 16:30:49
うわっ!こんなの返事できるンかいな?
とりあえず返せる分だけお返事します。
-------☆☆☆-------
>オーケストラピットでは指揮者なしで7人が必死に弾いている
>アフタートークで喋っていたが、これ指揮者ナシで合わせるのは至難のワザなのだそうだ。普通ではムリ、この7人はかつて一緒に演った経験があるのでナンとか・・・って話だった。
-------☆☆☆-------
>手足の長い首藤氏がやったら見事でしょうね。
>ええ、そりゃもう。実際に見ると首藤サンって凄く手足が長いのです(身長との比率が凄い)。ダンスシーンの写真で分かる通りです。また、この振りようがとても柔らかいのです!これは感動しました!
-------☆☆☆-------
>メロディーはおっしゃるようにゴジラなのよね。
>やっぱり!?・・・自分で『そうじゃないか?』と思っただけで確信はナイのです。その時代特有の傾向かも?と思います。
-------☆☆☆-------
>この音楽は、こういう雰囲気w
>あっ!もうネット上で聴けるのか!凄い時代だなあ。
返信する
Re>あっ! (管理人)
2018-10-25 16:36:23
>一人の金管、木菅に、集団でかかっても音の面で、そもそも負けてしまう
>そうだったのかΣ(゚□゚(゚□゚*)。実は聴いててトロンボーンがプカプカと実にウザかったのだ。まるで大嫌いなブラスバンドを聴いているような感覚だった。ストラヴィンスキーがこんな風なのかと思ったが、あれはオケの構成に無理があるからだったのか!?・・・そうだ。そうに違いない!
返信する

コメントを投稿